2004年03月03日 00:00 〜 00:00
根来泰周・プロ野球コミッショナー

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会見リポート

ファンの目線からの改革を

浅古 正則 (スポーツニッポン新聞野球部専門委員)

長く日本スポーツのトップに君臨してきたプロ野球は大きな曲がり角に差し掛かっている。景気低迷が続く中で球団経営は圧迫され、1月31日には近鉄バファローズの球団命名権売却方針が表面化。新コミッショナーの初仕事は近鉄問題の処理だった。それでも「何かお役に立てれば…。こういっちゃ何ですが、しょせんプロ野球は娯楽ですから」と気負いはない。

法務事務次官、東京検検事長を歴任。2月1日の就任前から野球界の憲法でもある野球協約を読み込んでいる。「コミッショナーは本人が辞めるといわないかぎり、たとえ刑務所に入ろうとクビにはならん。こんなんでええんかな」と協約の不備を指摘。「それだけ人格高潔な人でなきゃあかんということ。私は若干自信がない」と笑わせた。

2月中は12球団のキャンプを視察。不人気球団の窮状を知り、球界改革の必要性を痛感したようだ。経営の苦しいパ・リーグが実施を求めながら、セ・リーグが拒否している交流試合に関する質問に「個人的には面白いと思っている。要望が強ければオーナーのみなさんを説得したい」と前向き発言。交流試合を現行の公式戦に上乗せする私案も披露した。メジャーと日本プロ野球を比較し「日本はもっとファンサービスを考えんといかん。サインもせず仏頂面で…。グラウンドとスタンドを仕切るネットももっと低くせんと」との注文も。新コミッショナーは自他ともに認める猛虎党。ファンの目線からの改革を期待したい。

ゲスト / Guest

  • 根来泰周 / Yasuchika Negoro

    プロ野球コミッショナー / Commissioner of Baseball

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