2009年02月20日 00:00 〜 00:00
足立正彦・住友商事総合研究所北米担当シニアアナリスト「オバマのアメリカ」4

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会見リポート

総覧 オバマの人脈と指南役

会田 弘継 (共同通信編集委員室次長)

足立さんが久保文明・東大教授と一緒につくった2008年大統領選各候補の政策指南役らのリスト「米大統領候補人脈の研究」(東京財団)には、驚かされる。おそらく類書は米国にもないだろう。とにかく、包括的で緻密なのだ。リストづくりの原動力が足立さんだったことは、久保教授も認めている。

「オバマのアメリカ」研究会での、足立さんの講演も、やはり包括的で緻密だった。民主党大統領としては、1976年のカーター以来はじめて、きちんと有権者の過半数の票を得て当選したオバマ大統領の「正統性」の分析から始まり、ヒラリー・クリントン国務長官のアジア歴訪まで、すべてをおさらいしてくれた。

足立さんの手にかかると、例えばオバマ政権の閣僚人事発表完了は12月19日で、第1期クリントン政権の12月24日、同ブッシュ政権の1月2日に比べて何日早い、というような数字データがどんどんと出てくるだけではない。安全保障政策立案・調整の要になるジョーンズ大統領補佐官(海兵隊出身)は「沖縄に3回勤務。東富士に住んでいたこともあります」というような、ジョーンズさんに会う時に役立ちそうなエピソードも次々と出てくる。

オバマ政権の人事を見ての足立さんの見立ては「全体として、継続性と変革が交差するプラグマティックな布陣」というものだ。チェンジ(変革)を前面に押し出して当選を果たしたオバマ大統領だが、いざ政権を担うとなると「手堅く」ということになるのだろう。ゲイツ国防長官の留任や、サマーズ国家経済会議(NEC)委員長就任にそうした気配がうかがえる。

この政権と日本はどう付き合っていくべきか。足立さんの結論は、受け身ではなく「プロアクティブ」(率先して前向き)な提案をぶつけて行け、ということだった。

ゲスト / Guest

  • 足立正彦 / Masahiko ADACHI

    日本 / Japan

    住友商事総合研究所北米担当シニアアナリスト / Senior Analyst, North American Representative, Research Institute, Sumitomo Corporation

研究テーマ:オバマのアメリカ

研究会回数:4

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