2011年11月16日 11:00 〜 12:00 10階ホール
IEA 世界エネルギー展望2011 記者会見

会見メモ

世界エネルギーアウトルック2011


ゲスト側同席者:

アモス・ブロムヘッド IEA上席エネルギー分析官

Amos BROMHEAD, IEA, Senior Energy Analyst

木原晋一 IEA上席エネルギー分析官

Shinichi KIHARA, IEA, Senior Energy Analyst


司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔(朝日新聞)

通訳 長井鞠子、渡辺奈緒子(サイマルインターナショナル)


使用した資料(OECD東京センターのホームページより)

http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/energy_pdf/20111116weo.pdf


IEA本部のWorld Energy Outlook 2011のページ

http://www.iea.org/index_info.asp?id=2153


OECD東京センターのホームページ

http://www.oecdtokyo.org/


会見リポート

原発事故対応、世界に貴重な教訓

大水 祐介 (時事通信外国経済部)

オランダ下院議員、教育・文化・科学相などを経て、2007年から10年まで経済相を務めた。国際エネルギー機関(IEA)事務局長としては初めての来日となったが、閣僚時代に4回以上日本を訪れたことがあるという「知日家」だ。


会見冒頭、東京電力福島第一原発の事故について「原子力の将来に大きな影響を与えている。国によっては原子力に背を向けようとしており、エネルギーミックスを見直しているところもある」と述べた。


ただ、「現時点において中国、インド、ロシア、韓国のような国々は政策を変えていない」と指摘。「福島原発の事故によって世界的に原子力が大幅に減少するとは予測していない」との見方を示した。


IEAは11年版世界エネルギー見通しで、経済協力開発機構(OECD)加盟国で新規の原発を建設せず、老朽化した原発を廃炉にするという「低原子力ケース」を想定。この場合、日本は発電量に占める原子力の割合が35年に18%まで低下する見通しで、これを埋め合わせるには「省エネ、再生可能エネルギーの利用には限界がある」と語る。


また、日本のエネルギー自給率は一層低下し、供給の途絶というエネルギー安全保障への懸念も高まると予想。天然ガスの輸入額は35年には800億ドルに達し、温室効果ガスの排出削減に向けた野心的な目標の達成も困難になると主張した。


「福島原発事故への対応は世界に貴重な教訓を与えることになる」─。福島第一原発の冷温停止、地震や津波に耐えた原発の管理などは原子力の安全性を高める価値のある情報になると強調。日本は今後、エネルギー政策の策定に際して安全保障や経済性、持続可能性を考慮しなければならず、省エネ、再生可能エネルギー、原子力の安全な利用のすべてが必要になると訴えた。



ゲスト / Guest

  • ファン・デル・フーフェン / Maria van der Hoeven

    国際エネルギー機関 / IEA

    事務局長 / Executive Director

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