2007年01月22日 00:00 〜 00:00
アルマンド・エミリオ・ゲブーザ・モザンビーク大統領

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会見リポート

エイズ被害の窮状を懸念

伊藤 慎司 (共同通信外信部)

クリッとした大きな目が印象的なゲブーザ大統領。人懐っこい笑顔で会場に姿を現した瞬間、ピンと張りつめていた記者会見前の雰囲気が、一気に和らいだような気がした。1977年1月に日本と外交関係を樹立してから30年という節目での来日。会見では終始にこやかな表情で、日本との関係強化を訴えた。

日本はかつて、モザンビークでの国連平和維持活動(PKO)に自衛隊を派遣しているが、多くの日本人には馴染みのない国かもしれない。そうした背景もあってか大統領は、日本の経済協力を紹介したのはもちろん、今から400年も前にモザンビークを訪れた日本人がいたという意外な「史実」を披露するなど、両国の密接な関係を強調した。

会見中、ソマリア情勢と自国のHIV・エイズ被害について質問されると、笑顔の大統領もまゆをひそめた。ともに「敏感な問題」と語気を強め、アフリカ連合(AU)を通じて「ソマリアに平和をもたらす手段」を模索していく決意を表明。エイズ問題では、治療が必要な国民が10万人以上も残っている一方、医師が不足している窮状を訴えた。

アフリカをめぐっては中国が最近、豊富な資源の獲得などを狙って外交攻勢を強めている。胡錦濤国家主席は近く、モザンビークなどアフリカ8カ国を歴訪する予定だ。ゲブーザ大統領は「日本もうまくやっている」と評価したが、日本が国連安全保障理事会の常任理事国入りに失敗したのは、中国がアフリカ諸国などに働きかけたためとの指摘もある。日本の外務省は外交力の強化に取り組んでおり、アフリカをめぐる各国の〝外交合戦〟に注目してみるのも面白そうだ。

ゲスト / Guest

  • アルマンド・エミリオ・ゲブーザ / Armando Emílio Guebuza

    モザンビーク / Republic of Mozambique

    モザンビーク大統領 / The President

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