2005年10月17日 00:00 〜 00:00
前原誠司・民主党代表

申し込み締め切り

会見リポート

“改革競争”に勝てるか

榊原 元廣 (共同通信編集委員)

若い代表の初登場である。衆院で3分の2を占める巨大与党にどう対抗し、次の選挙に向け反転攻勢をかけるか。この43歳の代表はそれだけの力量があるのか、日本の政治のためにそれだけの力量を持っていてほしいが、どうかなあの疑念もぬぐい切れない。

前原氏は「改革競争」という言葉を何度も使った。改革の基本的考え方は無駄を削ること。代表のレゾンデートルとして取り組むとまで力を込めた。違う土俵で争っていては改革の中身をあぶり出すことはできないというのが、改革競争に踏み込む根拠となっている。その上で、・改革の五本柱として、特別会計の見直し・公務員制度改革・国と地方の役割見直し・公共事業の見直し─と挙げたが、五つ目の柱を失念してしまった。会場から厳しい批判の声に見舞われた。あとから省庁再再編と思い出したが、これは代表の心構えとしてはいかにもお粗末だった。

代表就任あいさつでは「戦う集団にする」「温かみにもっとカネを使う」とも表明していたが、それらはどうやら背景に退いたようで、もっぱら無駄遣いをなくすための改革競争を売り出そうとしている。

当日、小泉首相が靖国神社に参拝した。前原氏は「参るべきではない」と、このあたりは小泉首相に対抗している様子がわかりやすい。

憲法については改正が持論。9条に関して、集団的自衛権の行使は抑制的であるべきで、周辺事態ぐらいにとどめるとの考え。海外での武力行使はやるべきではないとの基本に立って、国際貢献については、PKO活動において自らを守る程度、さらに近くで活動する他国の軍が攻撃されたときに手助けできる程度の武力行使は認めていくとの考え方だ。揮毫は「天命に生きる」だ。

ゲスト / Guest

  • 前原誠司 / Seiji Maehara

    民主党代表 / DPJ President

ページのTOPへ