2006年07月21日 00:00 〜 00:00
額賀福志郎・防衛庁長官

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会見詳録


会見リポート

安保通の遅咲きデビュー

西田 睦美 (日本経済新聞編集委員兼論説委員)

小渕内閣に続く2度目の防衛庁長官で、安全保障分野の第一人者だ。経済財政担当相や自民党政調会長などの要職も歴任したが、意外なことに日本記者クラブでは初めての会見だった。最初の防衛庁長官と経済財政担当相はいずれも不祥事の責任をとって任期途中で辞任。そうした巡り合わせの悪さもあって、当クラブへの遅咲きデビューとなった。

本来は7月5日に昼食会が予定されていた。しかし北朝鮮のミサイル発射と重なり、2週間余り後にようやく実現した。この間に国連安全保障理事会での北朝鮮決議やイラクからの陸上自衛隊撤収などの動きがあった。クウェートで自ら陸自隊員を出迎えた直後の登場となり、結果的には絶妙のタイミングとなった。

産経新聞の記者出身なので「先輩のみなさんの前で講演できるのは光栄」というあいさつで始まった。イラクへの自衛隊派遣、北朝鮮のミサイル問題、在日米軍再編という三つの重要テーマをていねいに説明し、日米同盟の重要性を力説した。

米軍普天間基地のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設計画で決め手となった滑走路をV字形にする構想に触れ「夜中にひらめいた。2本の滑走路を造って住居の上空を飛ばないようにしようと思った」などと、エピソードを交えた話しぶりはわかりやすかった。在任期間が異例の4年目に入る守屋事務次官の人事について「弊害はないのか」という意地悪な質問にも正面から答えていた。

会見の日の夜に福田康夫元官房長官が総裁選不出馬を表明。安全保障分野に絞った会見だったが、話題性からか、質問に一言答えただけの「これから続々と(候補者が)出てくるのではないか」という発言がニュースで多く取り上げられていた。

ゲスト / Guest

  • 額賀福志郎 / Fukushiro Nukaga

    防衛庁長官 / Minister of Defense

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