2009年11月06日 00:00 〜 00:00
安藤隆春・警察庁長官

申し込み締め切り

会見リポート

犯罪ネット・インフラの解明・解体

日本テレビ放送網報道局解説委員 (横山 武信)

「警視庁時代にマスコット『ピーポ君』を発案したアイデアマン」と紹介された安藤長官は「今後の犯罪対策の課題」について講演した。まず、犯罪情勢について、平成14年に最悪だった犯罪の認知件数は、昨年182万件と約4割減少したが、昨年秋からの経済情勢の急激な悪化に伴い、治安悪化への影響を懸念しているとのこと。

さらに治安に対する新たな脅威として「振り込め詐欺」「サイバー犯罪」「無差別殺傷事件」を挙げた。振り込め詐欺対策に関しては、被害額はピーク時の4分の1になったが、残るプロ的なグループをどう撲滅するか、検挙と防犯対策をさらに進める方針を示した。

次に、「犯罪のグローバル化」について、国際犯罪組織と国内の暴力団や外国人ネットワークが連携を取っている実態を説明し、警察の今後の対策として、「情報共有と情報分析が重要で、事件処理だけでなく犯罪のネットワークやインフラを解明・解体しなければならない」と熱く語った。また、ヨーロッパ27カ国が加盟していて、集めた犯罪情報を各国にフィードバックするEUの警察機構を見習って、東アジアにもこのような警察機構を設置するという新たな構想にも触れた。

最後に、治安再生のために、官民一体となっての対策を進めていくことが重要だと決意を述べた。

質疑応答では、さいたまや鳥取で起きた連続不審死事件について、「死因究明のための教訓を得ていきたい」と語った。

今回の会見では、「日本の治安」というキーワードをたびたび使っていた。

今後、日本の治安をさらに良くするために、具体的にどう推し進めていくのか、警察庁のアイデアマンに期待したい。
 

ゲスト / Guest

  • 安藤隆春 / Takaharu ANDO

    日本 / Japan

    警察庁長官 / Director General,the National Police Agency

ページのTOPへ