2004年09月06日 00:00 〜 00:00
グレアム・フライ・駐日イギリス大使

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会見リポート

質疑応答もすべて日本語で

西川 恵 (毎日新聞専門編集委員)

外交官として3度目の日本在勤。流暢な日本語でスピーチと質疑応答をこなした。

前回勤務(89~93年)の時は、英国ウイスキーの日本市場へのアクセス問題など非関税障壁撤廃が大きな課題だった。今回、経済・貿易問題で両国間に懸案はなく、グローバル化した世界問題の解決に向け、両国が政治的に協力していく地平が広がったと感じているという。

「高い技術、高い生活水準、しっかりした行政制度など、国力がある日本は(世界に対し)責任があるということであり、責任を果たすために日英は緊密に協力する必要がある」と大使は述べた。そして今後、両国が協力を深めていく分野として外交平和維持と平和支援活動地球温暖化貿易政府開発援助(ODA)──の5つを挙げた。

〈外交の協力〉では、両国が価値観を共有し、同盟関係の構成も似ており、戦略対話を深めていけると指摘。〈平和維持と支援活動の協力〉では、アフガニスタン戦争の時、日本艦船が英艦船に給油した事例を引いた。イラクへの自衛隊派遣を「日本で国内問題になっているが、能力をもっている国が復興を支援することが大事」と述べた。〈ODAの協力〉では、日本のODAの減少の流れが逆転する期待を表明した。

英国は来年G8議長国で、下半期は欧州連合(EU)議長国。ブレア首相はG8で、アフリカと気候変動問題に力を入れる考えであると明らかにした。また質問に、日本の国連安保理常任理事国入りに、憲法改正など条件はつけないと明言した。

大使として日本に向けた最初の包括的メッセージは、グローバルな問題に日英両国が一緒に取り組もうという呼びかけとなった。

ゲスト / Guest

  • グレアム・フライ / Graham Holbrook Fry

    イギリス / United Kindom

    駐日イギリス大使 / Ambassador to Japan

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