2005年12月21日 00:00 〜 00:00
猪谷千春・IOC副会長

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会見リポート

冬季五輪の開催地にも注目を

江波 和徳 (共同通信運動部次長)

東京、福岡が招致に名乗りを挙げ、2016年夏季五輪の日本開催が注目を浴びてきている。日本オリンピック委員会(JOC)では今年8月に国内候補都市を一本化する方針だが、その後も世界の候補都市との招致レースは続けられ、09年7月の五輪開催地決定までの道のりは長い。

昨年7月に強敵のゴスパー委員を破って副会長に就任した猪谷千春氏の存在は、日本の五輪招致にとって心強い。IOCでは理事会が大きな役割を担っている。IOC委員の中から選ばれた会長、副会長、理事メンバーで構成され、情報は理事会に集約される。IOCの中枢に身を置くことによって、いち早く情報を得ることが可能となる。このアドバンテージをぜひとも生かしてほしいところだ。

16年五輪の行方について、猪谷IOC副会長は「二つの大会が鍵を握る」と見ている。一つ目は、北中米、南米の各国・地域が参加し、ブラジルのリオデジャネイロで開催される07年のパン・アメリカン大会。競技運営、警備、輸送、宿泊などを含め、大会が成功を収めれば、南米初の五輪開催の期待が膨らむ。二つ目は14年冬季五輪開催地が韓国の平昌になるかだ。猪谷副会長は「冬季、夏季ではあるが、2大会連続でアジア地域での開催は難しい」としている。

1956年冬季五輪のアルペンスキー男子回転銀メダリスト。年齢制限のためトリノ五輪への出場資格がないフィギュアスケートの浅田真央の話になると「彼女に出てもらいたいという気持ちはある。IOCがOKといえば出場できると思っている人も多いだろうが、決めるのは国際スケート連盟。IOCとして内政干渉はできない」と苦しい胸の内を明かした。

ゲスト / Guest

  • 猪谷千春 / Chiharu Igaya

    IOC副会長 / Vice-President, International Olympic Committee

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