2010年03月01日 00:00 〜 00:00
石破茂・自民党政調会長

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会見リポート

「石破言葉」で党再建の先頭に

川上 高志 (共同通信編集委員)

「意外」と言えば失礼だが、政治に関心のある学生に聞くと、今の自民党の政治家で一番説得力があるのは石破政調会長だという声が多い。理由は、自分の言葉で話していると感じるからだという。永田町に染まった「自民党言葉」は若い人たちに届かない。必ずしも投票に行く世代ではないが、自民党が政権を失った一因ではないかと思う。

その意味で「こいつの言うことを聞いてみよう、という気にさせないと駄目だ。政治がショーになるのはいいことではないが、感動がゼロでは駄目」という石破氏の認識にうなずいた。

野党として政府を攻める国会論戦で、自民党は最前線にベテラン議員を多く立てた。だが「質問」というよりも、自身の見識を開陳する場面が続き、これも石破氏が指摘した通り「『言って聞かせてやる』では国民の支持につながっていかない」だろう。

では自民党をどう変えていくのか。石破氏は「自民党ならどうするか。各課題についてきちんと示すのが喫緊に必要だ」と強調した。その責任は政策担当者の石破氏にある。

当選8回、25年の永年勤続表彰も近いと自己紹介した。53歳ながらもはや「中堅」ではない。党再建を担うリーダーにならなければならない。だが残念ながら今、党内での存在感は薄いように感じる。

財政から安全保障まで理路整然と、時に熱っぽく語るが、そろそろ「政策マン」から脱皮して、中堅・若手を率いるリーダーの意気込みをみせてほしい。執行部の一人として、谷垣総裁を支えるのが役目という思いかもしれないが、気が付けば「中二階」の存在で終わる可能性もある。もっと泥臭く、汗をかき、「石破言葉」に迫力を加えて党再建の先頭に立つときではないか。
 

ゲスト / Guest

  • 石破茂 / Shigeru YISHIBA

    日本 / Japan

    自民党政調会長 / Policy Research Council chairman of the Liberal Democratic Party

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