2006年03月08日 00:00 〜 00:00
麻生太郎・外相

申し込み締め切り


会見リポート

クラブで3回目の会見

矢島 誠司 (産経新聞論説副委員長)

麻生外相の会見は、昨年12月、今年1月に続いて3回目となった。閣僚がこれほど頻繁に、日本記者クラブで会見を行うのはこれまであまり例がない。

麻生外相はこの点について、「今国会の冒頭の外交演説で行った公約を果たすためだ」と語った。

公約とは、「日本外交の目指すところをきちんと論じ、国内外に伝えていく」とした部分だそうで、今後も「毎月1回程度で努力する」とも述べた。大いに歓迎したい。

今回は、「日本にとって経済外交とは何か」について語り、その後、幅広い質疑に応じた。

経済外交に関しては、「経済外交とは、世界の中で日本国民、企業が安心して働き、利益を伸ばすことができる環境づくり」と定義。

「外務省には外務省ならではの仕事、外務省にしかできない仕事がある」と強調したうえで、日本政府が力を入れているEPA(経済連携協定)の意義を語った。

外相は、「EPAはFTA(自由貿易協定)より広くて深い」とし、「EPAはいわば、民主主義、自由経済主義、法治主義などの価値観を同じくする仲間を広げていこうとするものだ」と強調した。同じ価値観を持つ「仲間づくり」という表現に戦略的意味合いを感じた。

質疑では、自身の靖国神社参拝について、「日本が独立した昭和27年4月28日、祖父(吉田茂)に連れられ靖国を参拝し、『兵隊さんに感謝しろ』といわれて以来、ほぼ毎年参拝してきた」と述べた。

一方で、いわゆるA級戦犯の合祀問題については、「靖国神社は戦没者を祭るところ、ということを考えれば、解決の方法はある」と述べ、含みのある答えを残した。

ゲスト / Guest

  • 麻生太郎 / Taro Aso

    外相 / Foreign Minister

ページのTOPへ