会見リポート
2007年12月11日
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ローヒタ・ボーゴラガマ・スリランカ外相
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会見詳録
会見リポート
和平交渉は不透明なまま
和田 真人 (共同通信外信部)
反政府武装組織タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)との和平問題について、スリランカのローヒタ・ボーゴラガマ外相が切り出した。
民族和解に向けて検討している地方への権限移譲案を近く公表できるとも、記者の質問に対して答えた。和平への動きが前進中と捉えられる発言が織り交ぜられた会見だった。
しかし、現地からの報道では戦闘は逆に激化。権限移譲によって和平が実現できるのかも、微妙な現状だ。結局、お互いに背中を向け合ってキャッチボールをしているだけなのだろうか。
「今の日本人には理解できないかもしれないが、もし親や兄弟を殺されたらどうする?」
同じ南アジア地域の北の端、インド・カシミール地方出身で、かつて付き合いのあった男性が口にした言葉を思い出した。
怨念の連鎖を絶たない限り、どんな紛争も解決を実現するのは難しいのだろう。
外相は「LTTEからアプローチがあれば政府はいつでも話し合う用意がある」と対話による和平実現を求める立場をあらためて表明した。
結局、ボールがLTTE側にあることを強調することで、2006年10月のジュネーブでの直接協議が失敗ではなかった、と言いたいのだろうか。
「闘いを望んでいるのはLTTE側だ」「中途半端な解決をするつもりはない」「国民を守るべき政府がテロ行為を許すわけにはいかない」。実は、今回の記者会見で外相は最後まで強硬姿勢を崩さなかった。
ゲスト / Guest
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ローヒタ・ボーゴラガマ / Rohitha BOGOLLAGAMA
スリランカ / Sri Lanka
外相 / Foreign Minister