2004年01月09日 00:00 〜 00:00
竹森俊平・慶応義塾大学教授「経済見通し」1

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会見リポート

製造業回復維持のため為替政策を

福沢 亜夫 (個人会員(時事通信出身))

構造改革と景気政策の関連を論じた著作『経済論戦は甦る』で吉野作造賞受賞の竹森教授の登場。需要サイド重視を主張してきた教授が財政、金融とも手詰まりな中でいま推奨するのが為替政策。  輸出好調の大企業製造業の収益が好転したが、国民経済に占める比重はわずか二割。大部分を占める非製造業、中小企業はいまだデフレに沈んだままだ。そこでいま何が大事かというと、教授は「この製造業の良い状態をできるだけ幅広く、厚く、長く維持することで、そのためにもドル安・円高傾向を抑制する為替政策がいっそう重要だ」と強調する。

これまでは日銀がいくら銀行の当座預金勘定に金を振り込んでも、そこから外へ出ていかなかったが、いまこの余剰資金でドル買い介入すれば輸出企業の投資需要につながり効果が大きいという。米政府の市場介入に対する態度がいつも問題になるが、それについても教授は楽観的なようだった。

ゲスト / Guest

  • 竹森俊平 / Shumpei Takemori

    慶応義塾大学教授 / Professor, Keio University

研究テーマ:経済見通し

研究会回数:1

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