コミュニケーション - マイBOOK マイPR

著者自身によるワンポイント紹介です

■あぜみち逍遥─都を離れて世相を観る

横島庄治(NHK出身)
上州高崎からの発信 放送現場を定年で離れ、上州高崎の在に居を移してから15年。スタジオから不特定多数の人々に語りかけ、地方大学で学生と語り合い、最後にNPOで実社会と渡り合うという変化の中で視点が変わり、別の視界が開けてきました。


その折々に書き留めた中から最近のものを中心に68篇をつまみ上げ、7章にくくり直して出版しました。ほとんど手作り本ですが、俳画を能くする友人の表紙と挿絵で味が加わり、ふんわりとした風合いに仕上ったつもりです。


NPO法人環境システム研究会 / 1,890円

■ジャーナリストの現場─もの書きをめざす人へ

岩垂 弘(朝日新聞出身)


現場からの報告 初任地赴任から定年退職までの37年間にわたる記者生活での経験を書きました。入社早々、先輩記者から「新聞記者は現場にこだわれ」とたたきこまれましたから、在任中はできるだけ現場取材を心がけました。いわば、記者としてニュースの現場で何を見、何を考え、どう感じたかの報告です。ですから、タイトルも『ジャーナリストの現場』としました。とくに若い記者諸君に読んでいただけたら幸甚です。


同時代社 / 2,940 / ISBN 4886837069

■周防人月性 謹んで申す─維新回天へ錫を飛ばす

秋田 博(読売新聞出身)


2人の勤王僧 安政ノ大獄の年、2人の勤王僧・月性と月照が死去しました。月照は西郷隆盛と錦江湾で入水死しドラマ等で有名です。もう一人の月性は「男児・立志」の詩僧として知られますが、二人を混同する例も多く、月性の姿が見えません。維新回天の魁は、月性でした。西欧列強の侵出を「神州陸沈」の危機と先覚し、長州毛利藩を勤王・倒幕に先駆させたのです。一読くだされば幸いです。 (自費出版)


■攻めの保護農政―直接支払で「TPPに負けない日本農業」

村田 泰夫(朝日新聞出身)



*TPPと国内農業の両立策* 環太平洋経済連携協定(TPP)反対運動が農協を中心に高まっている。関税が撤廃されれば農産物価格が下がって、農家の所得が減るからである。だが、TPP反対の先に日本農業再生の展望が開けるわけではない。市場は開放するが、国内農業も守る「両立策」はないものか。実はある。米国やEUの農政が採用している「直接支払制度」である。農産物価格は下げるが、農家の所得は財政で補填し再生産を維持する。一方、価格引き下げで国際競争力がつき輸出も可能となる。関税引き下げは「攻めの農政」でもある。


農林統計協会 / 1、575円 / ISBN 4541037777

■戦後日米交渉を担った男 外交官・東郷文彦の生涯

伊奈 久喜 日本経済新聞特別編集委員


*圧倒的存在感の外交官* 日米安保条約改定と沖縄返還のふたつの交渉に外務省の担当課長、局長としてかかわった東郷文彦氏は、多くの記録を書き残しました。「密約」をめぐる調査で機密解除された膨大な外交文書に目を通すと、東郷茂徳元外相の女婿でもある、この外交官の圧倒的存在感に気づきます。記録を読み、ともに仕事をした人々や当時の記者たちの話を聞いて、彼の生涯の再現を試みました。岸、佐藤時代に懐かしさを感じるという読後感を寄せてくださった方がいます。


中央公論新社 / 1、995円 / ISBN 4120042863

■ジャーナリズムの行方

山田健太(日本新聞協会出身)


「伝統メディア」の存在意義を問う 新聞・放送・出版等の伝統メディアに期待されてきたジャーナリズム性とは何か。ジャーナリズムを取り巻く法・社会制度を議論の基本に据えつつ、編集(ジャーナリズム論)と経営(メディア産業論)の双方の立場から、あるべき姿を現在進行形のさまざまな個別事案を通じて検証する。序章では、世界でもユニークな「マスメディア」社会である日本の状況を説き、終章では、グーグル的世界を前にデジタルがもたらす知の公共空間の今後を問う。


三省堂 / 2310円 / ISBN 4385365377

■ゴーンさんが学んだ日本的経営

長谷川洋三(日本経済新聞出身)


日産改革の徹底検証 ゴーン本というより日本的経営を改めて考える本である。筆者は日経時代から自動車業界を中心に長年企業取材をしており、ゴーンの着任直後から12年にわたって密着取材をしてきた。そのインタビュー記録や関係者の証言を丹念に積み上げ、ゴーンが学んだ日本の経営の強みと日本が学ぶべき経営の課題を浮き彫りにした。トヨタ自動車の大量リコール問題の教訓なども織り込みながらトヨタとの企業文化の違いなどにも踏み込んでおり、日本企業を支えてきた「家の文化」のこれからのあり方を考えるうえでも面白く読める。


日経ビジネス人文庫 / 750円 / ISBN 4532196043

■国が共犯! 日中米4大謀略事件+3・11

壱岐一郎(九州朝日放送出身)



元テレビ記者が国家犯罪を追う テレビの側から新聞の人にぜひ言っておきたいというのが本音。満州事変の年に生まれ、東京で真珠湾攻撃を知り、松川列車転覆の前後に金沢から仙台に遊学、控訴審にかかわる。


福岡でケネディ暗殺を疑い、9・11前年に沖縄からダラスを訪問、現場に立つ。9・11では先輩の令息が犠牲に。「同時多発テロ」はアラブ青年だけの犯行か、3大事件と対比、疑い続ける。


かもがわ出版  / 1890円 / ISBN 4903882381

■最後の民権政治家 立川雲平

田川 五郎(読売新聞出身)


埋もれた手記を発掘 最近、親類の家で自由民権運動に取り組んだ人の手記を発見しました。読んでみると、波乱に満ちた生涯だけでなく、希望に溢れた明治といふ時代が生き生きと描かれてゐるのに驚嘆しました。遠い昔の親族に、かういふ人がゐたことをはじめて知り、その評伝を書く気になつたのです。


四百部ほど刷り、関係者に配布したところ、意外に反響があつたので、意を強くしてクラブの書棚に置かせていただいた次第です。少々残部がありますので、ご希望があれば贈呈いたします。

(非売品)


■東電帝国 その失敗の本質

志村嘉一郎(朝日新聞出身)


東電の仮面をはぐ 東日本大震災で、東京電力福島第一原子力発電所が破壊された。8万人もの住民が追い出され、巻き散らされた放射性物質による被害は、とどまるところを知らない。東京電力は、想定外の事故として、補償金の大半を税金と電気料金値上げでまかなおうとしている。38年前に電力担当になり原発安全神話を信じ込まされてきた筆者は、大震災後の東電の経営者の対応が、あまりにも驕りに満ちたものであると感じた。「東電の仮面をはがねば」と思ったのが、この本を書く動機だった。


文春新書 / 798円 / ISBN 416660810X

■絵筆のナショナリズム フジタと大観の〈戦争〉

柴崎 信三(日本経済新聞出身)


美術をめぐる歴史の神話作用 日本画壇の巨匠とされる藤田嗣治と横山大観が戦時中、「彩管報国」と呼ばれる戦争プロパガンダ美術の指導的立場にあったことは、これまでも知られてきたことですが、戦後の二人が祖国での「追放」と「復活」という、対照的な道を歩んだ背景を国民の美意識と社会のかかわりのなかで考えてみたものです。

虚心に作品と向き合うことから美術をめぐる歴史の神話作用の一端を浮き彫りにする、という意図を読みとっていただければ幸いです。


幻戯書房 / 2、940円 / ISBN 4901998765

■ロシア革命で活躍したユダヤ人たち-帝政転覆の主役を演じた背景を探る 

中澤孝之(時事通信社出身)

革命100周年を念頭に執筆 6年後のロシア革命100周年を念頭に執筆した。この世紀の革命は「ユダヤ人の革命だった」ことを、トロツキーら有名無名のユダヤ人革命家一人ひとりの生涯を調べたうえで、立証した。取り上げた「非ユダヤ的ユダヤ人」は約500人。彼らが革命運動に走った動機、19世紀5人のツァーリのユダヤ人政策、最後の皇帝ニコライ2世一家の虐殺犯はユダヤ人一味、ラスプーチンのユダヤ人秘書の暗躍、秘密警察のユダヤ人革命家たちの苛酷な運命など。興味あるエピソードを盛り込んだ読み物に仕上げた。


角川学芸出版 / 4、725円 / ISBN 4046537515

■国家と政治-危機の時代の指導者像

田勢康弘 日本経済新聞客員コラムニスト
 

この国のすべてが変わるために かなり前から出版の話があったが、どうも最後の筆が進まなかった。何か大変なことが起こるのではないか、という漠然としたいやな予感があった。あっこれだ、と大震災で思った。被災地へ行き、同時にこの国の危機管理、原発政策等を徹底的に取材し、結局、本の3分の1を新たに書いた。この国のすべてが変わるために、この機会を活かさなければ、という思いを込めたつもりである。


NHK出版新書349 / 819円 / ISBN 4140883499

■ウィリアム王子とケイト・ミドルトン

渡辺みどり(日本テレビ出身)

新プリンセスに注目 ダイアナ妃の忘れ形見、ウィリアム王子の結婚相手は、学友ケイト・ミドルトン。王子はケイトを含めた4人でのルームシェアを提案・実行した。9年の交際を実らせてのゴールイン。


新プリンセス、ケイト妃はどんな女性か。婚約指輪は亡き母の形見だ。6月には初の海外公務、カナダ公式訪問が待つ。王家継続の努力を続ける世界一の旧家英王室にとって、ケイト妃は初の大学卒の嫁だ。来年は女王陛下の在位60年、ロンドン五輪とお祝い事が続く。ご一読をお勧めしたい。


新人物往来社文庫 / 700円 / ISBN 4404040008

■ジャーナリズムに生きて─ジグザグの自分史85年

原 寿雄(共同通信出身)


自己流ジャーナリズム哲学 大正デモクラシーの末期、小作農家に生まれた私の昭和前史は、軍国主義一筋だった。戦後は自由を求めて記者への道を選び、「すべてを疑え」「いい答えはいい質問から」をモットーに、ジャーナリズムのあり方を模索し続けた。本書はそんな自分史の苦い記録である。


警察の謀略による菅生冤罪事件の教訓、「デスク日記1~5」の狙いや新聞・放送の第三者委の問題点を指摘、最後に自己流のジャーナリズム哲学21カ条をまとめてみた。


岩波現代文庫 / 966円 / ISBN 4006032129

■気骨の人 城山三郎

植村 鞆音(テレビ東京出身)


少年のような無垢な人柄を 晩年親しくしていただいた城山三郎さんの評伝を書き終えた。7年前サラリーマンを辞めて著述業を目指したが、著作はこれが4作目である。第1作が伯父の評伝『直木三十五伝』、第2作が父の評伝『歴史の教師 植村清二』、第3作が老人と若いOLの恋を描いた小説『夏の岬』。


量の点からいってやや不満足だが力量不足なので仕方がない。文学の素養の乏しい私は、この評伝では、城山さんの文学は思いきり切り捨て、人物を掘りさげることを心がけた。あの少年のような無垢な人柄が描けていればいいのだが。


扶桑社 / 1、890円 / ISBN 4594063969

■政権交代狂騒曲

浅川 博忠 (山形新聞客員論説委員)


漂流の5年間を問う! 小泉純一郎が退いて5年。自民党から民主党への歴史的政権交代は実現したが、それは日本漂流の時代の始まりでもあった。安倍、福田、麻生、鳩山、そして菅…。彼らと小沢が何を語り、どう行動したかを徹底再検証。未曾有の国難に襲われた今、有権者としての必須の記憶と知識を1冊に! 


