会見リポート
2007年09月19日
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滝澤三郎・国連難民高等弁務官事務所駐日代表「日本の難民・外国人受け入れ政策」1
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会見リポート
難民受け入れの“構造的障壁”
百瀬 和元 (朝日新聞出身)
「ネットカフェ難民」「お産難民」「帰宅難民」……。昨今の流行語について「難民の定義が広すぎる」と皮肉りながら、「難民とは何か」を説明。日本が国際社会から「難民に冷たい国」「難民に閉ざされた国」「責任を果たしていない」などと厳しく見られている現状を紹介した。
30年前に受け入れを始めたインドシナ難民(計一万一千人)を別にすれば、日本の難民受け入れは過去二十数年間で数百人どまりだ。百万人規模のアジアの国々、数万─数十万人規模の欧米諸国とは比較にならない少なさである。
滝澤さんは①日本は難民支援の資金拠出で米国に次いで貢献してきた②もともと日本に来ようとする難民が少ない─などをあげ、日本批判がすべて正しいわけではないと論じた。しかし、日本には難民受け入れに「構造的な障壁」が存在しており、それが「難民に冷たい国」のイメージを生んでいると強調した。
「構造的障壁」として、海に囲まれた国といった地理的な環境、近隣諸国との歴史、不十分な国内の難民支援体制、政府の厳格な入国管理・難民政策などをあげた。そのうえで「難民受け入れには、きわめて大きな外交的価値がある」。日本の国益にもつながることを示唆しながら、こうした障壁を打破する必要性を説いた。
国際協力とか国際貢献といえば、多くの人が「テロ戦争への協力」「自衛隊派遣」などを頭に描きがちだ。婉曲的ではあったが、この日の話は忘れられてはならない、別の形の国際協力や国際貢献があることを喚起するものだった。
ゲスト / Guest
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滝澤三郎 / Saburou Takizawa
日本 / Japan
国連難民高等弁務官事務所駐日代表 / Representative of UNHCR Japan Office
研究テーマ:日本の難民・外国人受け入れ政策
研究会回数:1