2007年10月17日 00:00 〜 00:00
ムスタファ・バルグーティ・前パレスチナ情報庁長官

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会見リポート

パレスチナ「第3の勢力」

岩崎 建 (日本テレビ放送網外報部)

2005年1月、私はヨルダン川西岸・ラマラにいた。死去したアラファト議長の後継者を決める選挙を取材するためだ。当初から、現在も議長の座にあるアッバス氏優勢が伝えられており、焦点はどれだけ多くの支持を集められるかだった。

その選挙で、意外ともいえる20%近い票を獲得し次点につけたのがバルグーティ氏だ。

「第3の勢力」。バルグーティ氏はパレスチナでの自らの位置づけをこう表現する。そして、「パレスチナの民主化」を最大のテーマとして掲げる。会見でも何度も「民主的に」との言葉を口にした。

イスラエルの占領を非難する内容が大半を占めた記者会見の中で、私はあえて、パレスチナ内部で深刻化しているハマスとファタハの分裂について聞いた。「解決の処方せんは」そして「バルグーティ氏は第3の勢力として何ができるのか」。

解決の処方せんへの回答のキーワードは、やはり「民主的」だった。「意見の食い違いを民主的に解決すべき」。そして3つの点を挙げた。

「まずこれまで双方が犯した法に基づかない行為を見直すこと」「二つめは民主的で比例方式の選挙をできるだけ早く実施すること」「三つめはハマス、ファタハどちらにも属さない、独立した治安組織をつくること」。バルグーティ氏の政治信条が端的にしかも明確にあらわれている。

そして、そのために何ができるのかについては若干語気を強めてこう言った。「我々はこれまでも彼らの間に立ってきた」。

その上で、こう付け加えた。「今現在も仲介しているよ。だけどその内容を皆さんには話せないな」。

穏やかなほほえみのウラに、秘めた自信を感じた。

ゲスト / Guest

  • ムスタファ・バルグーティ / Mustafa Barghouthi

    パレスチナ / Palestine

    前パレスチナ情報庁長官 / Former Minister of Information,Palestine

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