講談社文庫 / 710円 / ISBN 4062769794

■店員さんの英会話ハンドブック

原島 一男 (NHK出身)

シンプルで役立つ表現集 日本を訪問する外国人の数は、この10年で倍増して900万人近く。そうした中で、日本語のできない外国人との接点となる店員さんが「きちんとした英語」で対応してほしい。江戸の3大美味は寿司、天ぷら、そば、でしたが、今は世界の人々が興味を持つ食べ物です。ラーメン、牛丼、洋食も人気の的。それに、ハイテク製品、化粧品、スーパー、美容室、旅館、病院などで、人々の出会いから別れまでのシンプルで役に立つ表現を集めました。
ベレ出版 / 1、680円 / ISBN 4860642848

■日露戦争の裏側 “第二の開国”─日本列島に上陸したロシア軍捕虜七万人

大熊 秀治(東京新聞出身)

露捕虜たちとの出会いと交流 7万2000のロシア将兵が日本列島に上陸、全国29カ所に滞在した──日露戦争時の捕虜たちだ。その大量の外国人の出現に驚き、戸惑いながらも、受け入れ対応していった明治の庶民たち。彼らにとっては“第二の開国”であったろう。その両者の出会いと交流の跡を追った。この後の時代、傲慢になり、無謀な戦争にのめり込んでいった日本。捕虜虐待のとがでも多くの戦犯を出した。一時とはいえ、人道主義の花を咲かせたことは記憶されていい。


彩流社 / 2、310円 / ISBN 477911604X

■紅茶が動かした世界の話

千野 境子

産経新聞特別記者

近代化の隠し味 古くは英蘭戦争から現代のティーパーティー(茶会)運動まで。日々、何気なく飲んでいる紅茶にこれほど逸話や物語があったとは目からウロコでした。


日本でも明治の殖産興業の一翼を担い、いま再び国産紅茶ブームとか。ジュニア向けに書きましたが、シニアの教養書としても楽しめると大先輩に褒められ、気を良くしています。


国土社  / 1、365円 / ISBN 4337187537

■明石元二郎大佐 日露インテリジェンス戦争を制した天才情報参謀

前坂 俊之(毎日新聞出身)

明治、昭和のリーダーシップとは 日露戦争で明石元二郎がヨーロッパを股にかけてロシア革命家たちを支援、武器提供して後方撹乱した破壊工作はよく知られている。日露戦争はなぜ起きたのか、どう戦ったのかを明らかにすると同時に、明石の極秘報告書『落花流水』を初めて現代訳で紹介し、陸軍参謀本部のインテリジェンス工作の全容を解明した。いま、日本の外交敗戦が続く中で、明治、昭和のリーダーたちのリーダーシップを知るには格好のテキストである。
新人物往来社 / 1、680円 / ISBN 4404039646

■松川事件六〇年の語り部

堀越 作治(朝日新聞出身)

歴史の真実に迫る 戦後国鉄の3大事件(「下山」「三鷹」「松川」)から60年もたったのに、真相はなお謎に包まれたままだ。米軍占領下で起こされた「冤罪事件」「権力犯罪」と推定されるだけで、決定的な証拠がない。そういう困難を承知のうえで、歴史の真実に迫ろうと努める人たちがいる。少なくとも「三鷹・松川事件」については、米ソ冷戦が激化する中で日本の左翼労働運動を徹底的に弾圧しようという権力の意図が働いたことが、多くの状況証拠から立証できるという。それを紹介する。


東京図書出版会 / 1、260円 / ISBN 4862234909

■人生は自燃力だ!! 私の日本経済新聞社生活37年

坪田 知己(日本経済新聞出身)
自分らしい仕事の世界作り 「社長のために仕事をするな!」が最初のタイトルでした。ヒラメになりがちな社員が、どうすれば自分らしい仕事の世界を作れるか、それを「自燃力」と名付けて、ノウハウを公開しました。「ジャーナリストの仕事の価値は歴史が決める」と考えて、上役にも譲らなかった。アナログとデジタルの境目の時代だからこそ、創造的な仕事を次々にやれた。多くのサラリーマンに「元気」をプレゼントしたいと思って書いた本です。


講談社 / 1、575円 / ISBN 4062950618

■万年筆国産化一〇〇年―セーラー万年筆とその仲間たち

桐山 勝(日本経済新聞出身)

筆記具が持つぬくもり 直してもらったお礼に手作りのおはぎを届けたおばあちゃん。野球の万年補欠の坊やに敢闘賞として贈った両親。万年筆という筆記具が持つぬくもり、味わいを感じながら書いた。世界の文化史や政治史に重ねるもよし、ものづくりの視点から科学史や匠たちの物語に耳を傾けていただくもよし、である。マニアック本とは一味違い、本書は入門書、趣味本あるいはビジネス本とそれぞれの立場から楽しく読んでいただけるよう心がけた。


三五館 / 1、680 / ISBN 4883205274

■唐家(セン)外交回顧録 勁雨煦風

加藤 千洋(朝日新聞出身)

対日外交に多くの紙幅を 国際社会における中国の存在感が増した1998年から10年間、外相、国務委員として中国外交のかじ取り役だった唐家セン氏の外交回顧録だ。


突発事件で危機に陥った対米関係やロシアとの国境交渉を語り、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題で揺れ動いた2000年代初めの時期の日中関係の内幕なども明かしている。中国きっての知日派だけに対日外交に多くの紙幅を割いている。とかく不透明な中国政府の政策決定プロセスを知る上でも興味深い資料といえる。


岩波書店 / 4、410円 / ISBN 4000227807

■メディアの地域貢献 「公共性」実現に向けて

森 治郎(朝日新聞出身)
メディアの「新しい公共性」を提言 筆者が座長を務めている早稲田大学メディア文化研究所「地域とメディア研究会」の調査、研究、討議の成果を軸に16人が分担執筆した。冒頭章で、ともすれば「言論報道」の側面でのみ考えられてきた「メディアの公共性」が実は営業、事業、総務部門など全組織、全機能を挙げて実現されるべきものであることを明らかにし、続く各章で各メディア分野での公共性意識と地域貢献の現状を点検、全国の先駆的な実例を紹介しながら地域貢献実現の手法を提言している。メディアの「新しい公共性」の発見と実践のススメである。


一藝社 / 1、995円 / ISBN 4863590253

■実録 龍馬討殺 京都見廻組今井信郎士魂録

長谷川 創一(テレビ朝日・広島ホームテレビ出身)

龍馬と闘った幕臣の実像を追う 龍馬討殺は近年、京都見廻組が公務として実行した事件として認識され、実行者・今井信郎の名も定着してきている。混迷の時代に興味を覚え信郞の生涯と事件の真相を尋ねる旅に出た。今井家に残された古日記の追跡調査から明治25年の横浜毎日新聞に信郎が匿名で手配犯を追った事件の詳細を報告している事実を発掘した。後半生を基督教徒、農業指導者として生きた幕臣と龍馬の対決は瞬時の出会いに過ぎないが、激動の時代と信郎の実像を知る上で事件の解明は欠くことのできないパズルの一片になる。


静新新書 / 1、200円 / ISBN 4783803633

■記者クラブ 情報カルテル

橋場 義之訳(毎日新聞出身)

記者クラブの歴史と社会システム 米カリフォルニア大准教授による本格的な研究書で、原題は「Closing the Shop」。民主党による政権交代を機に再び噴き出したクラブ批判だが、歴史や実態、本音とかけ離れた議論がまかり通る。肝心の日本でクラブ問題を正面から取り上げた研究書がなかっただけに、役に立つ一冊となるはずだ。ここ10年余りのクラブ問題をめぐる具体的な動きを訳者が解題として加えている。


緑風出版 / 3、150円 / ISBN 4846110184

■「門司港」発展と栄光の軌跡 夢を追った人・街・港

羽原 清雅(朝日新聞出身)

歴史の突端にあった興亡の地を追う 小倉・博多在勤9年、この門司に2回住むうち、気になったのは80年前に建った旧料亭三宜楼。木造3階で老朽化したが、なお外観は往年の色香をとどめている。この保存運動にごく少し関わったことから、書き出すことになった。本土や植民地渡航の要衝、出炭地、再三の戦争などの歴史を踏まえ、そこに一攫千金を夢見て集い、その遊興を支える人たちの跡をたどった。そしていま、レトロ再生を狙う。関門海峡はいいところ。ぜひこの本を持ってお出かけください。
書肆侃侃房 / 2、100円 / ISBN 4863850433

■アジアの潮流と中国 半世紀の変動から見えるもの

田所 竹彦(朝日新聞出身)

体験的アジア論 外国特派員をした経験などをもとに、「体験的アジア論」式のものを書いてみた。出来栄えのほどは、本人にはよく分からない。

個人の予測や経験は、もとより実際の動きとは別物である。ベトナム戦争も、中国の文化大革命も、結果は予想とは異なった点が少なくなかった。こうして見ると、歴史とは存外移り気なものだが、脇道にそれるようで実は本道を進んでいることもある。禍福はあざなえる縄の如し、とはうまいことを言ったものだ。


里文出版 / 1、575円 / ISBN 4898063659

■監査法人を叱る男─トーマツ創業者・富田岩芳の経営思想

早房 長治(朝日新聞出身)
日本初の国際監査法人を創った男 日本企業の会計報告書と監査報告書の透明度は欧米先進国に比べて低い。企業経営者が真実の提示を嫌い、監査法人が独立性を欠いているからだ。このような状況に生涯をかけて闘ってきたのがトーマツの創業者・富田岩芳である。粉飾決算の撲滅に貢献しただけではない。トーマツを国際的な監査法人に育て上げ、欧米主導の巨大会計事務所グループが支配する世界に「デロイト・トーシュ・トーマツ」と、唯一、日本人の名を刻んだ。


プレジデント社 / 1、680円 / ISBN 4833491222

■報道再生 グーグルとメディア崩壊

河内 孝(毎日新聞出身)

新時代の報道スタイルを探る 2010年は電子書籍元年といわれた。しかし、それはインターネットをベースにしたデジタル情報化時代の現象のひとつにすぎない。より深刻な問題は、この産業革命によって引き起こされるアナログ情報生産システムの崩壊(新聞印刷、流通過程など)と価格破壊がジャーナリズムの世界に何をもたらすのか、である。

米のジャーナリスト、研究者の中には、新聞やネットワークテレビがなくなっても、ジャーナリズムが死ぬことはない、と考える人が少なくない。しかし既存の新聞社やテレビ局が経営困難に陥り、彼らが担ってきた調査報道や、スクープのための人員や経費がさけなくなったら、誰が、どのようにその空隙を埋めてゆくのだろう。

金平茂紀・TBSテレビ「報道特集」キャスターとの共著。


角川oneテーマ21 / 760円 / ISBN 4047102679

■消防官になるには

菅原 順臣 (産経新聞出身)

ファイヤーマンの世界をのぞく 厳しい就職難が続いている。しかし、次代を担う青少年にはあくまでも目指す道というものを抱いてほしい。

例として「消防官」にスポットを当てた。火災の消火、救急搬送、防火指導、原因調査…。すべては市民の財産や生命を守る崇高な任務である。

そのための心身の鍛錬、専門知識の習得に賭ける努力は並大抵ではない。「人のために役立ちたかった」。第一線で活躍するプロたちの就職動機は極めて明快だった。


ぺりかん社 / 1、260円 / ISBN 4831507547

■現代ロシアを見る眼

山内 聡彦(NHK解説主幹)
プーチン10年の総合的な分析 メドベージェフ大統領の北方領土訪問をきっかけに日ロ関係が風雲急を告げる中、ロシアで何が起きているのか再び関心が高まっている。本書は「プーチンの10年」をキーワードに現代ロシアを読み解こうとする試みである。KGB出身の無名のプーチンが連邦崩壊後、混乱を極めたロシアをいかにして立て直したのか、そしてその功罪をどう見るのか。本書は新生ロシアの方向性を決定づけたプーチンの10年の総合的な分析に挑むものである。木村汎、袴田茂樹両氏との共著。

NHK出版 / 1、260円 / ISBN 414091162X

■朝鮮半島201Z年

鈴置 高史(日本経済新聞編集委員)
不気味なアジアの近未来を小説で メディアはニュースが発生した後に「なぜ、起きたか」を説明する。だが、それではもう間に合わない。物事の展開が速くなり、解説を読んでもらった時には「手遅れ」だからだ。
そこで「近未来」をフィクションの形式で書き「そんなことが起こりうる」現在の危うい構造を説明した。
書き終わった瞬間に尖閣と延坪島の事件が起きた。中国が韓国の社債を大量に買っていることが判明した。我ながら不気味な物語になった。


日本経済新聞出版社 / 1、995円 / ISBN 4532167698

■法とジャーナリズム 第2版 

山田 健太(日本新聞協会出身)
日本の表現の自由のあり方 2004年の初版の全面的な改訂版。有事法制、裁判員裁判、憲法改正手続き、通信と放送にかかわる法制度などのほか、新たな法と40を超える条文改正を含み、表現にかかわる領域をカバーした。右ページには法条文や判例のほか、詳細解説を配し、報道の一線においても教育現場においてもハンドブックとして活用いただける。民主党に政権が変わっても、相変わらず表現の自由への「脅威」は続いている。日本の表現の自由はどのような形がありうるのか、考える一冊でもある。
学陽書房 / 3、150円 / ISBN 4313340203

