会見リポート
2005年03月11日
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尾上武義・三重県宮川村村長
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会見リポート
日本一美しい村からの教訓
山﨑 登 (NHK解説委員)
三重県中西部の山あいに位置する宮川村も、9月に日本列島を縦断した台風21号で7人の犠牲者をだした。尾上村長は「もっと早く避難勧告をだしていれば被害を少なくできたかもしれない。最大の痛恨事です」と語り、住民の安全に大きな責任がある自治体のトップとしての苦悩をにじませた。
また「最近雨による大きな災害がなかったことから、宮川村は雨に強いと過信していた」と災害に対する油断があったことを認めた上で、「伊勢湾台風のときは3日間の雨量が725ミリだったが、今回は2日間の連続雨量が915ミリ、最大の一時間雨量は125ミリに達した」と局地的な豪雨災害の怖さを訴えた。
住民からは「裏山の水が赤くなった」「がけから小石が落ちてきた」「土くさいにおいがする」といった通報が寄せられ、2個所の集落に避難勧告を出したが「ほかの地域も同じようになっていると想像すべきだった」と全国の自治体や防災関係者への教訓を述べた。さらに「山あいの村は、全体が土砂災害の危険個所にあるようなもの」で「高齢化率は全国平均の2倍の40%」と過疎の村の現状を語って、どこに避難勧告をだすかの判断や高齢者などの避難誘導の難しさにも言及した。
しかし村の復興に話が進むと、全国でも有数の多雨地帯である大台ケ原を源流にして村を流れる「宮川」は、一級河川の水質調査で「過去に4回も日本一に輝いた自慢の川」だと胸を張った。住民の多くが宮川を心のよりどころと感じていて、川とともに「日本一美しい村を再生していきたい」と話を結んだ。
ゲスト / Guest
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尾上武義 / Takeyoshi Onoue
三重県宮川村村長 / Mayor of Miyagawa, Mie Prefecture