2004年12月13日 00:00 〜 00:00
オーゲ・グルットレ・駐日ノルウェー大使

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会見リポート

ミラクル生み出す北欧の小国

宮野 きぬ (NHK情報ネットワーク)

北欧ノルウェーは最近〝ノルウェーブランド〟の売り込みに力を入れている。「漁業や観光だけではない」と、自国の取り組みをアピールしているのだ。折りしも今年は日本との国交樹立100周年にあたる記念の年。大使は会見で、ノルウェーの各分野での最新の取り組みを紹介した。

例えば……外交分野で、ノルウェーが世界各地の紛争地域で行う平和外交。いわゆる「ノルウェーモデル」とよばれる秘密交渉による平和調停の試みである。02年にテロに終止符を打ったスリランカ内戦や、泥沼の内戦を和平に導いたグアテマラ。ノルウェー外務省とNGOや市民との綿密な連携が数々の平和のミラクルを生み出してきた。その実績と舞台裏が解説された。

また、社会保障の分野では出生率の上昇に成功したことをアピール。ノルウェーでも少子高齢化問題を抱えているが、女性の労働参加を進め、父親の育児休暇取得を徹底した結果、出生率が10年で0.2ポイント上昇した実績が紹介された。

人口450万人のノルウェーが成し遂げる〝ミラクル〟の数々。小国ゆえに小回りがきくことが官民の連携を可能にしているようだが、その地道な努力は日本にとっても大いに参考になる点があると感じた。

会見の後には豪華なレセプションが開かれ、ノルウェーサーモンなど新鮮な魚介類とアクアビットが振舞われた(写真)。〝ノルウェーブランド〟の売り込み、参加者の味覚にアピールして締めくくるにくい演出に、誰もが納得していたようだ。


ゲスト / Guest

  • オーゲ・グルットレ / AGE GRUTLE

    ノルウェー / Norway

    駐日大使 / Ambassador to Japan

研究テーマ:ノルウェーの夕べ

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