■特務機関長 許斐氏利─風淅瀝として流水寒し 

牧 久(日本経済新聞出身)
昭和の“怪物”に辿りついて 北一輝のボディガードを務め、戦時下の上海・ハノイで100人の特務機関員を率いて地下活動に携わる。戦後は銀座で一大歓楽郷「東京温泉」を開業、クレー射撃でオリンピックにも出場した昭和の“怪物”がいま歴史の闇から浮上する(本の帯から)。前著『サイゴンの火焔樹』で書いたベトナム残留日本兵を追ったらこの男に辿りついた。東条英機が絞首刑にならなかったらこの男、終生、彼の暗殺を狙い続けたのではないか。
ウエッジ / 1、890円 / ISBN 4863100752

■ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント

(申元東著) 前坂 俊之監修(毎日新聞出身)
世界最強のカギは人材開発 今世界で最も注目されている企業のサムスン。その世界最強の秘密は人材開発にある。サムスン人事部で18年間働き人事部長まで務めた著者・申元東がそのグローバリズムに最適化された人事マネジメントを公開したのが本書だ。サムスンだけではなく、他の企業、政治、スポーツ、文化の面でも韓国の躍進は日本を凌駕しつつある。本書を読めば、韓国のグローバル時代の勝利の方程式を学ぶことができる。
徳間書店 / 1、680円 / ISBN 4198630038

■サツマイモと日本人──忘れられた食の足跡 

伊藤 章治(中日新聞出身)
進化しつづける「未来食」 3年ほど前、『ジャガイモの世界史』(中公新書)を書いたがそのとき、「日本の場合、ジャガイモだけでは〝貧者のパン〟の物語は語れない。サツマイモと併せて初めて、食の民衆史となる」と痛感した。そんなわけで、「二番煎じ」の批判を覚悟で本書を書いた。サツマイモが飢饉や戦乱の時、民衆を救ったのは周知の事実だが、いまやこのイモは宇宙食のエースだという。限りない進化を続ける「未来の食」でもある、と実感した。
PHP新書 / 798円 / ISBN 4569791921

■白球の絆─稲門倶楽部の100年

生原 伸久 (産経新聞出身)
早稲田精神を繋いだOB達の生涯 早稲田大学野球部には正史として『野球部百年史』があるが、本書は早大野球部の歴史を繋ぎ、支えたOBたちの生涯を人間ドラマとして描いた。「伝説の名選手列伝」のほか、大正3年ごろ米国プロ野球でプレーした日本初のプロ野球選手・三神吾朗の〝証拠写真〟や特捜検事、国際線パイロットなど、各界で活躍するユニークなOBも紹介している。
早稲田大学野球部稲門倶楽部発行 / 非売品/希望者には送料込み2000円で郵送。

■「真面目に 強く 上品に」 反骨校長 吉川昇の日記 

秋山 哲(毎日新聞出身)
祖父の教育姿勢と反骨精神 関西で進学校として知られる私立・高槻高校・中学校(大阪府高槻市)が今年創立70周年を迎えた。初代校長として20年間つとめた吉川昇は私の母方祖父で、1日も欠かさずにつけていた日記を解読、復刻し、読み物に仕立てた。開校と同時に太平洋戦争に巻き込まれ、戦後の教育改革にも苦闘する彼は、書名になっている教育モットーを掲げ、戦中・戦後を通じてぶれることのない教育者だった。その教育姿勢と反骨精神が浮かび上がる。
発行 「吉川日記」刊行委員会(電話072─671─0001 高槻高校内) / 頒価1、900円

■イランはこれからどうなるのか 「イスラム大国」の真実

春日 孝之 毎日新聞前テヘラン特派員
イランと中東を読み解く イランは国家レベルでは反米・反イスラエル・パレスチナ支持だが、国民は米国にもイスラエルにもユダヤ人にも悪感情を持っていない。むしろアラブ人(パレスチナ人を含む)への差別意識が極めて強い。本書は、イランの民族性に着目し、サブカルチャーの状況にも力点を置いたルポ的要素を交え、核開発問題や対米関係、イスラム体制の行方に至るまでを分析した。
新潮新書 / 777円 / ISBN 4106103842

■アジアから時代を読む─北聞南望・百稿─ 

高木 暢之 (毎日新聞出身)
アジアの変化を見通すカギに アジアは今日、世界で存在感を強めていると同時に、混沌たる状況にある。中国の経済興隆と軍事力強化、そして北朝鮮の「核」を軸にした北東アジアにおける日本、米国、中国の駆け引き、さらにアフガニスタン戦争の先行き不透明などだ。この本は、海外の邦字紙に2005年後半から09年末まで連載した地域の時事小論文をまとめた。アジアの急激な変化は、10年後、20年後の日本の立場、そして国民生活さえも変えるだろう。多少でもそれを見通すカギを本書が秘めているならば幸いだ。
露満堂 / 1、260円 / ISBN 4434147714

■素顔の首相と大物政治家~戦後篇

清宮 龍 (時事通信出身)
戦後政治史彩る42人の政治家たち 吉田首相の番記者を振り出しに時事通信政治記者として、政治評論家として、直接取材した政治家たちを描いたのが本書。
登場するのは小泉純一郎氏までの自民党出身者に吉田茂氏を加えた歴代首相と日本の戦後政治史を彩った大物政治家計42人。病に倒れる直前まで財政再建について語っていた小渕恵三氏らの姿は、今の政治家に欠けているものを考えさせられる。
善本社 / 1、400円 / ISBN 4793904548

■Basic公共政策学第10巻『政策形成』 

小池 洋次編著  (日本経済新聞出身)
実務家による入門書 各分野の実務に通じた専門家による初の本格的な政策形成論。数々のエピソードが盛り込まれており、読者は政策に関する実務をより具体的に理解することになろう。このシリーズの多くが理論や手法を解説しているのに対し、本書は現場からの視点を堅持しているのが特徴だ。政策形成に関わろうとする人々だけでなく、政策から多大な影響を受ける多くの市民に読んでいただきたい。大学のテキストにも最適の書であると確信している。
ミネルヴァ書房 / 3、675円 / ISBN 4623056597

■新世界 国々の興亡 

船橋 洋一  朝日新聞社主筆
新世界の動態と力学を解析 世界は、第一次大戦後、第二次大戦後、冷戦後のいずれをも上回る国際政治の大地殻変動期に突入している。中国とインドの台頭は、こうした「新世界」幕開けの序幕にすぎない。新たなパワーゲーム「国々の興亡」が始まっている。その動態と力学を解析すべく、世界の戦略知性11人の胸を借りた。この挑戦の下、日本は、バランス力、グリーン力、財政力、開かれたネットワーク力、グローバル人材力の構築が不可欠であると論じた。
朝日新書 / 819円 / ISBN 4022733586

■二・二六事件とは何だったのか

前坂俊之 (毎日新聞出身)
70年経った今でも、日付をもって呼ぶ以外に名づけられていない昭和11年の「2・26事件」。国内外のメディアの報道と、同時代人の受け取り方を総合的に検証したもの。私の担当は朝、毎、読、時事などの日本の新聞の報道、雑誌の特集などの分析で約50頁。同事件が言論の自由に完全にトドメをさした経緯を明らかにした。世界のメディアの報道ぶりも各国10紙を紹介しており興味深い。昭和史研究の必読書。
藤原書店 / 3150円 / ISBN 4894345552

■角栄伝説 番記者が見た光と影

増山栄太郎(時事通信出身)
星の数ほどある田中角栄モノにこれ以上付け加える必要があるのか、と著者の私は思った。だが、田中氏に会ったこともない人が、あたかも見てきたようなことを書く。その上で「巨悪」とか「偉人」とかの評価を下す。そんな田中論に番記者の私は違和感を感じていた。その上、番記者仲間たちのなかに鬼籍に入る人もでてきた。「私自身がやらなければ」そんな思いで筆を執ったのが本書だ。
出窓社 / 1680円 / ISBN 4931178553

■シアトル日刊邦字紙の100年 

有馬純達(朝日新聞出身)
1902年、米西海岸のシアトルで在留邦人向け日刊邦字紙『北米時事』が創刊された。日米開戦で廃刊、しかし戦後『北米報知』が後継紙として登場し、通算100年を超えた。この新聞にかかわった古きジャーナリストたち(わが祖父・父・叔父)のコラムなどを収録し、そのリベラルな論調を紹介するとともに、購読者であった在留邦人が戦前・戦中「排日」の嵐のなかを生き抜いた苦難を描いた。ささやかながら日米関係をめぐる現代史の一断面。
築地書館 / 2100円 / ISBN 4806713228

■グローバル通貨戦争 

山田伸二(NHK解説主幹)
昨年はプラザ合意からちょうど20年、プラザ合意は日本の経済や社会を大きく変えた歴史的な出来事でした。当時取材現場で立ち会った生き証人として、通貨問題を軸にこの20年間に日本と世界がいかに変わったか、私たちはいかに多くの問題を先送りしたかを検証しました。小著は経済について、国際金融についてどう考えたらよいか、私の試行錯誤の過程を振り返ったものでもあり、特に若い方々に読んでもらえればと願っています。
東洋経済新報社 / 1575円 / ISBN 4492681272

■ジハードとフィトナ イスラム精神の戦い

早良哲夫(訳)(NHK出身)
なぜテロが…それもイスラム世界を拠点にして……繰り返されるのか。その原因はイスラム世界に内蔵されている。著者(ジル・ケペル)は、ジハード(聖戦)がイスラムと非イスラムの対立であるのに対して、フィトナはイスラム世界の心臓部を揺るがす内部対立であり、これがイスラム世界の混迷を呼んでいると結論づけている。イスラムの心をめぐって、アメリカとは一味違うフランスの鋭い見方を紹介したいと願って翻訳した。
NTT出版社 / 3360円 / ISBN 4757141203

■「うたかたの恋」の真実─ハプスブルク皇太子心中事件

仲晃(共同通信出身)
ハプスブルク王朝史、とりわけ美人皇后エリーザベトの一代記の出版は、翻訳を中心に後を絶たないが、本書は王朝崩壊の出発点となった皇太子の死の真相に初めて焦点をしぼった。妻との冷え切った結婚生活に絶望して可憐な少女との「天国に結ぶ恋」を選んだという通説を、いわば調査報道の手法で次々と崩し、心中事件の真相はハムレット、ドンファン、ドンキホーテの三重性格を持つ皇太子が、自らの政治的無力と自堕落な生活に絶望したあげくの自裁と見る。
青灯社 / 2100円 / ISBN 486228003X

■メディアコントロール

前坂俊之(毎日新聞出身)
昨年は昭和戦後60年。歴史認識をめぐりメディア界は揺れたが、満州事変、日中戦争、太平洋戦争へ至る15年戦争からベトナム戦争、湾岸戦争、9・11テロ、イラク戦争までの日本のメディアの戦争報道の歴史をたどったのが本書である。アルジャジーラも現地取材し、その報道姿勢に心を打たれた。戦争報道はジャーナリズムのオリンピックといわれる。日本のメディアは健闘したのかどうか、その通信簿でもある。
旬報社 / 2415円 / ISBN 4845109441

■広告─ものと人間の文化史130

八巻俊雄(日本経済新聞出身)
フランスの広告クリエーター、ロベール・ゲランは「広告がなければ、われわれはまだ洞窟の中で暮らしているだろう」と書いている(原書はフランス人は広告が嫌い ”Les Franais n’aiment pas laPublicit”)広告は人に代わって媒体が情報を伝えるので、情報の伝達は無限に広く、また到達者当たりの費用が安くなった。本書は広告の発生から、今日の多様化した消費生活ができあがっていく過程をくわしく述べている。
法政大学出版局 / 2835円 / ISBN 4588213016

■世界のスターデザイナー43

堀江瑠璃子(朝日新聞出身)
昨年末刊行したこの本、年が明けてうれしいことに日経、週刊朝日、ブレーン、フジテレビなどで取り上げていただいた。そんな中で面映ゆいながら、私のお気に入りのレビューはネットの本屋アマゾンの「きうぴい」さんのもので、「日本最強のファッションジャーナリスト堀江瑠璃子さんによる彼女にしか綴れない裏話&トップデザイナー43人の紹介とインタビューがぎっしり。マークジェイコブスのようなノリノリのデザイナーの行き先明るそうな紹介、そして先行き不透明なジルサンダーの隠れたエピソードなど。分厚い本ですが、これだけ濃い内容がつまっているとお買い得……」。ファッションに疎い新聞社の調査部や資料室にも、ぜひ。
未来社 / 2940円 / ISBN 4624710894

