会見リポート
2007年09月26日
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本村真澄・石油天然ガス・金属鉱物資源機構主席研究員「ロシア」3
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会見リポート
独自の資料駆使し冷静な分析
小田 健 (日本経済新聞論説委員兼編集委員)
ソ連崩壊後、原油、天然ガスとも生産が落ち込んだが、復活し、経済発展の原動力となっている。本村氏はその資源大国の現状と今後について詳細な資料を駆使し見解を述べた。
取り上げたテーマは最近話題になった北極海の大陸棚延伸問題からパイプライン・プロジェクト、ロシア石油・ガス産業の動向、サハリン2問題など多岐にわたる。
ロシアの資源政策は時に熱い論議を巻き起こし、日本を含め米欧では批判にさらされることも多い。しかし、本村氏は冷静な分析を基礎に独自の見方を披露した。それは一般に報道されている見方とは異なる場合もあるが、現地取材も踏まえているだけに説得力がある。
たとえば、日本の三井物産と三菱商事も参加するサハリン2の権益の過半数をロシアのガスプロムが手に入れたことについてである。
ガスプロムがロシア政府と一体となって環境問題を口実に強引に割り込んだという見方が報道されたが、石油産業の世界では権益譲歩は参入側も受け入れ側も、双方で歓迎されるもので、今回もそうだったと強調した。
西側ではロシアがエネルギーを政治的圧力の手段に使っているとの批判も強い。ロシアは昨年1月にウクライナへの天然ガス供給を一時止めた。親米欧路線を取るユーシチェンコ政権に圧力をかけたとの見方も出たが、ウクライナがロシアの天然ガスを運ぶパイプライン通過国としての責任を果たしてこなかったことが問題の本質であるという。
ロシアは今年1月にはベラルーシに対して原油輸出を一時止めたが、この紛争についても本村氏はベラルーシ側に厳しい見方を示した。
ゲスト / Guest
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本村真澄 / Masumi Motomura
日本 / Japan
石油天然ガス・金属鉱物資源機構主席研究員 / Executive Chief Engineer, JOGMEC
研究テーマ:ロシア
研究会回数:3