2011年09月13日 15:15 〜 16:00 10階ホール
サントス コロンビア大統領 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ専務理事 中井良則

通訳 丸山啓子(オルヒスインターナショナル)


在日コロンビア大使館のホームページ

http://www.colombiaembassy.org/ja/


会見リポート

「治安改善」と日本企業に秋波

市川 亮太 (時事通信外信部)

偉大な指導者の後任は苦労する。こんな常識はサントス氏には当てはまらないようだ。コロンビア政界の名門に生まれ、複数の政権で要職を歴任。圧倒的人気を誇ったウリベ政権下では、国防相として左翼ゲリラ掃討に貢献。実績は十分だったが、就任前は「好戦的」「ウリベの操り人形」とやゆされていた。

 

しかし、就任後の支持率は予想を上回る8割前後をキープ。外交筋は「目新しいことをやっているわけではないし、特にカリスマ性があるわけではないのに」と首をかしげつつも「堅実さと内戦後の国民融和策が好感されているのでは」と分析する。

 

記者会見では、質疑応答のやりとりの中でこそ治安改善に胸を張ってみせたものの、大半の時間は、安全になったコロンビアがいかに投資に適している国になったかという説明に費やされた。今回の訪日では、日本との間で投資協定が結ばれたほか、経済連携協定(EPA)交渉に向けた共同研究を始めることで合意しており、さっそく日本企業に秋波を送った格好だ。

 

もっとも、次に訪れた韓国では、首脳会談で自由貿易協定(FTA)交渉を年内に妥結することなどで一致。経済面で日本は韓国に先を越された形に なっている。

 

中南米で最も生産性が高いとされる労働力を有し、安定成長、低インフレなどの好条件がそろったコロンビア。サントス氏は会見で、野田佳彦首相との首脳会談で、「唐突に」(外交筋)中南米の太平洋岸4カ国で構成する、発足間もない経済統合枠組み「太平洋連合」と日本の閣僚級協議を持ち掛けたことを明らかにしたが、こうした案に乗ってみるのも、他のアジア諸国に伍して中南米にさらに食い込むためには必要かもしれない。

 


ゲスト / Guest

  • フアン・マヌエル・サントス / Juan Manuel SANTOS

    コロンビア / Colombia

    大統領 / President

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