会見リポート
2006年10月27日
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トーマス・シーファー・駐日アメリカ大使
会見メモ
会見リポート
核保有論議をけん制
田﨑 史郎 (時事通信解説委員長)
「米国の牛肉が出たように思ったんですが、そうだったんですかねぇ。米国の牛肉という前提ですが、とてもおいしかったと思います」
軽いジョークで始まった大使の記者会見は、北朝鮮の危機に関して、米国の日本に対する姿勢が十二分に伝わる内容だった。
大使が冒頭に読み上げたステートメントで重点を置いたのは政府・与党の一部で出ている「核兵器保有論議」だった。
「この危機の間に日本も核武装する必要があるのではないかという意見が出始めました」。そう切り出した大使は、「冷戦の真っ只中にフランスのドゴール大統領が今の日本と同じ議論を行った。しかし、歴史を振り返ると間違っていた」と指摘。「米国が日本を防衛するという確約を日本の国民はこれからも信頼することができる」と語り、核保有論議は不要と強くけん制した。
次に大使は日米政府間で「これから改善する必要がある一つ」として、機密文書の取り扱いを挙げた。「最近の出来事で幾つか難しい問題」が起きたと指摘したが、どんな問題かは触れずじまいだった。
大使はまたミサイル防衛に触れ、「敵が発射したミサイルが日本に向かっているかどうか見極めるまで迎撃できないのか、それとも領空で、あるいは領空に向けて発射されたものなら日本への脅威と考えるのか、今答えを出しておいた方がいい」と、日本側に検討を迫った。
会見では、冒頭発言に約25分、質疑応答に50分余が割かれ、12人が計21問質問した。これほど質問が続出し、丁寧に答えるのは異例だ。
ちなみに、昼食会で出たステーキは米国産ではなかった。
ゲスト / Guest
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トーマス・シーファー / Thomas Schieffer
アメリカ / USA
駐日アメリカ大使 / Ambassador to Japan