2007年02月14日 00:00 〜 00:00
津島雄二・自民党税調会長

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会見リポート

社会保障と税で国民合意を

見市 元 (朝日新聞出身)

自民党税調会長の会見は加藤六月氏以来20年ぶりという。20年前といえば、86年に中曽根内閣が売上税構想を出して挫折し、88年に至って竹下内閣で消費税導入が決まる、その当時のことである。

こんどは消費税増税がちらついている。関心もそこへ集まるが、津島会長はいよいよ増税だというぎらついた印象を与えず、増大する社会保障給付に向き合う「国民的合意」の大切さを諄々と説いた。

政府税調は中長期的なあるべき税制の姿を政府に答申する。党税調は政権与党として毎年度の税制改正案をまとめ国会で成立を図る。

その役割分担の一方の政府税調が、安倍内閣になって、財政再建のために消費税増税を主張する会長の再任が拒否され、替わって景気回復の「上げ潮路線」を先導しようと法人税減税を主張する会長が任命され、そのとたん新会長がスキャンダルで辞任という騒ぎで揺れた。

カゲの薄くなった政府税調のぶんまでという意気込みか、津島会長は「3%成長が4%になれば増税が要らないということなど、ありえない」と政権中枢の「上げ潮頼み」をチクリとやり、将来、消費税を社会保障目的税にして増税するという意見に「私は賛成だ」と明言した。

肝心なことは、年間80兆円になる社会保障給付が、少子高齢化とともにこれから毎年3兆円ずつ増えていく、これとどう向かい合って、税制と社会保険料などの抜本改革に国民の合意をつくるかだ、と強調した。

自民党税調トップが「一党一派に偏せず」に社会保障と税のあるべき姿を考えるのはいいことだ。問題はそれを「党利党略抜き」の議論に収れんさせる手立てがあるかどうかだ。

ゲスト / Guest

  • 津島雄二 / Yuji Tsushima

    日本 / Japan

    自民党税調会長 / The Chairman, The Tax Commission of LDP

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