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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■金正恩の核兵器 北朝鮮のミサイル戦略と日本

井上 智太郎(共同通信社ニュースセンター整理部長)

▼北朝鮮の核ドクトリンを読み解く 

 米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)と水爆の製造能力を獲得した北朝鮮が、今度は「使える核」とも評される戦術核の量産を表明した。標的は日韓と駐留米軍。核はもはや瀬戸際外交の道具ではなく、実際の戦力として組み込まれつつある。ソウル、ワシントン、北京での取材を基に、新興核保有国、北朝鮮の虚実交えた生き残り戦略を読み解き、核兵器使用をいかに封じていくかを考察した。


筑摩書房 / 1034円 / ISBN 4480075488

■安倍「一強」の完成 ドキュメント 平成政治史 4

後藤 謙次(共同通信出身)

▼いかに「一強体制」は完成したか

 安倍晋三元首相が凶弾に斃れて早1年が経つ。しかし、今なお日本の政治は「安倍一強」を超えられずに迷走する。その「安倍一強」は衆院の「小刻み解散」と3年ごとの参院選を組み合わせた選挙戦略によって土台が形成された。野党側は再起へのシナリオが描けず、党内の反対勢力は沈黙した。第4巻ではこの「一強体制」の完成までを追った。続く平成から令和への代替わりを経て、安倍政権の終焉までの足取りは第5巻に委ねた。


岩波書店 / 2970円 / ISBN 4000281798

■教養としてのドラッカー  「知の巨人」の思索の軌跡

小島 明(日本経済新聞出身)

▼社会を鋭く観察 実像を紹介

 〝押しかけ弟子〟を任じ、恩師に捧げた著作。彼が80歳の時、1989年に著した『新しい現実』はソ連の崩壊を洞察、崩壊後のソ連がヨーロッパに軍事進攻する可能性も否定できないと、ぞっとするような洞察力を示した。出版社がヘンリー・キッシンジャーに書評を頼んだがキッシンジャーは「友人が耄碌したと言いたくはない」として断ったという。ハウツー的な経営の専門家ではなく、社会を鋭く観察し続けたドラッカーの実像を紹介。29歳の時に出版した『「経済人」の終わり』は全体主義、ナチズムを分析、最近も増し刷りされた力作。骨太のリベラルアーツ。


東洋経済新報社 / 1980円 / ISBN 4492522360

■無償の愛をつぶやくⅣ

高尾 義彦(毎日新聞出身)

▼ツイッターで俳句を発信 

 78歳の誕生日(6月19日)に合わせて自費出版。2014年、17年、20年に続き、3年ごとに1冊。この3年間に毎日、ツイッターでつぶやいた俳句はすべて収録、徳島新聞コラム「勁草を知る」、ハワイの日本語新聞「日刊サン」への寄稿や早稲田大学政治経済学術院 土屋礼子教授の「ジャーナリスト・メディア関係者個人史聞き取り調査プロジェクト」でまとめてもらったインタビューも収録した。3年後は80歳代の大台、「Ⅴ」が発行できるかどうか。一応定価1,000円に設定、希望者にはお届けします。問い合わせは高尾まで(メール:yytakao@nifty.com)。


 / 円 / ISBN

■最高の一年 五十六歳で逝った妻は教えてくれた

真田 正明(朝日新聞出身)

▼がん標準治療を断り余命を全う 

 ステージⅣBの子宮体がんだとわかったとき、妻はそれ以上の治療をしないことを決意した。そして豪州にいる娘の出産を手助けに行った。京都の友人や、和歌山県・龍神村にいる母とは、最期の別れを交わした。するべきことをし、言うべきことを言って、中秋の名月の日に旅立っていった。鎌倉に転居して1年間ほどのことだ。「いてほしいときに、あなたはいない」と言われ続けた夫が、四季の移ろいとともにその日々を綴りました。


