2004年06月01日 00:00 〜 00:00
ハビーブ・ベン・ヤヒア・チュニジア外相

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会見リポート

アラブ連盟の求心力

渡辺 晋 (読売新聞国際部)

五月下旬に首都チュニスでアラブ連盟の首脳会議を主催した直後の来日となった。会議では、民主化や政治改革の推進などを盛り込んだ共同宣言を採択。民主化への言及は初めてとあって「ほかのサミットと比べてかなり満足できるものだった」と成果を強調した。

だが、サウジアラビアのアブドラ皇太子ら複数の元首級が欠席、リビアのカダフィ大佐も途中で退席するなど、加盟国の足並みがそろっていたとは言い難い。共同宣言についても「具体性に欠ける」との指摘がある。

アラブ連盟の求心力が低下しているのでは──。会見ではこんな質問も出されたが、「アラブ世界で改革を進めるのは容易でない。それを打ち出したことは、極めて満足できる」ときっぱりと反論、ホスト国の外相としての自負を感じさせた。

イラクについては、「イラクが最も必要としているのは国際社会の理解」と指摘。アラブ諸国による具体的支援策については、「今後、決めていきたい」と明言を避けたものの、「国連を通じて国際社会がより深く関与し、各国が復興への負担を共有する必要がある」と訴えた。

1977年から初代駐日大使を務めた。会見の冒頭、「こんにちは」と日本語であいさつ。「大使として赴任し、私も家族も日本に恋をしてしまった」と親日家の一面を披露した。ただし、「チュニジアにもぜひ来てほしい」と自国のアピールも忘れなかった。

ゲスト / Guest

  • ハビーブ・ベン・ヤヒア / Habib BEN YAHIA

    チュニジア共和国 / Republic of Tunisia

    チュニジア外相 / Foreign Minister

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