2003年12月11日 00:00 〜 00:00
安倍晋三・自民党幹事長

申し込み締め切り

会見リポート

衆院選乗り切り自信ちらり

武田 安弘 (中日新聞東京本社政治部長)

小泉純一郎首相のサプライズ政治には、昨年も振り回された。

安倍晋三氏の幹事長抜擢もその一つ。就任当時は弱冠49歳、当選3回。自民党幹事長といえば派閥領袖クラス、という固定観念にとらわれていた当方は驚いた。が、すぐに納得した。祖父は岸信介元首相、父親は安倍晋太郎元外相。甘いマスクに、日本人拉致問題での毅然とした姿勢に国民的人気が高まっていた。迫る衆院選挙を考えれば、「選挙の顔」としてこれ以上の人物はいない。

クラブに招かれた安倍氏は、「男子の本懐と思い(幹事長職を)引き受けさせていただいた」と振り返った。その衆院選では全国を飛び回り、前回比で四議席増やし、無所属当選者の入党などで過半数を確保した。

淡々とした口調だが、その自信は随所にのぞいた。父・晋太郎氏は幹事長として二回クラブに招待されている。安倍氏は一昨年、官房副長官として訪れており、「回数的にはオヤジに並んだ。もう一度、呼んでいただければ抜ける」とジョーク。リーダーシップについて、「ここ一番で間違わない判断と決断力」と持論を述べたうえで、民主党の小沢一郎代表代行を「自民党を分裂させ、連立政権、新進党も分裂させた実績がある。ある種のリーダーシップと決断力がある」と皮肉る余裕もみせた。

もちろん、政界ではまだまだこれからの政治家。七月の参院選で「選挙の顔」としての役割を果たし終えた後は、地力で父親を抜くための蓄積期だろうか。

ゲスト / Guest

  • 安倍晋三 / Shinzo ABE

    日本 / Japan

    自民党幹事長 / Chief Secretary, Liberal Democratic Party

ページのTOPへ