■木鐸=平成の風に聴く= 

田中洋之助(毎日新聞出身)
私はこのたび、コラム集「木鐸」を出版した。目次を一目見ればわかる通り、過去10年にわたり国民の興味を集めた政治、経済、外交問題など硬派のテーマだけでなく、人物論、書評、映画評など、私がそのつど興味と関心をいだいた文化的問題にも触れ、これらを通じて、平成日本の風向きを占った本である。日本丸という船は一体どの方向に針路を向けて走っているのか。私が願うのは、再び針路を誤り、世界的に孤立するようなことは絶対繰り返さないことです。これはやさしいようで意外と難しいのではないかと思っています。
ライフ社 / 1995円 / ISBN 4897300533

■アカシアの町に生まれて 劉鴻運自伝

田所泉(訳)(日本新聞協会出身)
翻訳とはいえ、自筆原稿からの訳し下ろし、つまり初ものです。著者は現在76歳、大連の資産家の嫡子に生まれ、日本人の「国民学校」卒業まで同学年でただひとりの中国人男生徒であり、1948年から人民解放軍の一兵士として解放戦争に参加しました。除隊後は教師。「右派分子」とされて入獄9年、文革では一家で農村に「下郷」すること13年、と辛酸をなめました。一介の無名の市井人にすぎないのですが、革命戦争を生き延びた阿Qが語ればこうもあろうかとは、著者と同級生だった訳者の感想です。
風濤社 / 1890円 / ISBN 4892192759

■日本のコンテンツビジネス ネット時代にどう変わる 

猪熊建夫(毎日新聞出身)
アニメ、漫画、ゲームソフトだけではない。放送、新聞、出版、音楽、映画……と、コンテンツビジネスは幅広い。本書は、このインターネット・ブロードバンド時代に、多様なコンテンツビジネスがいかに変わっていくかを、論述しています。ただし、高速道路(ブロードバンド)ができても、そこを走る車(コンテンツ)がなければ、無用の長物になってしまうでしょう。「問題の本質はコンテンツにある」ことを、強調しています。
新風舎 / 1680円 / ISBN 4797483105

■あの戦争を伝えたい 東京新聞社会部編

菅沼堅吾(東京新聞社会部長)
東京新聞社会部が「戦後還暦」という節目の年に、通年で連載した企画「記憶 新聞記者が受け継ぐ戦争」を基に加筆し、再構成した。東京大空襲、原爆投下、中国・韓国への加害、戦時下の記者、シベリア抑留、BC級戦犯などをテーマに、無名の庶民、一人一人の身に起きた事実の記憶をもって、あの戦争の実相を伝えることが目的。「戦争を知らない世代」の17人の記者が、戦争体験者の記憶を心に刻む決意で取材した。命が軽くなっている今の日本社会のありよう、日本の針路について考えるきっかけを提供できれば、と願っている。
岩波書店 / 1680円 / ISBN 4000220330

■軍国少年”Fe”の日記 

堀越作治(朝日新聞出身)
あの戦争は自分にとって一体何であったのか─戦後60年を機に改めて自問した人も多かったに違いない。昭和一ケタの私もそうで、旧制中学一年以来の日記をもとに戦争体験をまとめた。天皇を現人神と仰ぎ、宮城遙拝、靖国参拝、軍事教練、勤労動員に励んだ軍国少年。空をつんざく爆弾の音に肝を潰し、焼夷弾の笠であわや真っ二つかということも。敗戦の夜は切腹まで思い詰めたが、やがて新憲法によって蘇生する。 知人の勧めで北九州市の「森鴎外記念自分史文学賞」に応募したら最終候補に残ったが、結局は次点に。
東京図書出版会 / 1365円 / ISBN 4862230695

■いまを読む名言 昭和天皇からホリエモンまで

轡田隆史(朝日新聞出身)
陸軍の愚鈍さと「闘う」昭和天皇の発言や、「ヤミ金融」東大生社長の自殺の遺書などにはじまる、ざっと90人の発言を集めて、拙い解説をつけた。7年前にハードカバーで出したものに、ホリエモンの
「人の心はお金で買える」など新発言を加えて文庫化した。 作為なしに選んだのに、半世紀の行動と発言が、深いところでつながり、繰り返されているのに驚く。
講談社文庫 / 620円 / ISBN 4062753707

■ユビキタス・コンテンツ ビジネスのすべて

前坂俊之(毎日新聞出身)
「ユビキタス」とはいつでも、誰とでも、どこからでも、どのような端末からでも、自由自在に情報のやりとりが可能になるネット世界をさす。パソコン、ケイタイ電話、ICチップの進化でインターネットの世界は今、「ユビキタス」に突入しており、日本は世界最先端のユビキタス社会が幕開けようとしている。その中でテレビ、映画、放送、ゲーム、通信業界など、コンテンツビジネス産業の問題点や未来図を「Q&A」方式で解説した。
PHP研究所 / 1575円 / ISBN 4569648290

■企業スキャンダルと監査法人 なぜ不祥事 は続発するのか

早房長治 (朝日新聞出身)
今日、大企業のトップは「コーポレートガバナンス(企業統治)こそ企業の命です」「内部統制システムづくりに全力を注ぎます」といった言葉を常に口にする。ところが、大企業のスキャンダルが続発している。昨年から今年にかけて、東京地検などが摘発した官製談合事件では、三菱重、新日鉄、石播などの日本の代表的企業までもが登場した。不祥事続発の原因はモラル低下、ルールなき規制緩和に加えて、マスコミの無力化がある。
彩流社 / 1890円 / ISBN 4779111714

■マリー・ルイーゼ─ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ

塚本哲也 (毎日新聞出身)
脳出血に襲われ、右半身右手が麻痺、何とか左手でと、パソコンをいじっているうちに本になった。国を救うためにナポレオンの二番目の皇妃に売られたウィーンの皇女の話である。この時代は、戦争が20年も続き、皇女はじめ人々は苦労する。やっと平和がきてほっとしたものの、平和を維持するには問題も多く、やがて平和の功労者メッテルニヒ宰相は失脚し、激動が始まる。昭和平成の戦争と平和を思いながら、平和の舵取りは危機と紙一 重というのが教訓。
文藝春秋 / 2600円 / ISBN 4167574055

■ニッポン偉人奇行録 

前坂俊之 (毎日新聞出身)
伊藤博文、吉田茂、川端康成、南方熊楠、内田百閒…明治、大正、昭和の日本を作った各界の代表的偉人たち約50人の思わず噴出す面白いエピソードを満載した。 「偉人は天才、奇人、変人なり」との視点から、その栄光の裏に隠された人間味あふれる奇行、ジョークの数々を白日の下にさらした抱腹絶倒の人物記。コラムを執筆する記者にとってはニヤリ、ピリ辛の隠し味となるネタ本になること受け合いの1冊です。
ぶんか社 / 660円 / ISBN 4821150549

■自民党幹事長   

浅川博忠 (山形新聞客員論説委員)
平成8年に橋本首相で自民党が政権政党に復帰して以来、安倍新首相は5人目の首相となる。この中で幹事長ポストを経験していないのは小泉前首相のみ。やはりこのポストは最高位への登竜門なのだ。しかも安倍氏は祖父、実父と3代に及ぶ幹事長経験者。300億のカネと800のポストを握る強大な権力と職務。この椅子の変貌ぶりや辞任後の明暗。歴代幹事長の総てを本書で探るのはそのまま結党51年の自民党史にも通じよう。
講談社文庫 / 620円 / ISBN 406275388X

■針路を海にとれ 海洋国家日本のかたち

大山高明 (日本海事新聞社代表取締役社長)
「この国を駄目にしているのは大手メディアではないか」という一部の人がいる。時代のすう勢、時の指導者、見えざる手等々に責を帰する意見もある。「所詮国家はその国民のレベルにしかなれない」のが実態ではなかろうか。このままでは民族の自覚と誇りを失った日本になりかねない。縄文の祖先が持っていた日本海洋民のDNAと勇気を取り戻す時が来た。専門新聞の親父の静かな咆哮にも耳を傾けてもらいたい。
産経新聞出版 / 1470円 / ISBN 4902970686

■安倍政権の日本

星 浩 (朝日新聞編集委員)
戦後では最も若い52歳の首相が誕生した。自民党総裁選は、福田康夫氏の出馬断念で「消化試合」となり、盛り上がりを欠いた。それでも、安倍政権の誕生は、日本政治の一つの転換点となるだろう。憲法改正、アジア外交、構造改革はどうなるのか、そして小沢民主党との対決は……。政権発足の経過をたどるとともに、さまざまな政策課題の行方を占った。学者との対談も収録。朝日新聞が創刊した12冊の新書の一冊。
朝日新書 / 735円 / ISBN 4022731125

■写説 占領と単独講和

前坂俊之(毎日新聞出身)
占領中の昭和24年から、サンフランシスコ講和条約締結(26年)を経て29年まで計6年間の政治、国際状況、経済、社会などの出来事を写真と文章で記録したもの。ちょうど吉田茂首相の6年間の在任期間中で、いま問題となっている米国の押し付け憲法、朝鮮戦争、再軍備、日米安保条約など吉田が戦後日本のフレームを決める重大な決断をしたわけだが、その背景をしっかり解説した。ワンマン総理の歴史的評価を下す通信簿でもある。
ビジネス社 / 1785円 / ISBN 4828412999

■ウェルチの哲学「日本復活」  

長谷川洋三 (日本経済新聞出身)
経済記者として39年。企業を動かすのは人だという確信を得た。その一人が、米GE(ゼネラル・エレクトリック)会長のジャック・ウェルチだった。初めは近づくのが難しかった。日本の記者とのインタビューに興味を示さなかった。何度も手紙を出し、時には体当たり取材を試みた。ウェルチを知る有力者の推薦が糸口となって出会いのチャンスが生まれた。出た記事を見てウェルチが納得した。それから始まった約15年にわたる交流からできたのが本書である。 「ミスターハセガワがカーペットの下からでてくるのではないか」─。そんな冗談がウェルチの口から飛び出したことを聞いて、苦い時代を思い出した。
講談社+α文庫 / 820円 / ISBN 406281059X

■わが終わりにわが始めあり

上下   エリザベス・バード著  大藏雄之助・訳 (TBS出身)
男子の世継ぎがない場合に女王を認めているヨーロッパでも女性の元首は久しく歓迎されなかっ た。プリンセス誕生と聞くと、国王も王妃も国民もみんな嘆いたという。女性の王位継承者に有力な外国の王子を配偶者に迎えれば相手国の影響を受ける。国内の貴族から夫を選べば周辺の嫉妬で王権は安定しない。何よりも女王は妊娠中は行動が制限されるし、出産で死亡することも少なくなかった。エリザベス一世はあえて独身を貫くことによってイングランドを強国に導くことに成功した代わりに、当然直系の子孫はなかった。 当代随一の美女とうたわれたスコットランド女王メリー・スチュアートは恋のままに生きてついに王冠を失い断頭台に消えたが、何とその息子はイングランドの玉座についた。
麗澤大学出版会 / 各2520円 / ISBN 4892055166

■自治基本条例をつくる 「みたか市民の会」がめざしたもの

内仲英輔 (朝日新聞出身)
自治体の憲法といわれる自治基本条例を地元市に制定させる運動に参加した。行政に先駆けて「市民案」を提示して働きかけるというユニークな運動だったが、市民参加を皮相的にしか理解しない行政と、旧態依然たる運営を続ける議会の壁を突き崩せなかった。 そのてん末を反省をこめて記録し、いくつかの問題提起をしたのだが、この際「自治基本条例」というものの入門書を兼ねようと二兎追った試みは成功したかどうか。
自治体研究社 / 1680円 / ISBN 4880374733

■小泉純一郎とは何者だったのか

浅川博忠 (山形新聞客員論説委員)
郵政造反議員の復党は参院選にどのような影響を与えるのか! この問題の根源のすべては小泉前首相の05年8月8日の決断に立脚していることになる。変人と呼称される彼の改革や政治手法・政局運営は安倍首相以降の日本政治に何を残し、どこを変えていくのだろうか。そしてその功罪とは?これらを点検しつつ、内外に難問山積みの政治の進路を模索していく必要もあろう! この視点で前首相と抵抗勢力とは何者だったのかを解明。
講談社文庫 / 500円 / ISBN 4062755777

■コーポレート・コミュニケーション 国際シンポジウム(一九六八─二〇〇四)

