会見リポート
2005年04月06日
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ドミンゴ・L.シアゾン・駐日フィリピン大使「東アジア共同体」2
会見メモ
会見リポート
アジア地域統合への私案
牧野義司 (アジア開発銀行広報コンサルタント・毎日新聞出身)
駐日大使のあと1995年から6年間、フィリピン外相を務め、再び2001年から駐日大使という珍しい外交官経歴。しかも外交官になる前には東京外国語大や東京教育大に留学していた日本通。
研究会は英語でスピーチしたが、質疑では自ら「日本語でもいいですよ」と語りかける気さくさ。
「すべて個人的見解」と断り、東アジアの地域経済統合にかける思いを語ったが、なかなか熱弁。
結論は、東アジアでFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)を結ぼうとの機運が高まり地域経済統合に向け機が熟しつつある。経済力をつけてきた中国、それに日本の2カ国が中核に統合に向け指導的な役割を果たせ、ということ。
大使は続けて「EU(欧州共同体)は一夜にして出来たわけでない。ドイツとフランスの政治的意志があったからだ。その意味で、いま、日中間に歴史認識や領土問題などをめぐって外交的、政治的な対立があるのは問題だ」と指摘した。12月にマレーシアで開催予定の初の東アジアサミットがカギを握る、との判断のようだ。
「ASEAN(東南アジア諸国連合)+3(日本、中国、韓国)にインド、オーストラリア、さらにオブザーバーとして米国も、との声があるが、まずは関係国だけで東アジアの課題をしっかり議論すべきだ」。 そして東アジアで、たとえば石油依存を避けるため原子力利用を含めエネルギー共同体をつくるなど、さまざまなアクションが必要という。
会場からは、やや楽観的なシナリオでないか、との指摘もあったが、現役外交官がかなり具体的にアジアの地域経済統合を語ったのは成果。
ゲスト / Guest
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ドミンゴ・L.シアゾン / Domingo L. Siazon
フィリピン共和国 / Republic of the Philippines
駐日フィリピン大使 / Ambassador to Japan
研究テーマ:東アジア共同体
研究会回数:2