2008年02月27日 00:00 〜 00:00
渡辺喜美・金融・行政改革担当相

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会見リポート

公務員制度改革は対話姿勢で

中澤 謙介 (読売新聞政治部)

父親の渡辺美智雄・元副総理譲りの明快な語り口で知られる。2007年末の独立行政法人整理合理化計画の策定過程では、テレビカメラを引き連れての閣僚折衝などの「演出」が批判を浴びた。今回の会見では、まじめに丁寧に、政府が今国会提出を目指す国家公務員制度改革基本法案の意義を説明したのが印象的だった。対話を通じて理解を得ようという姿勢がうかがわれた。

公務員制度改革は、①幹部公務員の人事を一元管理する「内閣人事庁」を創設する②キャリア制度を廃止する③政治家と国家公務員との接触を閣僚の許可制などにする──などが柱だ。官僚や国会議員からは、「政官の接触を制限すると、議員に情報が入らなくなり、官僚主導が強まる」などの異論が噴き出している。

これに対し、渡辺氏は「官僚の本来業務は政策の企画立案や法の執行だ」「全く接触してはいけないと言っているのではなく、ルールを作ろうと言っている」と訴えた。

この問題に低姿勢で臨んでいるのは、独立行政法人改革の時と異なり、自民党や各省との協議などで丁寧に説明すれば、一定の理解が得られる感触を得ているからだろう。自民党国家戦略本部(本部長・福田総裁)が渡辺氏支援の姿勢を打ち出していることについても、「孤立無援の渡辺として有名になったので、(今回は)1万人の味方を得た思いだ」と笑顔で語った。

ただ、渡辺氏は日ごろ、「公務員制度改革は官僚制度の根幹にかかわるので、独法改革とは比べものにならないマグニチュードを秘めている」と話している。法案の行方次第では、慎重派と対決する構えだ。最後に、「私の知らない法案も出回っている。これは裏シナリオだ」と慎重派をけん制することを忘れなかった。

ゲスト / Guest

  • 渡辺喜美 / Yoshimi WATANABE

    日本 / Japan

    金融・行政改革担当相 / Finance and administrative reform minister

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