2007年03月02日 00:00 〜 00:00
ナムバリーン・エンフバヤル・モンゴル大統領

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会見リポート

日朝作業部会の開催も

加藤 青延 (NHK解説主幹)

「日本との交流には、精神的・心理的に何の障害もないことをあらためて実感した」

エンフバヤル大統領は、このように語り、国交樹立35周年のことし、日本との交流をさらに積極的に進めたいとの意欲を表明した。私的なものを含め、日本訪問は、今回が10回目。日本を深く理解する親日家である。大統領はモンゴルが、政治・経済の変革で困難に直面した90年以降、日本が無償資金協力などを通じ、一貫して支援したことに謝意を表した。そして、今後は、日本企業の投資も積極的に呼び込み、「その力で、高度成長への力強いスタートを切りたい」と、経済面での交流拡大を訴えた。

また外交面でも、日本を「積極的に優遇してゆきたい」と述べ、日本の安保理常任理事国入りを支持する立場を強調し、2008年の非常任理事国選出にあたって、モンゴルが立候補を辞退し、日本を推薦したのも、そうした外交政策を反映したものだと強調した。

一方、朝鮮半島情勢についても、大統領は深い関心を示し、首相だった2003年、北朝鮮と日本を相次ぎ訪問して、北朝鮮側から対日政策を聞き出し、日本側に伝える仲介の役割を果たしたことも明らかにした。また、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議についても、「要請されれば、枠組みの中に加わってもよいし、あるいは、仲介的な役割でも、積極的に関与する用意がある。日本と北朝鮮の作業部会をモンゴルで開くことも歓迎する」と述べ、参加に意欲的な姿勢をのぞかせた。

まだ40代、若くてエネルギッシュな大統領の言葉からは、一言一句、日本への熱い思いが伝わってきた。

ゲスト / Guest

  • ナムバリーン・エンフバヤル / Nambaryn Enkhbajar

    モンゴル / Mongol

    モンゴル大統領 / President of Mongolia

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