2009年03月18日 00:00 〜 00:00
山崎拓・衆議院議員

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会見リポート

農業インフラ整備の支援に期待が

谷田 邦一 (朝日新聞編集委員)

対テロ戦の最前線アフガニスタン。オバマ政権が優先課題に掲げるその安定化に、日本はどう対応するのか。与党調査団長として3月に現地入りした自民党の山崎外交調査会長は、「アフガン復興」と「日米同盟維持」の2つの視点で考える必要を示した。

カルザイ大統領らと会談した山崎氏は、8月にある大統領選の円滑実施や警察強化などに日本政府が約3億ドルを追加支援することを伝え、今後の支援策についても話し合った。

復興支援策では、選挙監視要員の派遣と農業開発が浮上しているという。山崎氏は、具体的には灌漑や農業インフラの整備を挙げ、大統領自身からも「日本の指導的立場」に期待が寄せられたと明かす。

その実現にはNGOの協力が不可欠だ。しかし「ペシャワール会」の伊藤和也さんが昨年夏、武装グループに殺害されたばかり。ただ同会には、03年から長さ約20キロの灌漑用水路を建設してきた実績がある。山崎氏は「危険を伴うが、思い切って担当する以外にないんじゃないか」と意気込みをみせた。

より難しいのは、米軍やNATOが主導する対テロ戦への協力だ。

治安悪化は著しく、カブールでさえ移動に装甲車を要し、ISAF(国際治安支援部隊)本部では毎日のように兵士の死を悼む参加諸国の半旗を目にしたという。

ブッシュ前政権は自衛隊の空輸支援などを打診したが、政府は「軍事的な支援は難しい」と見送った経緯がある。今回の訪問先でも「できないと明確に申しあげた」ものの、「それではなかなか国際社会から理解を得にくい」ことも痛感した。

軍事協力にも踏み込むのかどうか。「オバマ政権はどんな要請を行ってくるのか」と苦悩をにじませたが、具体的な言及はなかった。

ゲスト / Guest

  • 山崎拓 / Taku YAMASAKI

    日本 / Japan

    衆議院議員 / Member of the House of Representative

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