会見リポート
2005年11月10日
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モーセン・タライ・駐日イラン大使
申し込み締め切り
会見リポート
核開発はエネルギー確保のため
百瀬 和元 (個人会員(朝日新聞出身))
「このままでは、イランは2020年までに石油輸入国になってしまう。日量約410万バレル生産している石油の50%以上が国内で消費されている。急速な人口増加と経済成長が続けば、国家財源である石油を輸出できなくなる。エネルギー源を多様化するしかないのだ」
そのうえで、大使は(1)核の平和利用は核不拡散条約(NPT)で保証された権利だ(2)国際原子力機関(IAEA)の査察に完全に協力しており、秘密活動などあり得ない(3)そもそもイスラムの教えが核兵器を禁じている、と説いた。
イランとはこれまで英独仏が交渉してきた。核兵器開発につながる恐れのあるウラン濃縮などを手がけさせないで、外部からウラン燃料を供給する方向で解決を図ってきた。だがイランは「濃縮活動も当然の権利」と譲らない。
この国には濃縮技術などをひそかに模索していた「疑惑の過去」がある。このため先進国を中心に国際社会では「イランは義務・責任を果たさずに権利だけを主張している」との不信感や批判が高まっている。
論議の締めくくりとして大使は、核開発が問題なのではない、イランを敵視する「超大国の戦略」があるのだとも指摘した。これに対して会場からは「ことの発端はイランの秘密活動では?」「誤りは認めるべきでは?」といった質問が続いた。
とはいえ、イラン側の事情や発想は興味深かった。この「核疑惑」を特徴づけている背景や解決の難しさを再認識させてくれた。
ゲスト / Guest
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モーセン・タライ / Mohsen TALAEI
イラン / Iran
駐日イラン大使 / Ambassador to Japan