2008年09月26日 00:00 〜 00:00
太田昭宏・公明党代表

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会見リポート

微妙なシナリオの狂いも

川上 高志 (共同通信編集委員)

ここまでの政治シナリオは公明党の思惑通りに進んでいる。昨年から繰り返し言い続けた「今年秋の総選挙」の流れを作り、「選挙の顔」にならない福田康夫前首相は退陣した。党大会で無投票で再選され、麻生太郎新首相と「定額減税」を盛り込んだ連立政権合意をまとめた太田昭宏代表は、いつも以上に自信に満ちて見えた。

だが解散戦略が思い通りに実現するのか、微妙な狂いも生じている。それを強気の発言で切り返したのが印象的だった。

一つは、麻生新首相の支持率が期待したほど上がらなかったことだ。報道各社の支持率は5割前後だったが「選挙は戦える。このまま行くとの流れに大きな変化はない」と強調。「首相にふさわしい人」の調査で、麻生氏が小沢一郎民主党代表を大きく上回ったと盛んにアピールした。

景気対策として臨時国会で補正予算成立を目指すべきではないかとの指摘に対しても、通常国会以来の民主党の対応を「表で言うことと考えていることは違う」と批判。総選挙後に規模を拡大した補正予算を検討する考えも示し、まずは早期解散に踏み切るべきだとの姿勢を通した。

選挙後の自民党との連立維持も明言。この路線を貫くのが太田代表の信念なのだろう。

だが中山成彬前国土交通相の辞任、「大恐慌再来」も懸念される国際的な金融危機で政府、与党の戦略は見直しを迫られている。麻生首相は当初から補正予算成立に意欲を見せていたし、二次補正を検討する考えも示している。公明党が歩調を合わせて進めるのか、太田代表には難しい判断を求められる局面が続くだろう。

ゲスト / Guest

  • 太田昭宏 / Akihiro Ohta

    日本 / Japan

    公明党代表 / Chief Representative, New Komeito

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