2005年02月28日 00:00 〜 00:00
与謝野馨・自民党政調会長

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会見リポート

郵政民営化は一歩ずつ

和田 圭 (フジテレビ報道局解説委員)

郵政民営化をめぐる政府と自民党の調整が本格化するなか、党側の調整役を務める与謝野政調会長の登場とあって、会場は現役の政調会長番からOBはもちろん、テレビカメラも多数つめかけ、関心の高さを反映した記者会見となった。

ところが、焦点の郵政民営化問題について与謝野氏は会見の冒頭で「郵政民営化の話は現在進行形で、いつごろ結論を出すかということを含めて一歩ずつ進むしかない」とだけ述べ、話題を財政再建や憲法改正問題など今後の課題に移してしまった。

ただ後半の質疑応答では会場から「民営化後は郵貯の運用先が変わって国債が消化できなくなるのではないか」「民営化後は窓口で国民に直接、国債を販売してはどうか」など、郵政民営化に関する質問や提言が相次いだ。これに対し与謝野氏は「国債をある程度持っていないと運用先がない」と述べ、国債の消化は可能との楽観的な見方を示した。また国債の窓口販売については「悪い話ではない」としながらも、国債発行を抑える財政再建の重要性を強調した。さらに郵政民営化法案とりまとめの時期については、政府が当初予定していた3月中旬の国会提出は困難との見通しをにじませた。

ところで郵政民営化に関する質疑の中で〝自民党きっての政策通〟である与謝野氏にしては、やや心もとない場面もあった。郵政民営化後の郵貯の運用について与謝野氏は「あんな大きなものをどうやって始末するのか、本当に誰も考えていないというところが今回の心配の種だ」とため息まじりに語り、郵貯の運用に懸念を示した。今ごろそんなことを言われても困るのだが、この点も今後の政府と自民党の議論を注目していく必要がありそうだ。

ゲスト / Guest

  • 与謝野馨 / Kaoru Yosano

    自民党政調会長 / Policy Research Council chairman of the Liberal Democratic Party

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