八巻 俊雄(日本経済新聞出身) 
コーポレート・コミュニケーションには広告とPRが含まれる。私が最初に参加したコーポレート・コミュニケーションの国際シンポジウムは1968年に、電通PRセンター(現在電通パブリック・リレーションズ)の社長だった故永田久光氏が創立5周年を記念して行ったPRシンポジウムであった。アメリカで最も有名なPR学者ウィスコンシン大学のスコット・M・カトリップ教授が目玉であった。 この後、13の国際会議にスピーカーあるいは司会者として出席した。コーポレート・コミュニケーション関係が7つ、広告関係が5回、マーケティング・コミュニケーション関係が2つである。
プラトー出版 / 2100円

■介護保険の再出発 医療を変える・福祉も変わる 

宮武 剛(毎日新聞出身)
“長寿ニッポン”は、まもなく「大量死の時代」を迎える。年間の死亡者総数は100万人台から160万人台へ跳ね上がっていく。 その死亡場所は病院が82%(一部診療所を含む)、自宅死は13%(03年)。病院に頼るならベッド数を増やすほかないが、政府・厚労省は病院自体を大幅削減しつつある。 私たちはいったい、どこで看取ってもらうのか。それ以前に、どこで最晩年を支えてもらえるのか。現場をあるきながら介護保険の大幅見直しや一連の医療制度改革は、この深刻な問いに答える内容なのか、検証した。
保健同人社 / 2000円 / ISBN 483270317X

■急成長する町 淘汰される町─全市町村の5年後10年後

佐貫利雄
日本の全市町村2、217を成長と衰退の5段階にランキングしたところ、衰退都市が72・4%に達している。とくに東北は89・3%が衰退している。そこでは自殺率が最も高い。 他方、成長都市が多いのは、関東などの大都市地域であるが、そこでは凶悪犯罪比率が高い。この現実を直視するかぎり、経済の論理だけでは解決できない政治の課題があることを見失ってはなるまいと論じている。
大和書房 / 880円 / ISBN 4479300694

■自白の理由 冤罪・幼児殺人事件の真相

里見 繁(毎日放送報道局次長)
幼児殺しの汚名を着て8年の刑期を終え、出所した男は雪冤を誓って再審を申し立てた。当時の恋人が自白しているにもかかわらず、なぜ男は犯人に仕立てられたのか。これまで10本近く冤罪のドキュメンタリー番組を作ってきたが、テレビでは言い足りないこともあり一冊の本にまとめた。「どんなミステリーも冤罪にはかなわない」と言った人がいる。この事件も正しく、事実は小説よりも奇なり、の連続である。
インパクト出版会 / 1785円 / ISBN 4755401682

■裏中国史 墓どろぼうは金持ちへの道

山本展男 (毎日新聞出身)
中国政府は墓泥棒の横行に手を焼いている。中国は昔から厚葬の国である。人知れず眠っている古墓を掘り当てれば、副葬品のお宝が驚きの高値で日本や欧米の愛好家に売り飛ばせる。墓ドロは大昔からいたのだが、人民中国でも1980年代後半から、開放政策に乗じて復活してきた。貴重な文化遺産の流出に政府は頭が痛い。墓泥棒の暗躍は中国史の点景ではあるのだが。深刻だが卑しく、どこか滑稽な墓泥棒…。
講談社 / 1575円 / ISBN 4062131722

■サステナビリティ経営

三橋規宏 (日本経済新聞出身)
最近、サステナビリティ(持続可能性)という言葉が叫ばれるようになった。その理由は現在の地球がサステナビリティを失ってしまったからである。地球は有限な存在だし、生態系が破壊されれば、きれいな空気や水も失われてしまう。未来世代への利益配慮も必要だ。企業が永続するためには以上のようなサステナビリティの視点を経営の中に組み込まなければならない。これからは、社会に必要とされる企業だけが生き残れる。そのためには、明確な企業理念の提示とそれに基づく透明度の高い環境経営の実践が不可欠だ。
講談社 / 2310円 / ISBN 406282034X

■さようなら、みなさん! 鳩山日ソ交渉五十年目の真相 

堀 徹男 (NHK出身)
“領土はなくならないが、シベリア抑留者の生命には限りがある” 半身不随の鳩山一郎首相が河野一郎と共に、「日ソ国交回復交渉」に命を賭した。国交正常化後50周年目に公開された日本側とソビエト側との会談記録を対比させながら、ギリギリの交渉を再現。冷戦時代の中、アメリカからの脅しと自民党内の反対派による党議拘束にあいながらも、拘留者の帰還・国連加盟を果たし、玉虫色扱いに持ち込んだ北方領土問題の原点を抉る。
木本書店 / 1680円 / ISBN 4905689007

■歴史の教師 植村清二

植村鞆音 (テレビ東京出身)
第二の人生は、幼いころからの憧れだった著述業を一本の柱に生きてみようと思った。第一作が、一昨年上梓した伯父の評伝『直木三十五伝』(文藝春秋)。第二作が、このたびの『歴史の教師 植村清二』である。これは、昭和の初めから終わりにかけて、61年の長きにわたり一教師をとおした父の伝記である。ひとりの教師の生き方をとおして、今日の日本をもたらした戦後の教育を考えてもらえば、著者としてそれ以上のことはない。
中央公論新社 / 1890円 / ISBN 4120038114

■戦争指揮官リンカーン─アメリカ大統領の戦争

内田義雄 (NHK出身)
アメリカの「自由と民主主義のための戦争」は南北戦争から始まった。軍事に素人だったリンカーン大統領は、当時の最先端技術であるモールス電信を駆使して将軍達を動かし北軍を勝利に導いた。だが、戦死者62万という凄惨な戦争となった。南軍のリー将軍は語った。「戦争がむごたらしいのはいいことだ。そうでないと、我々アメリカ人は戦争が好きになり過ぎるかもしれない」。アメリカの戦争の原型となった南北戦争をひもとく。
文春新書 / 903円 / ISBN 4166605623

■笑って泣いて歩いて書いた ─女性ジャーナリストの五〇年

金森トシエ (読売新聞出身)
1960年代から80年代にかけて書いた署名原稿を中心に選んでまとめた。結婚・出産退職制、女子若年定年制など労働をはじめ政策参加、福祉、家族などさまざまな領域の女性差別が浮き彫りにされて、一種の女性史といえよう。 同時にサラリーマン家庭の専業主婦の日々に疑問を持ち、大学生に新聞記者にとチャレンジした自身の経歴や写真を加えて個人史ともなっている。
ドメス出版 / 1890円 / ISBN 4810706761

■ワーク・ライフ・バランスの実践─企業事例に見るその手法と実際

久谷與四郎 (読売新聞出身)
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が、経営者の間で一般化し始めている。背景にあるのは底の見えない出生率の落ち込みと、「次世代育成支援対策法」の施行。政府は企業に「家庭生活と両立できるような働かせ方」を求めている。とはいえ、「過労死」や「サービス残業」を国際語にしたわが国のこと、解決法が簡単にあるわけでない。試行錯誤が続いている企業の現場をルポし、その中から他の企業にも実務ヒントとなる情報を探し出して提供した。
日本リーダーズ協会 / 1300円 / ISBN 4890170057

■映画で学ぶおしゃれな英語 

原島一男 (NHK出身)
「英語を話せるようになる一番良い方法は、映画のセリフを覚えることだ」と気がついたのは50年も前のこと。映画には、心に響く言い回しがあちらこちらに出てきます。人生の機微に触れていたり、微妙で繊細な感情が込められていたり。  この本では、「タイタニック」から「ミリオンダラー・ベイビー」まで45本を選んで、それぞれの映画から印象的なフレーズを取り上げました。また、そのフレーズが、ほかの映画ではどう使われているかにも注目し、TPOによって使い方の違いを比べられるようにしました。
NHK出版 / 1260円 / ISBN 4140350733

■反骨の記者 松林冏

堀越作治 (朝日新聞出身)
数ある記者の中でも、これほど波乱に富んだ人がいただろうか。小学校を出るか出ないかで大杉栄に入門、無政府主義を叫んで駒込署にぶち込まれた。 苦学の末、時事新報の記者になるが、「満州事変に出兵するな」という反戦ビラを撒いてクビに。地方紙の通信員としての活躍が見込まれて朝日新聞に拾われるや、二・二六事件などで特ダネを連発。 中国戦線では従軍記者として何度も死線をくぐり、南方でも活躍。 戦後は各地の支局長として後進を育成。今年満102歳を祝った。
東京図書出版会 / 1260円 / ISBN 4862231659

■高松塚古墳は守れるか 

毛利和雄 (NHK解説委員)
地下から現れた飛鳥美人に日本国民は驚嘆した。ところが34年後の今、古墳は解体に追い込まれている。保存修復の過程のどこに問題があったのか探ってみると危機管理の態勢に欠ける霞が関の通弊が浮かび上がってくる。それでは現地で保存する方策はあったのか、保存科学の面から探ってみた。高松塚壁画の保存問題を100年を超える日本の文化財行政の歴史の中に位置づけて論じた。
日本放送出版協会 / 1124円 / ISBN 4140910828

■マスコミ生存の条件 Web2.0が変えるメディア地図

吉村久夫 (日経BP特別参与)
清華大学で「日本のメディア・現状と課題」を6回に分けて講義した。優秀で熱心な学生に教えるために、半世紀近く過ごした日本のメディアの実態をあらためて勉強した。   マスメディアはインターネットの登場によって世界的に歴史的な岐路に立たされている。だが、既存メディアの重要性はむしろ高まっている。情報氾濫のネット社会にあって、マスメディアは今こそ本来の使命を再確認し、高い志を持って、より良質の情報を提供すべき責任がある。
日経BP企画 / 1470円 / ISBN 486130248X

■「青森・東通」と原子力との共栄 

渡部 行 (日本工業新聞出身)
原子力発電が世界的に再評価されているなか、日本で原子力関連施設が集中立地されているのは、青森県下北半島だ。3つの原発、原子燃料のサイクル施設、中間貯蔵、核融合実験施設などが揃い、今や世界一の原子力平和利用センターに発展している。 総投資額は5兆円に達する見込みで、地域振興でも大きな成果を上げている。現地取材を中心に、この雄大な国策プロジェクトをリポート。多くの関係者にもインタビューしている。
東洋経済新報社 / 1890円 / ISBN 4492800751

■ユーラシア観察60年

木村 明生(朝日新聞出身)
19歳で当時の大阪外国語学校(現大阪外大)に入ってロシア語を学んだ私は、その後京大を経て新聞記者になり、さらに大学教授やフリージャーナリストとして、80歳を越えた現在までロシアを中心に広くユーラシア各国を歩き回ってきた。足跡はストックホルムからウラジウォストーク、シンガポールからヤクーツクに及んだ。その体験をまとめて少部数自費出版したのが本書である。初めて書いた裏話がミソだ。幸い近く商業出版の運びになりそうだ。

■権力の病室─大平総理最期の14日間

国正 武重(朝日新聞出身)
1980(昭和55)年、大平正芳首相(当時70歳)が急死してから、今年6月12日の命日で満27年を迎える。現職の首相が死去したのは戦後初めてのことで、国内的にも、国際的にも衝撃を与えた。 本書は、大平首相が80年5月30日深夜、東京・虎の門病院に入院してから死去するまでのドキュメントを軸にまとめたもので「政治と権力」の実相を浮き彫りにした。「器」が小さくなり、人材も「枯渇」した今日の政治状況の対極を意識した。
文藝春秋 / 1750円 / ISBN 4163690808

■人物で綴る労働運動一世紀

山崎 光平(毎日新聞出身)
日本で近代的労働組合運動が始められたのは、1897(明治30)年高野房太郎が労働組合期成会を結成したところからとされる。明治初期から繊維や炭鉱などで労働争議が多発していたが、この会とその指導を受けて結成された東京鐡工組合の運動からであった。期成会は事実上の機関紙として「労働世界」を発行、片山潜がその責任者となった。それから100年、本書はこの1世紀を振り返る壮大な企画で、時々の政治・経済情勢とともに大まかな動きをまとめた「読物」である。
労働問題研究会議 / 21000円 / ISBN 4901426303

■太平洋戦争と新聞

前坂 俊之 (毎日新聞出身)
満州事変から5・15事件、2・26事件、日中戦争、太平洋戦争開戦、そして敗戦に至るいわゆる15年戦争でエポックとなった各事件を『朝日』『毎日』がどう報道、論評したのか、その記事、社説の内容を詳細に分析したのが本書である。日中対立こそが太平洋戦争へ発展していった最も大きな原因であり、今、再び日中間の対立が深まり、コミュニケーションギャップが広がっている時、現役の新聞人に「戦争と新聞」の歴史を知ってもらいたいとの願いをこめて書きました。
講談社学術文庫 / 1313円 / ISBN 4061598171

