2005年06月03日 00:00 〜 00:00
スシロ・バンバン・ユドヨノ・インドネシア大統領

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会見詳録


会見リポート

3番目に大きな民主主義国  

長岡 昇 (朝日新聞論説委員)

アジアでは今、3つの壮大な実験が進んでいる。  中国は、共産党独裁下で資本主義化を図るという、マルクスが生きていたら目をむくような道を選んだ。身分差別と宗教対立を抱えるインドは、IT(情報技術)を牽引役にして貧困からの脱却をめざす。

共に力強く前進しているが、前途はエコノミストがもてはやすほど生易しいものではないだろう。  3番目がインドネシアである。2億の人口を擁するイスラムの国に、民主主義が定着するのか。アジアにとどまらず、イスラム圏全体の動向にかかわる挑戦と言える。

そのインドネシアで昨年、独立以来初めて、大統領の直接選挙が行われ、ユドヨノ氏が現職のメガワティ大統領を破って当選した。

この国がスハルト政権崩壊後の混乱をくぐり抜け、安定軌道に乗りつつあることを印象づけた。

ユドヨノ氏は記者会見で、現在インドネシアで起きていることは「単なる変化ではなく、(社会全般に及ぶ)刷新である」と述べ、インドと米国に次ぐ「世界で3番目に大きい民主主義国として認められたことをうれしく思う」と語った。

昨年の第4四半期の経済成長率は6・6%。貧困層の比率は99年の27%から15%に。具体的な数字を挙げて経済が順調に回復していることを強調し、日本側に投資の拡大を呼びかけた。

とはいえ、中国やインドに劣らずインドネシアの内情も複雑だ。険しい道が待ちかまえていることに変わりはない。 「士官学校創設以来の俊英」と言われるユドヨノ氏のかじ取りに目を凝らしたい。

ゲスト / Guest

  • スシロ・バンバン・ユドヨノ / Susilo Bambang Yudhoyono

    インドネシア / Indonesia

    大統領 / President

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