2011年12月15日 15:30 〜 17:00 10階ホール
マイケル・ウッドフォード・オリンパス元社長 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔(朝日新聞)

通訳 ミラー和空


Olympus Grassroots.com

http://www.olympusgrassroots.com/


オリンパスのホームページ

http://www.olympus.co.jp/jp/


会見リポート

「社長復帰は当然」日本的風潮を指弾

小此木 潔 (企画委員 朝日新聞編集委員)

会見の冒頭で10分くらいのスピーチがあるのではないかと想定していた。しかし「プレゼンテーションはしない。いろいろ聞いてもらって、それに答えるために来た」という。ちょっと意外だった。


ゲストブックのサインは「日本の自由なメディアばんざい!」。それではまず直球で、と第一問で「社長復帰のつもりはあるかどうか」をたずねたが、あっさりはじき返された。「当然だ。そうでなければ、ここにいないよ」


なるほど。では、この不正事件で誰が得をしたのか。私が予想したのは「自己保身をしてきた経営者たち」といった答えだったが、これには「捜査で解明してもらう」と、慎重な言い回し。


だが、会見が進むにつれて、感情が高ぶっていったようだ。とりわけ、「会談を申し込んでも会おうとしない」オリンパスの高山社長について、激しい口調で批判。横顔や息づかいからも、怒りがひしひしと伝わってきた。


粉飾や不正は日本企業に特有ではないが、大株主が取引優先でだんまりを決め込んでいるので、株主全体の利益が損なわれている点は日本的。不正を告発した自分は株主から感謝されるべきだ、とウッドフォードさんは説いた。


会場からの質問をたくさん受けて答える中で、これを機に外国人取締役の起用を渋る風潮が日本企業の中に生まれるかもしれないという指摘に対し、「そんなことになれば、日本は海外から人材を集めることができなくなり、信用も落とす」と、ここでも強い調子で答えた。


グローバリゼーションの時代の企業統治が問われるいま、信頼回復へ歩み寄りの知恵が出てこないものだろうか。今度はオリンパス側に問いかけてみたくなった。


ゲスト / Guest

  • マイケル・ウッドフォード / Michael Woodford

    オリンパス元社長 / Former President and CEO of Olympus

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