■クリーンカー・ウォーズ

長谷川洋三(日本経済新聞出身)
なぜトヨタ自動車とホンダは、ハイブリッドカーの開発競争で先行することができたのだろう。環境技術こそが世界制覇のカギを握ることを証明した両社の経営力を多角的に検証したノンフィクション物語。 「すべては米マスキー法への対応策から始まった」。トヨタの張富士夫会長の発言は明快である。米マスキー法に対応できる環境技術の開発に企業生命をかけて取り組んだ両社は、やがて高燃費の自動車の開発力で米ビッグスリーを凌駕し、トヨタの世界最大規模の利益実現につながった。しかし、このまま両社の独走が続くのか。環境技術開発競争は多様化の時代に入っており、各社とも将来をにらんで模索が続いている。突然の技術開発で、トヨタ一強時代が終わる可能性も示唆したおもしろさもある。
中央公論新社 / 1680円 / ISBN 4120038068

■世界中を「南極」にしよう

柴田 鉄治(朝日新聞出身)
昔の取材現場にもう一度立ってみたい。そんな思いから昨年、40年ぶりに南極を再訪した。本書はその再訪記である。最近の南極の様子を詳しく伝えると同時に、国境もなければ軍事基地もない、まさに人類の理想を先取りした地であることを、それを支える南極条約などの背景とともに紹介する。そして、地球と人類の未来のために、世界中を「南極」にしよう、という夢を語り、南極は国境を超えた視点を育てる最高の教材なのだと説く。
集英社新書 / 714円 / ISBN 4087203913

■敗戦六十年の思い出

八巻 俊雄(日本経済新聞出身)
自叙伝・広告の世界へ 
昭和20年2月に米軍は硫黄島を占領し、その後は艦載機グラマンだけでなく、ムスタング戦闘機も飛来した。20年6月19日、都立第十中学校(現在西高)に入学して2カ月後だった。自転車で逃げ出した。第2章は8月に敗戦を知らず、故郷の八ヶ岳山麓まで5日間かけて歩いて帰ったことを書いた。第3章と第4章は日本経済新聞で広告の仕事をするようになった経緯、広告の仕事が誇り高い仕事と思い32年を経過した。
高井戸文庫 / 小冊誌

■なんといってもメルセデス

原島 一男(NHK出身)
ベンツの本当の姿を カール・ベンツが世界ではじめて自動車を発明して120年。1960年代から現在まで新旧5台のメルセデス・ベンツを乗り継ぎ、30万キロを走った経験を元に、シュツットガルト本社/工場を取材した。乗り心地から安全対策までの技術的側面や今後の方向を分析し、年代順の発展史も加えた。このクルマの本当の姿をユーザーの立場から語ってみようという試みだ。
マネジメント社 / 1260円

■新版 国際機関ってどんなところ

原 康(朝日新聞出身)
国際関係論3部作完結 この本は、IT革命下の21世紀はグローバル・ガバナンスの時代と展望し、9・11テロ以後、厳しい国際社会の現実に直面している国際機関の姿をとらえながら、世界の人々が共生していく道を切り開こうと活躍するその役割を実証的に解説したもの。これで旧版、新版、それに『国際関係がわかる本』を合わせて、国際関係論3部作が完成した。 幸い、シリーズ2作目の『国際関係がわかる本』は12刷を重ね、中学、高校、大学の入試問題、予備校の模擬試験問題などに抜粋、採用され、若い世代が世界で活躍してほしいという希望が少しは伝わるのではないかと期待している。
岩波ジュニア新書 / 819円

■ロシア闇の戦争

中澤孝之・監訳(時事通信出身)
アパート爆破事件の真相を追及 昨年11月23日、英国亡命中に毒殺された元ロシア連邦保安庁(FSB)中佐リトヴィネンコらの共著の監訳。99年9月、全ロシアを震撼させた一連のアパート爆破事件(99・9テロ)が起きた。チェチェン人の仕業と断定され、報復の名目で第2次チェチェン戦争が始まり、知名度を上げたプーチンがエリツィン後継大統領に当選した。真犯人は本当にチェチェン人なのか。著者たちは事件の真相追及を試みる。衝撃的な内容だ。ロシアでは発禁処分となった。
光文社 / 1890円

■世界まちづくり事典

井上 繁(日本経済新聞出身)
海外取材のヒントに活用を 世界29カ国、120都市のまちづくりを現地調査し、魅力的なまちをつくる発想と手法をまとめた。そのジャンルは環境共生、景観・まち並み、市民活動、福祉、文化、芸術、都市再生など多岐にわたっている。別項の「この事例から日本は何を学ぶか」では、学ぶ点だけでなく、留意点や反面教師とすべき点にも触れている。キーワードで検索しやすいように、詳細な事項索引と地名索引を付けた。海外取材のヒントに活用していただければ幸いだ。
丸善 / 15750円

■テレビニュースは終わらない

金平 茂紀(TBS報道局長)
他人事にしない試みとして  「あるある問題」以降のテレビに対する風当たりをまともに感じながら、心の片隅で「こんな叩かれ方じゃ何も解決しないよな」と思っていた。つまり、同じメディアの抱える病気から惹起した出来事なのに、まるで他人事のように非難している。そうすれば免罪符を得られるかのような、さもしい心根の持ち主たちがいる。米国で「イラク戦争報道」「大統領選挙報道」に接して考えた。他人事にしないための試みとして本書を上梓した。乞ご意見。
集英社新書 / 714円

■金融NPO

藤井 良広(日本経済新聞出身)
新しいお金の流れをつくる 膨大に膨れ上がった世界の富。グローバル金融は、そうしたお金を市場を通じて、“適正配分”するはずだが、現実はどうか。銀行を利用できる人は、世界人口の3分の1しかいない。本書は、お金を必要とするところに流すためには、人間の知恵と行動が不可欠であることを、内外の金融NPOの活動を通じて紹介している。欲望が原動力となる営利の金融システムとは別に、人間の創造力を基盤とする「非営利金融」の世界を提示する。
岩波新書 / 819円

■2011年7月24日─テレビが突然消える日

岡村 黎明(朝日放送出身)
地デジ問題からテレビを考える  家庭のアナログ受像機がデジタルに転換をせまられるまで4年を大きく切った。行政や局ではなく視聴者の視点からみると、とり残される“弱者”の姿が浮かび上がる。 期日のPRだけでは無為無策に等しい。ハードルが高い日本特有の状況にメス。  総務省、
菅大臣(当時)、審議会の反応は、5000円のチューナー、無料配布、日本方式を南米へなど。
個別の対応も重要だが、テレビをどう考えるかだ。ご意見を乞いたい。
朝日新書 / 777円

■この国の姿─藤原作弥のマルチ・エッセイ

藤原 作弥(時事通信出身)
三角形の視座からの日本のアイデンティティー  私にとっては15冊目の著作だが、45年間にわたるジャーナリスト生活の“卒論”的な成果物でもある。私の場合、“満州体験”が人間形成の原点となっており、昭和史に関するノンフィクションも何冊か書いてきた。さらに特派員としてのアメリカ体験も長かった。そうしたバックグラウンドから常に日中関係と日米関係を主軸とした三角形の視座で「世界の中の日本」を考えてきた。その視座で「日本および日本人」のアイデンティティーをテーマにまとめたのが本書である。
愛育社 / 2415円

■つながる日本海─新しい環日本海文明圏を築くために

武藤 誠(朝日新聞出身)
先人が築いてきた智慧 「表裏一体」というとき、表も裏も同じ価値をもっている。 日本には表と裏があり、裏は暗く劣っているといった使われ方がされた時代が、つい最近まであった。 でもそれは、数千年つづいた日本海をはさんだ大陸や朝鮮半島との豊かな交流の歴史からみると、ほんの一瞬に過ぎない。 日本の風土や日本人とは? 目から鱗の物の見方や先人が築いてきたさまざまな智慧に興味のある方には、お奨めだ。
現代企画室 / 2、625円

■英国王室の女性学

渡辺みどり(日本テレビ出身)
男性にこそ一読を 史上初、チャールズ皇太子の後妻に納まったカミラ夫人。特技は皇太子が一目惚れしたという「馬あしらい」。世論の逆風を受けながら30年に渡る不倫を続け、次期国王の妻の座を射止めた。この不倫関係に悩み苦しみ続けたダイアナ妃。彼女は王室と国民に2人の後継者を与えた。ダイアナ妃の悲劇は本気で夫である皇太子を愛してしまったことから始まる。見て見ないふりができず、カミラ夫人に敗れたダイアナ妃。 一方、初恋を貫き今秋ダイヤモンド婚を迎える、現エリザベス二世女王陛下。産業革命の時代に麻酔で出産、9児の母として育児室を持ったヴィクトリア女王。古くは「女王の時代は栄える」を体現したエリザベス一世。妃たちは500余年の英国王室を血のリレーで継承してきた。血統を守る義務とプレッシャー、夫の不倫を見て見ぬふりする度量、死と隣り合わせの出産。男性にこそ一読をお薦めしたい。
朝日新書 / 756円

■晩年長寿の達人たちー生涯現役の秘訣

前坂 俊之(毎日新聞出身)
歴史的な偉人、達人の知恵 日本は世界一の“超高齢社会”で、いまや誰もが人生80年以上を謳歌する時代。明治以来、90、100歳以上の健康長寿を保ち、生涯現役で最後まで活躍した歴史的な偉人、達人80人をリストアップし、その精神力、創造力、健康法、食生活などに迫ったものです。佐藤一斎の『言志晩録』に「壮にして学べば、則ち老ゆとも衰へず。老いて学べば、則ち死すとも朽ちず」とある。日本人の遺産とも言うべきこうした達人・超人の知恵、教えから大いに学び、目指せ!元気な『セントナリアン』(百寿者)です。
別冊歴史読本 / 1680円

■メディア・イノベーションの衝撃 ─爆発するパーソナル・コンテンツと溶解する新聞型ビジネス

橋場 義之(毎日新聞出身)
近未来のジャーナリズムのヒント ブログ、掲示板、SNS、WEB2.0…技術もシステムも実態も分からないことが多すぎるネットの世界。しかし、そこで情報を発信し、仕事をし、楽しんでいる人たちは、われら旧マス・メディアを「マスゴミ」とあざけり、不信感を露骨に表す。「敵(?)を知り、己を知れば…」。そんな気持ちから、彼らに参加してもらって始めた約1年の連続討論会の記録をまとめました。すぐそこに来ている近未来のジャーナリズムを考えるヒントがみつかるはずです。
日本評論社 / 2835円

■私の後藤田正晴─57人の証言

栗原 猛(共同通信出身)
「ちょっと待てよ」が大事だ 後藤田正晴元副総理といえば、「護憲と平和」「権力の自制」などを説いたことで知られるが、晩年はよく「日本人は付和雷同しやすいところがあるから、『ちょっと待てよ』という勇気が大事だ」と言っていた。政治家や財界人が若手将校や右翼の活動家に次々に暗殺され、軍国主義に流れていく時代に中学、高校時代を送ったことがバックボーンになっている。 中曽根康弘、村山富市,佐々淳行、加藤紘一、ジェラルド・カーティス氏ら57人が後藤田論を寄せており、現代史の生きた資料でもある。 編纂委員は北原健児、瀬下英雄、福家康宣の各氏と私。
講談社 / 1890円

■平和構築の仕事──フィンランド前大統領アハティサーリとアチェ和平交渉

脇阪 紀行・訳 (朝日新聞論説委員)
和平交渉と武装解除の舞台裏 インドネシア・アチェ紛争をめぐる和平交渉が05年に終結し、約30年ぶりの平和が訪れた。独立派ゲリラと政府との交渉を仲介したのは、フィンランド前大統領アハティサーリ氏だった。なぜ、北欧の政治家が調停に成功したのか。日本は役割を果たせなかったのか。和平交渉と武装解除の舞台裏を描いたフィンランド人記者カトゥリ・メリカリオの著書を翻訳し、そんな疑問が氷解した。理屈ばかりの平和構築論はうんざり、という方に一読をお薦めしたい。
明石書店 / 2940円

■日本の選択のモデルへ

小島 明 (日本経済新聞社顧問)
21世紀新たな成長への課題 日本がバブル景気崩壊後の経済停滞のなかで内向き指向になって「眠っている間」に、世界は地経学、地政学的に歴史的なパラダイムシフトをした。まず、ようやく長期不況から脱して目覚めた日本のグローバル化する世界における立ち位置を確認し、21世紀の日本の新たな発展・成長への課題を点検する。同時に、日本が様々な制約要因を発展・成長要因に転換させてきた歴史の教訓を確認する。そこから「適者」のモデルが浮かび上る。
NTT出版 / 2310円

