2010年02月15日 00:00 〜 00:00
ジム・ウェブ・米上院外交委員会東アジア太平洋問題小委員長

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会見リポート

普天間─たくさんのオプションが

杉尾 直哉 (毎日新聞外信部)

日米同盟関係は、日本でしばしば報道されてきたように本当に今、危機的状況にあるのだろうか。また、あつれきの原因である普天間飛行場の移転問題は、米側にとって現行計画以外はあり得ないのだろうか。

こうした問題を考える上で、ベトナム戦争時代に米海兵隊員として沖縄に駐留した経験を持つウェブ上院議員の会見は興味深かった。軍の計画官として沖縄米軍を米領グアムや米自治領北マリアナ連邦テニアンに移転する案を検討したこともあるという。その経験に基づき、普天間問題の解決について、「たくさんの現実的なオプションがありうる」と述べたのが特に印象的だった。

米民主党の議員でありながら、オバマ民主党政権からは一歩離れた立場を取り、この日も「政権の政策を支持する義務は私にはない」と語った。だが、オバマ政権の政策決定に影響を与えた人物でもある。

昨年8月のミャンマー訪問がそうだ。軍政のタンシュエ議長やアウンサンスーチーさんと会い、さらに、スーチーさんの自宅に侵入したとして懲役7年の判決を受けた米国人男性を解放した。この行動は米政府の命を受けていなかったが、オバマ政権は対ミャンマー政策を見直し、関与政策へと大きくかじを切った。

普天間問題でウェブ議員ならではの役割を演じることができるのかは分からない。だが、米政府内の対日政策に特化した専門家だけでなく、ウェブ氏のようないわば部外者の声を聞くことが、米国が進む道を見極める上で重要だと感じた。

「日米双方が自分の利益になると感じられる形の合意が重要だ」とも述べた。「押し付け」の印象を与える問題解決が結局、米国のためにならないという理解は、国防総省を含む米政府内でも共有されているはずだ。
 

ゲスト / Guest

  • ジム・ウェブ / Jim Webb

    アメリカ / USA

    米上院外交委員会東アジア太平洋問題小委員長 / small chairman of U.S. east Asia Pacific Ocean problem ,Senate Foreign Relations Committee

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