2007年12月03日 00:00 〜 00:00
ツァヒアギン・エルベグドルジ・モンゴル民主党党首

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会見リポート

民主の旗手 日本に強い期待表明

加藤 青延 (NHK解説主幹)

モンゴル民主党のエルベグドルジ党首は、モンゴルの政治革命を先導してきた、民主主義の立役者だ。今年6月の総選挙に勝てば、通算3回目の首相になると予想される。

モンゴルが、事実上ソビエトの衛星国に甘んじていた中学生の頃、日本帝国主義打倒というスローガンの旗を持って、行列に参加した経験を吐露する一方で、「ソビエトの崩壊でモンゴルに生じた空白の時期に、日本が新しい友人として、経済協力をしてくれたことを決して忘れない」と語り、モンゴルにとって、今や日本は、民主主義という同じ価値観を共にする、最も良好な2国間関係であるとの立場を強調した。

モンゴルは、銅やレアメタルなどの地下資源が豊富で、地下資源の国際価格の上昇を受けて、GDP・国内総生産が、ここ3年で2倍に急増したという。

エルベグドルジ党首は、「隣接するロシアや中国は、わが国の地下資源の権益拡大に積極的だ。我々は、日本にも、決して遅れをとってほしくない」と述べ、資源開発の分野での日本との協力に強い期待感を示した。

モンゴルの西の端、ホブド県の遊牧民の家庭で、8人兄弟の末っ子として生まれたエルベグドルジ党首は、旧ソビエトのリボフ軍事政治大学を卒業後、軍事ジャーナリストに。民主革命の当時は、モンゴル民主連盟の代表として、民主主義体制の確立に主導的な役割を果たした。98年、最初に首相を務めた後、アメリカに赴き、ハーバード大学で学位を取得するなど、数奇な経歴を持つ。会見の中で、エルベグドルジ党首は、「モンゴル人と日本人は、ともに、(蒙古斑という)天から共通の刻印を受け、仲良く発展する運命を授けられていると思えてならない」と、日本への強い親近感もにじませた。

ゲスト / Guest

  • ツァヒアギン・エルベグドルジ / Tsakhiagiin Elbegdorj

    モンゴル国 / Mongolia

    モンゴル民主党党首 / Leader of the Democratic Party

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