会見リポート
2010年05月07日
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原中勝征・日本医師会会長
会見メモ
日本医師会のホームページ
http://www.med.or.jp/
原中会長は「国民に開かれた国民のための医療制度を作る」と述べ、「民主党政権ができたのは大きなことだ。ただ期待した政治ができていないのは大変残念だ」と民主党政権を支持し、働きかける立場を示した。
医師不足の解決策や医療費の引き上げ、混合診療の是非、勤務医と開業医の違い、医療事故対策など、幅広い問題について考え方を示した。参議院選挙でどの候補を推薦するかについては「来週、決める」と答えた。
司会 西川孝純・日本記者クラブ企画委員(共同通信)
会見で使用した資料です。
http://www.jnpc.or.jp/files/opdf/452.pdf
会見リポート
口をついて出た仇敵と同じ言葉
大林 尚 (日本経済新聞編集委員兼論説委員)
医師会の政治団体は参院選に苦肉の策で臨む。民主党候補を推薦しつつ、前執行部が推薦を決めていた自民党現職とみんなの党の候補は支援候補に。会員の投票は割れるだろう。
もっとも政権交代のあおりで右往左往するのは、多くの団体に共通している。医師会と対極に位置するであろう日本経団連も、いまだに与野党それぞれとの距離感を測りかねている。だが政権がどうなろうとも、高齢者は増え続け、医療技術は日進月歩。医療費をどう賄うかは日本全体が背負う課題だ。
原中氏は消費税増税が必要だと明言した。民主党の参院選公約に一石を投じるだろう。その文脈は、およそ次のようなものだった。
「消費税を上げないとはもう言わない」→「ただし国民は、官僚はこんなに無駄遣いしているじゃないかと言う」→「事業仕分けをやり抜き、あとはお金を出さなければ医療は崩壊しますよと、国民に聞く必要がある」
実は4年前、原中氏が仇敵と見なす小泉純一郎首相がそっくりの発言をしていた。「歳出削減を徹底していくと、(国民の間では)もう増税の方がいいという議論になる」。医師会が諸悪の根源のようにいう「骨太方針2006」を決めた経済財政諮問会議の席上だ。
医療費の問題も財政の立て直しも、歳出削減か増税かの二者択一ではなく、歳出削減も増税も必須。心あるステーツマンは与野党の別なく、それを理解している。だから医師会は、やはりつらい立場だ。
ゲスト / Guest
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原中勝征 / Katsuyuki HARANAKA
日本 / Japan
日本医師会会長 / Chairman of Japan Medical Association