■中国デスク日記

藤村 幸義 (日本経済新聞出身)
中国の悪戦苦闘ぶりを観察 中国が今後どうなるか、いまほど見方の分かれている時はありません。いま求められているのは、先入観を交えずに中国で起きている様々な出来事をあるがままにとらえ、分析していくことではないでしょうか。 そのための材料集めを兼ねて、「中国デスク日記」を書き始めました。かつて共同通信の記者が「デスク日記」を何年にもわたってまとめていたのを思い出して、ちょっとまねてみる気になりました。気が付いてみたら、5年間(2002年~2006年)も書き続けていました。この時期の中国は、高成長の半面、様々な問題が噴出して対策に追われた時期でもあります。悩める中国の悪戦苦闘ぶりをじっくりとご覧いただけると思います。
桜美林大学北東アジア総合研究所 / 3150円

■世界を不幸にする原爆カード ヒロシマ・ナガサキが歴史を変えた

金子 敦郎  (共同通信出身)
原爆の真実に迫る 原爆投下は人類史上、最大(悪)の出来事なのに、その「真実」はあまりにも知られないできた。トルーマンは最高機密のヴェールをかぶせ、徹底的に隠ぺいを図った。日本側でも、原爆で「一億玉砕」を免れたとの思いが「寛容」を生んだ。 だが、少数の歴史家やジャーナリストの執念が、隠された資料を掘り起こし、つなぎあわせ、半世紀かけて真実を引き出した。広島・長崎に始まる愚かな「原爆カード」が今も世界を危機にさらしている。
明石書店 / 1890円

■読み直そうルソーの「自然」 ─J.-J.ルソーにおける自然界とその思想─

荒井 宏祐 (NHK出身)
ルソー研究に新しい光を 18世紀ルソーは環境問題の進行を告発し、環境倫理を説いた。彼の教育論は現代の環境教育の、文学は環境文学の主張と重なる。ルソーの環境思想は、フランス啓蒙思想が環境思想を含みつつあったことを告げている。彼の自然界観を読み直すことを通じて、ルソー研究に新しい光を当ててみたい。中央公論3月号に紹介広告掲載。
中央公論事業出版 / 3780円

■地球温暖化問題と森林行政の転換 

滑志田 隆 毎日新聞人口問題調査会
行政の針路を森林にとれ! 21世紀は環境の世紀。地球規模の環境破壊に私たちはどのように対処すべきか。将来世代に大きなダメージを与える地球温暖化防止の決定打は、石油などの化石燃料への過剰依存から脱却することです。それと並行してCO2を吸収する森林保全の国際ネットワークを編成することが求められます。 国際的に森林の重要性が叫ばれるとき、日本の現状はどうか。手入れを怠って荒れ放題の森が増えています。人が森にかかわり、生態系を守っていくはずの林業はいまや崩壊の危機。行政の針路を森林にとれ! 温暖化問題を契機として森林保全の重要性を再認識し、林業を再興し、自然との共生を実現しようと訴えます。
論創社 / 3990円

■追いやられる日本

潮田 道夫 毎日新聞論説委員長
日本の存在感の希薄さ 毎日新聞の隔週日曜日、経済面に「千波万波」というコラムを書いている。そのコラムを再録し、若干加筆してできた本である。 社説を仕事にしているから、コラムは逆に「お説教をしない」よう心がけている。ネタの鮮度と切り口で読み手を飽きさせない。それが理想だが、うまくいきませんね。 雑多な話がつまっているが、普段、日本の存在感の希薄さが気になっている。書名にそういう問題意識を反映させてみた。
毎日新聞社 / 1575円

■いろんな英語をリスニング 「英語のなまり」に強くなろう!! 

ジョセフ・コールマン (AP通信社東京支局長)
個性に富んだ実践的な英語を 記者がインタビューをするときは、相手は有名人か、何か面白い情報を持っているか、あるいは非常に特殊な何かを目撃したかのいずれかだ。 この本の場合はそうではなかった。相手は誰でもいいし、何を話してくれても結構。条件は「英語を話すこと」だけ。 ただ書く中で、ジャーナリストがときとして忘れがちなことを発見した。普通の人は誰でも面白い話題を持っているということだ。会計士であれ、エンジニアであれ、高校生であれ、である。 トムはコロラドの牧場で初めて自分の馬を捕まえたときの話をしたし、キャロリンはスコットランドの伝統を、サブヘンドゥはインドで行方不明になった家族のことを話してくれた──。 また、日本で英語を学ぶ学生ならほっとするようなことも発見した。いわゆる「ネイティブ」もしょっちゅう文法的な間違いをするということである。
研究社 / 1、890円

■狐と狸と大統領~ロシアを見る目~

小林 和男 (NHK出身)
名探偵ポアロの気持ちでロシアを考える このところロシアは怖いひどい国ですねとよく言われる。プーチン独裁はもう定着した言葉だし、多くの人はプーチンが批判派の殺人の元凶だと考えている。その大統領がなぜ8年間も70%を超える国民の支持を得ているのだろう。 ロシア人の目は節穴か。名探偵ポアロの気持ちでロシアの「?」を考えたのが本になりました。売りは「ユニークな男たちがロシアを揺るがした。ゴルバチョフは変革を、エリツィンは混乱を。そしてプーチンは…?」。  『エルミタージュの緞帳』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した著者がプーチン時代と次のロシアを複眼で見
る。 目から鱗のジャーナリスティック・エッセイです。
日本放送出版協会 / 1、470円

■ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」 

伊藤 章治 (中日新聞出身)
歴史の転機の隠れた主役を追って 日本の公害の原点・足尾鉱毒事件を調べていて、北海道に集団移住した鉱毒被害民がジャガイモで生命をつないだことを知った。さらに調べていくと、次々と興味深い事実が浮かんできた。フランス革命、産業革命、戦争と飢饉、北海道開拓、ソ連(当時)の保守派のクーデターなど歴史の転機でいつも、ジャガイモは隠れた主役を演じていたのだった。
  そんなジャガイモの歴史を追って国内外を旅し、近代民衆史にたどりついた。本書はその旅の報告である。
中公新書 / 882円

■世界広告行脚 

八巻俊雄 (日本経済新聞出身) 
世界50カ国の広告事情 世界50カ国の広告事情を探る。広告の仕事を始めて50年。当初、広告の仕事に科学は乏しかった。そこで、経済の先進国アメリカに習うことから始めた。こうして広告の科学化がやがて経済産業省から関心を呼び、広告の経済効果を証明してほしいということになった。5年ほど、世界の広告データを収集し分析するうちに、直接これらの国々の広告事情を見てこようと思った。こうして1990年から世界の広告行脚が始まった。本書では世界50ヵ国、100都市を訪問、30カ所で講演する機会を得たことをまとめた。
高井戸文庫 / 小冊誌

■頭にちょっと風穴を ─洗練された日本人になるために─

廣淵升彦 (テレビ朝日出身) 
ユーモアと食を通して世界が見える 「アイスクリームは民主主義の象徴」「砂のまじったオマーンのカレーには現代のすべてが凝縮されている」「冷戦の時代、部屋に仕掛けられた盗聴器を取り外すためにカーペットを安全カミソリで切っていったBBCモスクワ特派員を待っていたものは?」など、意外性のある具体例がいっぱい。食べ物とユーモアで、世界の今を浮かび上がらせようという野心的な試みのつもり。   「カダフィが老通訳の額の汗を拭った話」などの現地リポートも。
新潮社 / 1365円

■事故と災害の歴史館  ─“あの時”から何を学ぶか─

久谷與四郎(読売新聞出身)
労災の現場を検証 駆け出し記者のころ、労働災害現場の取材を何度もした。そのたびに思ったことは、「死ぬのは何時も底辺の労働者…」ということ。そんな思いもあって、現役時代に経験したり、発生した労働災害の現場をもう一度歩いて、今度は労働専門記者として検証してみた。災害が起きた時代背景とともに、トップの怠慢、イベントを意識しての無理、効率を優先した安全無視等々、様々な姿があらためて見えてきた。「人間はなんて想像力の乏しいことか」。書き終わっての感想だ。それでも、過去の経験から学び、少しずつでも進歩していくしかない。
中央労働災害防止協会 / 945円

■キャラバン・サライのロシア─歴史・民族・地政学 上・下

植田樹( NHK出身)
ロシア民族問題の深層 ソ連体制下でタブー視されてきたロシアの民族問題と民族精神の深層を源流にさかのぼって真正面から書いた。ロシアは西(ヨーロッパ)なのか、東(アジア)なのか、ロシアは今も東西世界の間で揺れ続けている。ユーラシア大草原の中で、タタールの頚木、スラブ対ゲルマンの宿命の対決、聖なるロシア、ロシア革命とユダヤ人、甦るロシアなど。ロシアはなぜ“普通の国”にならないか─ロシアの現在を理解し未来を読む鳥瞰の書。
東洋書店 / 上下巻 各1、890円

■小沢一郎 独走す 

浅川博忠 (山形新聞客員論説委員・東京駐在)
政界生活39年の総決算 民主党内の8割の賛成を無視してかたくなに渡辺日銀副総裁案に反対した小沢一郎。以前から彼に対する評価は“改革者”と“壊し屋”に二分されている。彼も今年で66歳。短期決戦での大勝負を強いられるに至った。そこで小沢本人へのインタビューを含めて、彼の心情や軌跡を再点検してみたり、恩師・田中角栄との比較論も加えてみた。総選挙前後の政界再編の予測が高まる昨今、小沢は何を目指しつつ、どのような独走ぶりを示すのか…。
東洋経済新報社 / 1、470円

■「中国問題」の内幕  

清水美和 (東京・中日新聞論説委員)
中国共産党政策決定の内情 8月の北京五輪開幕を控え、チベット騒乱やギョーザ事件で再び中国に注目が集まる。しかし、共産党最高指導部の意思決定の内情は、うかがいしれない。昨秋の党大会人事で、胡錦濤総書記の後継本命候補とみられていた李克強が、なぜ習近平の後塵を拝することになったか。靖国問題で強硬だった中国の対日姿勢が突然変化した理由は。 波乱に富んだ政策決定の内情を公式報道や、ニュースソースなどからの情報を基に明らかにすることを試みた。今後の中国情勢の展開で本書の真価は問われるだろう。
ちくま新書 / 777円

■宗教に揺れる国際関係─米国キリスト教の功と罪   米キリスト教界の地殻変動

時事通信出身 蓮見 博昭
米キリスト教界の地殻変動 アメリカが他の諸国にとって非常に付き合いづらい国になり、世界各方面で反米主義が高まってきた背景には、アメリカ・キリスト教界の地殻変動があるというのが本書の核心。 かつてのアメリカではリベラルなプロテスタント主流各派が文字通り主流だったが、1970年代ころからキリスト教原理主義者を中心とする超保守的なプロテスタント福音派が主導権を握ってしまった。 この国が国連嫌いになったことなど、多くの事情はその結果にほかならない。
日本評論社 / 2、415円

■イランの核問題

NHK出身 早良 哲夫(訳)
平和目的か軍事目的か 世界は核拡散の時代に入った。核技術の軍事利用は平和利用の延長線上にあり、転用は容易だという。イランが平和目的の核開発だと主張するならば、なぜ国際機関の査察を拒否したり開発の実態を隠そうとしたりするのだろうか。イスラム革命をテヘランで直接取材した訳者としては、イランの動きに無関心ではいられない。本書は、核をめぐるイランと国際社会の動きを、アメリカとは違う視点に立って簡潔かつ明確にまとめている。
集英社新書 / 735円

■占領期の朝日新聞と戦争責任─村山長挙と緒方竹虎

朝日新聞出身 今西 光男
「新聞の内幕」を徹底検証 敗戦による占領統制で、いまの新聞・放送の枠組みが決まった。GHQの支配下、新聞社内ではその覇権をかけて、「資本」、「経営」、「組合」による三つ巴の激しい攻防があった。公職追放、読売争議、レッドパージ、そして共販解体・再販導入までの激動期を徹底検証し
た。 「新聞の危機」がいわれるいまこそ、新聞経営者はもちろん、第一線の記者にも、是非とも読んでほしい。
朝日新聞出版 / 1、470円

■アラブはなぜユダヤを嫌うのか─中東イスラム世界の反ユダヤ主義

藤原 和彦(読売新聞出身)
中東の反ユダヤ主義 本書では、中東イスラム世界に広がる反ユダヤ主義(アンチ・セミティズム)の実態を幾つかの視点から紹介した。また、ユダヤ人国家イスラエルを絶対に認めない同主義は再三の軍事衝突に煽られ、今や中東の支配的なイデオロギーになった観がある。 しかし、日本のマスメディアは宗教アレルギーのせいか、その有り様をほとんど伝えない。このため、実は反ユダヤ主義こそ中東和平プロセスの最大の障害という事実も、見落とされがちだ。
ミルトス / 1、470円

