2009年06月25日 00:00 〜 00:00
麻生太郎・首相

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会見リポート

「遠くない」発言が波紋を

早野 透 (朝日新聞コラムニスト)

政局が緊迫するなかでの麻生太郎首相の記者会見、エキサイティングな場面となった。

麻生氏はまず「いずれ質問されるから」と前置きして「衆院解散はそう遠くない」と発言した。「遠くない」とはいつのことか、その後の政局に大きな波紋を呼んだ。

首相が訴えたかったテーマは「私の目指す安心社会」である。「就任以来、経済と景気の一点に努力、4度の予算編成で明るいきざしがみえてきた」と述べた上で、次は「未来の安心社会の姿と道筋を示したい」と語った。

首相は、「豊かさと平等」を実現してきた自民党政治にも「ほころび」が出て「ワーキングプアやニートや子どもの貧困」などに十分対応できなかったと反省、そして「安心の基本は雇用」と述べた。「切れ目のない社会保障」への信頼回復、骨太方針2009も策定、「総選挙に勝利してこれらの政策を実現したい」との意気込みをみせた。

国民の政治への不満に対し「真剣に反省」し、「市場だけではうまくいかない」「小さな政府至上主義ではなく、機能する政府、簡素で温かい政府をつくりたい」「自民党は変わる」などと表明した。麻生政権9カ月、総選挙を目の前にしての長期ビジョンの提示である。

さて、この後の質疑は白熱した。首相は、内閣・党人事について慎重姿勢を示し、きたるべき東京都議選は「勝てるし、勝たなければならない」と力説した。

自民党総裁選の前倒し実施には「自民党のイメージにはマイナス」と否定し、あくまで麻生首相の手による解散・総選挙を模索する姿勢を見せた。

ゲスト / Guest

  • 麻生太郎 / Taro ASO

    日本 / Japan

    首相 / Prime Minister

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