2010年08月30日 00:00 〜 00:00
西岡武夫・参議院議長

会見メモ

第28代参議院議長に就任した西岡武夫議長が昼食会で話し、質問に答えた。ねじれ国会となった参議院の運営や、民主党代表選に出­馬する小沢一郎氏に関する質問が続いた。

西岡議長は小沢一郎氏について「常にマスコミのライトを浴びている。この辺ではっきり政治に対する姿勢に決着をつけるべきだ」と­述べ、政権与党党首の座を争う者は「政治生命のすべてをかけるべきだ。敗れれば党を去る選択肢もある」と指摘した。質疑応答でも­「小沢さんはケリをつけるべきだ。中央突破して(代表選に)出ろ、といっている」「もう宣戦布告したわけだから、これで出なかっ­たら小沢一郎ではない」「負けた場合、新しい党を作ることにはならない。政治を混乱させるだけでやるべきではない」「政権を取っ­た小沢さんは、野党がきちんと問えばきちんと答え、わかりやすくなるだろう」などと小沢論を語った。
政権交代が実現した09年衆院選からちょうど1年たつ民主党政権については「あまりにも方針がぶれすぎた。総理のことばが軽いの­は何なのか。はらはらするというより、いらいらしていた」「円高にしてももっと早く手を打つべきだ。日本の政治はタイミングをは­ずしている」「党が知らないところで政府は独自に政策を進めた。小沢支配というのはまったく違う」と苦情を述べた。
参議院の運営について「一票の格差問題はできるだけ早く手をつけたい。9月には各党の第一回会合を開き、今年中に方向性を出した­い。私案はある」「(ねじれ国会は)大変だ、と正直思っている。ぎりぎり与野党が話ができる場面を作らなければならない」「まと­めなければ参議院の責任は果たせない」などと語った。
司会 日本記者クラブ理事 井上喜三郎(南日本新聞)
代表質問 日本記者クラブ企画委員 川村晃司(テレビ朝日)


西岡武夫議長のホームページ
http://www.nishioka-takeo.com/index.htm
参議院のホームページ
http://www.sangiin.go.jp/

会見リポート

代表選で「小沢問題」にケリを

泉 宏 (時事通信出身)

「なんで僕が参院議長になったんでしょうね」─。初当選は1963年の第30回衆院選。弱冠27歳の世襲議員として話題になった。国会議員歴42年は現役最多。背筋をピンと伸ばし、後期高齢者入り目前とは思えない若々しさ。たしかに「参院議長」のイメージとは重なりにくい。

折しも、小沢一郎前幹事長の出馬表明で永田町は民主党代表選で大騒ぎ。その直前(8月23日)の参院議長記者会見が波紋を投じた。7回も書き直したという「提言」のタイトルは「政治に残された時間と余白はあるのか」。「申しあげたかったのは次の2点」と前置きし①良くも悪くも20年間も注目を浴びてきた小沢一郎という人物についてこの辺ではっきり決着をつけるべきだ②首相の座を争う政権政党の代表選に出る人物は、敗れた場合は党を出るくらいの覚悟が必要─と力説した。

政界で憶測を呼んだのは②の部分。「代表選後の民主党分裂示唆」との受け止めに、西岡氏は「小沢さんの出馬を前提にした発言ではなかったので…」と苦笑しつつ「小沢氏が負けた場合、新しい党をつくるということにはならないでしょう」と否定した。

「民主党政権1年は?」と聞かれると「あまりにも方針がブレ過ぎた」とバッサリ。その延長線上で今回の民主党代表選の重要性を説く。「政権(首相の座)を獲った小沢一郎は誰も見たことがない。もう(小沢問題に)ケリをつけないと日本の政治のためによくない」「小沢政権なら政治が分かりやすくなる」との話しぶりは小沢首相待望論に聞こえるが、小沢氏の政策については「自分の考えとはいくつか違う点がある」とも。

若き日の新自由クラブ結成当時から変わらない「一言居士」。参議院の存在理由が問われる昨今、“お飾り”ではない最長老議長の「議会制度改革」への期待もふくらんだ。

ゲスト / Guest

  • 西岡武夫 / Takeo Nishioka

    日本 / Japan

    参議院議長 / the President of the House of Councillors

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