2006年04月21日 00:00 〜 00:00
韓和甲・韓国民主党代表

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会見リポート

韓国政界の大きな変動予測

小菅 幸一 (朝日新聞編集委員兼論説委員)

韓国政治の「三金時代」を率いた3氏を名前のアルファベット2文字で略称することが多い。金鍾泌氏はジョンピルだからJPだ。金泳三氏はYS、金大中氏はDJである。

韓和甲代表は「リトルDJ」と言われてきた。風貌がそれとなく似ているためだけではない。政治の世界に入ってずっとDJに師事してきたからだ。軍事独裁の政権下、韓国のメディアには書けないことが多かった。韓和甲さんはそんな頃、民主化運動の旗手たるDJを支える秘書として、日本メディアのソウル支局を回っては情勢を探ったという。

民主党はもともと、南西部の全羅道を地盤とするDJ党である。DJに続いて盧武鉉氏も大統領に当選させた与党だった。それがいま国会定数299のうちわずか11議席の弱小野党になった。代表としてこの党を守り発展させたい。だから党を割って出た盧大統領と与党ウリ党に対する強い反感を会見で見せた。

曰く。「全羅道の人たちは圧倒的な支持を与えたのに、盧大統領から感謝の言葉さえ聞いたことがない」「ウリ党に行った人間は理念ではなく権力のためだ。盧大統領の権力がなくなれば、党もなくなる」……

5月末の統一地方選でウリ党が惨敗すれば「韓国政治の構図に相当な変化がある」と語る。来年末の大統領選に向け、最大野党ハンナラ党も含む政界再編を予想し、「民主党はそこで主導的な役割を果たす」と決意も披瀝した。

会見は、竹島近海の測量調査を日本が計画して日韓の波風が立った時期と重なった。日本に歴史問題で「良心的な対応」を求め、「粘り強い対話の必要」を訴えたうえで「両国が衆知を集め、子孫に恥ずかしくない歴史を作りたい」と結んだ。

ゲスト / Guest

  • 韓和甲 / Hahn Hwa-Gahp

    大韓民国 / Republic of Korea

    韓国民主党代表 / President, Korea Democratic Party

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