2009年03月25日 00:00 〜 00:00
中川秀直・自民党元幹事長

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会見リポート

麻生首相で5月解散・総選挙

高橋 利行 (読売新聞出身)

「埋蔵金」を掘り当てたせいか、麻生太郎首相と距離を置いている実力者が、自民党がやや形勢を盛り返している段階で、どう動くかに関心があるせいか、現役の記者を含めて多くの取材陣が集まった。

スピーチの大半を、持論の「政治と官僚とのかかわり」について費やし、政局については①5月ごろに国民の審判を仰ぎ、政局の硬直を打破すべきだ②選挙に勝てそうもないからカオを代えるという議論には組しない──と、あからさまな批判を避け、麻生首相の下で衆院選に臨む考えを明らかにしたにとどまった。

半面、郵政民営化がなし崩しになっているという危機意識があるのだろう、「小泉改革」が問われていることについて「いま起きていることの諸悪の根源が小泉改革なのか」「景気悪化は小泉改革のせいだなどという人は少ない」と、穏やかな調子ながら反論してみせた。

注目されたのは「新しいリーダーシップ論」で、いまのような「変化の時代」には、「正三角形」「ピラミッド型」のリーダーシップではなく、現場で、変化に対応し、新たなチャレンジをしている若い人々を、下から「逆三角形」で補完、ネットワークするリーダーシップが正しいのではないか──という点である。

「俺が、俺が」という古典的なリーダーシップを否定したことは、奥ゆかしくもあるが、危機意識の薄い「平時」のリーダーシップ論にも聞こえた。求められているのは「有事」もしくは「非常時」のリーダーではないか。単騎で駆け抜けた小泉純一郎氏に私淑している中川氏に期待されている役割とは、いささか異なるような気がした。世を忍ぶ仮の姿にしても、永田町はともかく、世間は納得しまい。政治不信の高まりに応える本音を聞きたい思いが残った。

ゲスト / Guest

  • 中川秀直 / Hidenao Nakagawa

    日本 / Japan

    自民党元幹事長 / Former Secretary‐General of the Liberal‐Democratic Party(LDP)

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