2004年02月23日 00:00 〜 00:00
山本一太・参議院議員「北朝鮮」10

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会見リポート

北朝鮮への圧力が必要だ

石原 進 (毎日新聞論説委員)

朝鮮半島問題にかかわるひと昔前の政治家には、何となく利権絡みのうさん臭さが付きまとった。その言動には、冷戦時代の南北朝鮮のイデオロギー対立が色濃くにじみ出ていた。

山本議員ら自民党の若手グループの活動は、こうした過去のしがらみとは無縁だ。日本の安全保障を考え、北朝鮮の弾道ミサイルや核開発、工作船活動など現実の脅威を直視する。

九九年には、撃沈された北朝鮮の半潜水艇を視察するため韓国を訪れた。驚いたのは、半潜水艇の部品の多くが日本製だったことだ。輸出規制について問題意識が芽生えたのはそのころだ。

独自に外交人脈を広げ、六カ国協議のまとめ役となった中国の王毅外務次官とも親しい。韓国の若手議員とも活発に交流する。

山本議員ら「対北朝鮮外交カードを考える会」の働き掛けで日本独自の判断で経済制裁ができる改正外為法が成立。拉致問題への国民の怒りが追い風になった。

次は北朝鮮船舶の入港制限を可能にする「特定船舶入港禁止法案」(仮称)の成立を目指す。北朝鮮への「対話と圧力」のうち、圧力に関する山本議員らの動きは外交に大きな影響を与えている。

山本議員は「圧力が北朝鮮の姿勢を変えるのに役立っている」と話し、拉致問題も「時間はかかるが、政府間交渉によってめどが立つ」と強調する。

拉致問題解決の日は本当に近いのか。今後も山本議員らの動きに注目したい。

ゲスト / Guest

  • 山本一太 / Ichita Yamamoto

    参議院議員 / Member of the House of Councilors

研究テーマ:北朝鮮

研究会回数:10

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