さくら舎 / 1760円 / ISBN 486581390X

■椿飛ぶ天地

滑志田 隆(毎日新聞出身)

▼漱石の俳句巡る友情の軌跡 

 小説二篇。表題作「椿飛ぶ天地」は「俳句とは何か」を問いながら、椿の落花を集める男の物語。漱石の俳句「落ちざまに虻を伏せたる椿かな」は実景を見た写生か、観念の産物なのか。弟子の寺田寅彦は椿を〝飛行体〟と考えて実験し、師の真意に迫る。その友情と洒脱の軌跡を追った結論は「俳句はアカルチュレーション(文化変容)なり」。「平壌号」は北京―平壌の列車の旅を描く紀行小説。北朝鮮が国を挙げて取り組む植林運動の報告が興味深い。


論創社 / 1980円 / ISBN 4846022404

■ハマのドン 横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録

松原 文枝(映画「ハマのドン」監督、テレビ朝日「テレメンタリー」ディレクター)

▼国策なぎ倒した舞台裏 

 横浜港湾の元締めで地元政財界に影響力を持つ〝ハマのドン〟こと藤木幸夫。御年92歳。カジノ誘致阻止に向け、時の最高権力者と全面対決した。決戦の場となったのは横浜市長選。藤木が賭けたのは、19万もの署名を集めた市民の力だった。リスク覚悟で挑んだ藤木の行動と市民の力が融合し、最後は国策をなぎ倒した。政治を市民の手に取り戻す―藤木とは一体何者で背負ってきものとは―。映画「ハマのドン」を深堀りするとともに、映画製作の舞台裏を綴った。

 


集英社 / 1056円 / ISBN 4087212653

■四季百選2022

鈴木 祐子(日本農業新聞論説委員長)

▼四季を通した農業と食の今 

 「四季は私の心の栄養剤です」「朝一番に目を通します」。読者からの温かい声に励まされ、創刊95周年を記念して日本農業新聞の1面コラム「四季」を集めた「四季百選2022」ができました。

 生きることは食べること。食べることができるのはこの国に農業があるから。四季のうつろいを通して、日本の農業と食の今をぎゅっとコラムに凝縮しました。ぜひ、お手元に。

 注文は日本農業新聞普及推進部。電話03―6281―5803。


日本農業新聞 / 550円 / ISBN

■世間と人間 復刻版 三淵忠彦著

編集 本橋 由紀(毎日新聞社小田原通信部)

▼司法の骨格づくりに尽力 

 初代最高裁判所長官、三淵忠彦が遺したエッセー集を復刻した。敗戦から立ち上がり、新しい国を目指したその時に、三淵は司法の骨格づくりに尽力した。戊辰戦争の責めを負い切腹した旧会津藩の家老萱野権兵衛を伯父に持ち、芯には会津の心があった。エッセーは平易で動物や食べ物、趣味などを書いているが、人としてあるべき姿が読み取れる。今の時代にこそ多くの人に読んでほしいと考えた。三淵は私の曽祖父である。


鉄筆 / 3080円 / ISBN 4907580258

■ドキュメンタリーの現在 九州で足もとを掘る

臼井賢一郎(九州朝日放送解説委員長)

 神戸金史(RKB毎日放送ドキュメンタリーエグゼクティブプロデューサー)、吉崎健(NHK福岡放送局エグゼクティブディレクター)との共著

 

▼系列超え、ジャーナリズムの危機、継承綴る

 九州を足場にドキュメンタリーを作ってきた3人の制作者による格闘の記録。系列を超えて、地方からの発信の意義、テレビジャーナリズムの危機、未来への継承を綴る。コロナと戦争の時代にあって視聴者である市民は、今こそ時代を見る目を求めているとの意思を踏まえ、時代に対する「見識」ともいえるドキュメンタリー作品の現在を3人の実作に基づき考察した。若手制作者を交えた座談会も魅力。

 


石風社 / 2円 / ISBN 4883443175
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