2007年02月14日 00:00 〜 00:00
ヴァーツラフ・クラウス・チェコ大統領

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会見リポート

独自性生かした外交目指す

飯島 一孝 (毎日新聞編集委員)

「96年に初めて首相として訪日し、このクラブに参りました。10年半たってまた来れて光栄です」

2度目の来日、しかも今回は大統領としての訪日だけに、一国の元首としての重みを強く感じた。

スピーチでまず大統領は、現地に進出した日本企業がこの10年間で3倍以上に増えたこと、日本の投資額が外国企業のなかでドイツに次いで2番目であることを指摘し、両国関係がいかに順調に発展してきたかを強調した。

続いて大統領は、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)への加盟を果たしたと述べ、「今はこの利点を生かすこと、その一方で自由を失わないようにしたい」と発言した。とかくこうした組織に加盟すると小国は埋没してしまいがちなだけに、個性を失わず、独自性を発揮したいと付け加えた。

質疑では、米国のミサイル防衛(MD)レーダー基地をチェコに建設するというホットな話題についての質問が相次いだ。大統領はこの件で米国と数日前に協議を始めたばかりで「今結論を言うのは時期尚早だ」とかわした。その一方、「今のNATOの防衛システムで十分満足している。二重の防衛システムを作ることは益にならない」とも語り、米側の提案を安易に受け入れないとの姿勢を示した。

また、旧ソ連圏の一員だったチェコと現在のロシアとの関係について「今は普通の関係になりつつあり、ロシアも海外の国のひとつでしかない」と言い切った。

最後に司会者が日本とチェコの関係について質問したが「両国の関係は問題ないので今まで質問がなかったと思う」と述べ、良好な関係に自信を持っていることを印象付けた。

ゲスト / Guest

  • ヴァーツラフ・クラウス / Václav Klaus

    チェコ共和国 / Czech Republic

    チェコ大統領 / The President

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