2006年03月03日 00:00 〜 00:00
中川秀直・自民党政調会長

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会見リポート

上げ潮政策と日中関係を語る

安藤 俊裕 (日本経済新聞論説副主幹兼編集委員)

新聞記者出身の中川政調会長が初登場とはいささか意外だった。皇室典範改正見送りで求心力が低下したかに見えた小泉政権は、メール問題での民主党の自滅によって息を吹き返した。中川氏も意気軒高で、当面の課題から「ポスト小泉」まで縦横に語った。

まずはメール問題。「民主党の失敗は改革競争路線から抵抗政党路線に逆戻りしたこと。再び改革競争路線に戻るべきだ。その方が自民党にとって脅威だが、国益にとっては望ましい」と余裕たっぷりだった。

持論の上げ潮政策を語る口調には力がこもった。「構造改革は緒についたばかり。小さな政府を推し進めて名目4%成長をめざすべきだ。生産性を上げれば十分実現可能な数字だ」。官僚ペースの増税路線に乗せられてなるものかという政治家の意地が感じられた。

2月に与党訪中団を率いて中国側と率直な意見交換した実績を踏まえ「関係改善に向けた一定の地ならしはできたと思う。中国は高い成長を続けており、対等な日中関係を築く上でも、日本は高めの成長をめざす必要がある」と語った。靖国参拝問題では「ポスト小泉の争点にすべきでない。行くか行かないかは個人の自由だ」と述べたが、随所に慎重なニュアンスをうかがわせた。

その「ポスト小泉」では「できれば小泉首相並みの50%程度の支持率がとれる人、官僚の言いなりにならない人がいい。短期政権では困る」と語り、安倍晋三氏支持をかなり明確に打ち出した。
日本が高い経済成長をめざす上でアジア、特に中韓との関係改善は極めて大事である。そのために中川氏は「ポスト小泉」に向けてもっと積極的な役割を果たすべきだろう。


ゲスト / Guest

  • 中川秀直 / Hidenao Nakagawa

    自民党政調会長 / Chairman, LDP Policy Research Council

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