2011年08月04日 13:00 〜 14:00 10階ホール
シリーズ企画「3.11大震災」 原発立地県知事 泉田裕彦 新潟県知事

会見メモ

シリーズ企画「原発立地県知事」


司会 日本記者クラブ企画委員 西川孝純(共同通信)


パワーポイント資料

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/08/bb6437c2086c87cf772ed48659c62f1b.pdf

配布資料「福島第一原子力発電所事故に伴う新潟県内の放射線等の監視結果(Ver.1.2)」

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/08/93e136dee104377763d61aeb69da7435.pdf


新潟県知事公式ホームページ

http://chiji.pref.niigata.jp/


会見リポート

独立性の高い規制機関を

西川 孝純 (企画委員 共同通信特別編集委員)

「情報が決定的に不足していたし、出すべき情報を出さず多くの人にしなくてもいい被爆をさせた」


東京電力福島第1原発事故で東電と原子力安全・保安院の対応を泉田裕彦知事は厳しく批判した。通産省出身だが、現在の経産省に対して遠慮会釈がない。


県内には合計出力821万キロワットと世界最大級の東電柏崎刈羽原発がある。2007年の中越沖地震では3号基の変圧器で火災が発生。その経験から「保安院は事業所を監督するだけでなく、住民に直接向き合う機関として対応してほしい」と要請していた。「今回は保安院が前面に出たとは思うが、情報を過小評価した」と過去の教訓が十分生かされなかったことに苦言を呈した。


新潟県は福島県と長い県境で接しており、一時は他県を含めて約1万3千人の避難民を受け入れていた。「日本では大規模災害における非常時立法がない。他県住民を受け入れる仕組みもない」と指摘。こうした事態に備えて「米国のFEMA(米連邦緊急事態管理局)のような組織と広域的避難体制が日本にも必要だ」と強調した。


中越沖地震で止まったままの柏崎刈羽原発2~4号機の運転再開について「全く白紙で検討する。福島の事故は津波だけが原因なのか。配管破断があったのではないかという懸念がある」と語り、福島原発事故の徹底的な検証の必要性を訴えた。


泉田知事は、原発事故に関連した松永和夫経産省事務次官ら3人の更迭を「炉心溶融も恐らく分かっていながら発表を先送りした。更迭は当然」と明言。原子力安全庁構想については「反対だ。政府から独立して、いざというときに経営判断などを考えない米国の原子力規制委員会のような組織にすべきだ」と語り、日本の原子力政策に対する懐疑的な姿勢を最後までのぞかせた。


ゲスト / Guest

  • 泉田裕彦 / Hirohiko IZUMIDA

    日本 / Japan

    新潟県知事 / Governor, Niigata Prefectural Government

研究テーマ:シリーズ企画「3.11大震災」原発立地県 知事 記者会見

研究会回数:0

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