■宗教が分かれば中国が分かる

清水 勝彦 朝日新聞ジャーナリスト学校シニア研究員
中国現代宗教を解説  『中国年鑑』で10数年来、その年の中国の宗教動向の執筆を続け、あまり関心のもたれないこの分野から中国をウオッチする珍しいジャーナリストになった。その立場から今回のチベット騒乱を見ると、民族問題と表裏一体である宗教問題や政府の宗教政策に対する基本的な理解がないと、ことの本質がなかなかつかめないことを痛感させられる。イスラム教徒のウイグル人独立問題も、いまだ関係正常化が実現しないバチカン問題もある。中国の全体像を理解する一助になればと、中国現代宗教のAからZまで解説した。
創土社 / 1、785円

■組織ジャーナリズムの敗北─続・NHKと朝日新聞

共著 柴田 鉄治(朝日新聞出身) 川﨑 泰資(NHK出身) 
事件をOBが再検証 2005年1月、突然始まったNHKと朝日新聞の『大喧嘩』は、その後どうなったのか。NHKは、内部告発者の訴えもにぎりつぶして謝罪など一切なし。一方、朝日新聞は、基本的には間違っていない記事なのに「取材の詰めが甘かった」と謝って別件で社内処分も。なんとも不可解な対応だが、両者ともジャーナリズムより「組織」を守ろうとしてのことらしい。 日本を代表するメディアのこの劣化ぶりはどうしたことか。この事件を両社のOBが検証しなおしたのが本書である。
岩波書店 / 1、890円

■憲法改正試案集

井芹 浩文(共同通信出身)
「改正案」を平易に解説 憲法改正という大舞台で、大向こうをうならせる、新たな名せりふを吐こうという気はない。既に各方面の識者が十二分に考究し尽くした試案を発表しているからだ。本書のヒントは、現憲法を分かりやすく解説した東京新聞の連載記事。憲法改正案についても平易に解説して国民が身近に憲法改正問題を考える参考資料になればという思いで書いた。蛇足。改憲案全部を見ての所感は、戦後日本の原理をひっくり返すような革命的な改憲案はないという単純な事実である。
集英社新書 / 777円

■世界遺産と地域再生 問われるまちづくり 

毛利 和雄 NHK解説委員室専門委員
世界遺産とまちづくりを取材 世界遺産が全国的にブームだ。その背景には、世界遺産によって地域を再生させたいという切なる願いがある。  昨年逆転登録で世界遺産になった「石見銀山」、今年登録をめざす「平泉」、試行錯誤のまちづくりをつづける「尾道」、道路建設が景観を破壊し世界遺産への道を閉ざすとして訴訟が起こっている「鞆の浦」を取材し、世界遺産へ向けてなされている取り組みと、それがこれからの“まちづくり”にどのようにかかわるのか考察した。
新泉社 / 1、890円

■水俣から、未来へ

熊本日日新聞社編  高峰 武 熊本日日新聞社論説委員長
水俣病の「これまで」と「これから」 1956年に公式確認された水俣病は、今なお未解決の問題として私たちの目前にある。熊本日日新聞社は、世界的にも例をみない環境破壊、健康被害である水俣病問題の地元紙として、長年向き合ってきた。水俣病は多面体で、見る人の立場と角度によって、さまざまな姿をみせる。それは、私たちがこの事件から何を読み取るかという力が試されていることも意味している。 「これまで」の水俣で何があったのかを刻み、「これから」のために何を学ぶかを探る。胎児性患者を「宝子」と呼び慈しむ人がいる。逃げずにただただ向き合い続ける医者がいる。本書は、未来への希望の種がこういう人たちの中にあることを示す。
岩波書店 / 2、520円

■天下りシステム崩壊─「官僚内閣制」の終焉

屋山 太郎 (時事通信出身)
官僚制の改革を キャリア官僚の平均退職年齢は55・8歳である。これを処遇するために無用の天下りポストが創られる。06年の天下り法人は4600。ここに28000人が天下り。そこに流される補助金、助成金は12兆6000億円だ。キャリア制度を止め、全員定員まで在籍できるシステムにするのが今回の公務員制度改革基本法の狙いだ。いかに無駄な金が使われていたか。改革をやらなければ日本の国が駄目になる、という思いでこの書を書いた。
海竜社 / 1、680円

■風天 渥美清のうた 

森 英介 (毎日新聞出身)
寅さんは詩人だった 映画「男はつらいよ」シリーズの人気俳優渥美清が「風天」の俳号で人知れず楽しんでいた「俳句人生」を辿った初めての書。俳句は心の日記とも五七五の私小説とも言われる。往年の人気雑誌「話の特集」や朝日の「アエラ」句会など4つの句会で詠んだ218句には、がんと闘いながらフーテンの寅を演じ続けていた渥美清の孤独な素顔がくっきりと刻まれている。
  この8月は彼の13回忌。山田洋次、小沢昭一、和田誠、早坂暁、矢崎泰久など名だたる関係者の証言ルポと全句解説で蘇る渥美清の「最後の贈り物」。
大空出版 / 1、800円

■私は世界一素晴らしい第二の人生を送った─玉生道経 画家に転身した元官僚

早房 長治 (朝日新聞出身)
元法務官僚の第二の人生 ジャーナリストは人と会う仕事である。私も約50年間で5万人近い人と会った。その中には、無名だが、世の中に尽くした人、私を教え導いてくれた人もいる。そういう人を何人か、書いてみたくなった。玉生道経氏は法務官僚として「仮面の人生」を送った。定年を迎えて、絵画への情熱が爆発する。描きまくり、絵のためなら、他人に迷惑をかけることも厭わなかった。そういう人生があってもいいのではないか。
彩流社 / 2、100円

■38度線・非武装地帯をあるく 

小田川 興 (朝日新聞出身)
「非戦平和」の願い込めて 最後の「冷戦の現場」は苛酷な歴史と地政学が交錯し、「矛盾」のマグマはなお熱い。だが、いまそこで「雪どけ」を肌で感じる。金剛山、開城での北朝鮮ガイドとの会話。弾痕に覆われた労働党舎跡に育つ「統一の樹」。一方で離散家族の慟哭はやまない。植民地支配から分断に至る隣国と日本の「痛史」を思うと、ガラス細工のような南北和解を結実させるプロセスに日本の参加が欠かせない。在韓被爆者問題を契機に朝鮮半島を取材して40年。何よりも国家でなく「民草」の絆が平和の源泉だと思う。
高文研 / 1、680円

■主役なき世界─グローバル連鎖危機とさまよう日本

岡部 直明 (日本経済新聞専務執行役員主幹)
多極化する世界と日本の針路 グローバル経済は米国のサブプライム問題を震源に戦後最悪の危機に直面する。それはドル不信を招き原油高騰、食料危機に波及する。環境危機は深刻化し、核拡散の不安も消えない。連鎖する危機のなかで米国一極時代は終わりを告げる。 大欧州の台頭と中国など新興国の発展は多極化時代を裏付ける。そのなかで、日本は改革を先送りし地盤沈下を続ける。「主役なき世界」にあって、日本の針路を示す。日経コラム「核心」を中心に再構成した。
日本経済新聞出版社 / 1、995円

■科学技術記者クラブ名鑑

(財)新技術振興渡辺記念会発行
省庁再編で2001年(平成13)1月に科学技術庁と文部省が「文部科学省」になると同時に、「科学技術記者クラブ」は45年間の幕を閉じた。科技庁が発足した1956年(昭和31)5月当初、記者クラブは「原子力記者会」といい、首相官邸の中にあった。「科学技術庁記者クラブ」と称したのは翌年、通称“馬小屋”と言われる科技庁だった。以来、記者クラブ員は述べ約1100人にもなる。そのような科学技術記者の足跡を残した「記者クラブ名簿」が出てきたが、貴重な資料である。どんな方がクラブの歴史を築いてきたかが分かる、というので何らかの形で残したいと思った。 個人情報やプライバシーのわずらわしい時代だが、単なる名簿である。思い出話も加えて大げさだが「名鑑」とした。各社に記者への配布方を協力してもらう予定だ。浅井 恒雄(日経出身)
非売品

■百寿者百話─生き方上手の生活法

前坂俊之(毎日新聞出身)
90・100歳生涯現役の秘訣を解明 日本を代表する健康長寿・生涯現役の達人たち70人の生き方、創造力の秘訣を名言百語にまとめたもの。平櫛田中(107)、大西良慶(107)、小倉遊亀(105)、三浦敬三(102)、瀬島龍三(95)、山本玄峰(95)、徳富蘇峰(94)、松下幸之助(94)と多士済々の不老長寿の天才たちです。粗食・腹7分、食わなければ創造的な長生きができる。また、高齢になるほど体力・筋力が大切という健康訓、それ以上に気力・精神力・持続力こそ天寿の秘訣という生活習慣など、高齢社会の真っただ中にいるわれわれには元気のでる指針です。
海竜社 / 1500円

■凛として潔く   桑野美栄子の生き方  

武藤 誠 (朝日新聞出身)
波乱万丈の生涯 激動の昭和とともに、波乱万丈の人生を生き抜いた女性に出会った。嬰児で捨てられた一人息子の母への思いが、一冊の本を産んだ。 取材をしながら、残すべき記録にはぎりぎりの期限があることを思い知らされた。 また巻末の発起人名簿は、一枚で時代を物語っている。安保闘争の頃には、大学教授、作家、侍従長、裁判官、編集者、新聞記者らが、新宿の一つの飲み屋に集まって侃々諤々 の議論を繰り広げていたのだと。
自費出版

■アフリカ・レポート ─壊れる国、生きる人々

松本 仁一 (朝日新聞出身)
アフリカ政府の批判を事例で報告 「独立の時代」から半世紀がたつのに、アフリカが貧しいのはなぜか。それは指導者が人々を食い物にしているからだ。これまでタブーだったアフリカ政府批判を、本書は具体的な事例をあげながら報告する。すぐれた農業力を、自らつぶしたジンバブエのムガベ政権。貴重な石油資源を中国に売り渡して平気なアンゴラ政府、スーダン政府……。その結果、食えなくなった国民は母国を捨て、世界に散っていく。ロンドンへ、パリへ、そして東京の歌舞伎町へ。
岩波新書 / 735円

■反米主義  

近藤 健 (毎日新聞出身)
ブッシュ政権を超えて まっとうなアメリカ批判を反米主義ときめつけるレッテル貼り、無分別なアメリカ・バッシングという反米主義が流行している。この両方に牽制球を投げる意図で書いた。 反米主義と反米感情は同じではない。アメリカニズムに反対するという本来の意味での反米主義の内実とはなにか、現在の反米現象の源であるブッシュ政権を超えて考えてみた。結論的にいえば、それは資本主義システムのなかでよりましな資本主義を模索する自分探しであるというのが、私の解釈である。
講談社現代新書 / 777円

■地球の風 港のバラード101日  

宇咲 冬男 (産経新聞ウエーブ産経幹事)
赤道や銀河は海へなだれ込み
虫聴くや戦車の墓場見て来し夜

俳句と連句の普及で西欧の主要国のメインは巡った。一昨年、安い船で地球一周の船旅の話が舞い込んだ。千載一遇のチャンスだった。101日間、19の寄港地で23カ国の裏街道が歩けた。地元民との交流、船の仲間のシニア、ヤングのへだてない友情。ドラマがあった。記者の目に戻った。「SANKEI EXPRESS」にコラム風紀行を半年連載。それが目に止まり文芸社から『地球の風』が出版された。紀行文であってそうでない文。本名・小久保誠
文芸社 / 1、470円

■惜別 仕事人生  

大倉 文雄 (朝日新聞出身)
正史に残らない記録 朝日新聞東京本社の有楽町から築地への移転、マリオン建設、六本木ヒルズ再開発の秘話。新聞記者としてスタートしテレビ朝日、静岡朝日テレビと移った48年間の「仕事人生」をまとめた。 南極観測やアフリカのチンパンジー調査を取材し、テレビ事業ではブロードウェー・ミュージカルでトニー賞を取り、地方テレビ局の経営。そしてデジタル化の放送政策に携わった18年間の記録。学生時代から憧れた中国の大自然と文化遺産を訪ねた旅行記を加えた。
近代文芸社 / 上巻 2、625円   下巻 2、415円

■追跡・アメリカの思想家たち  

会田 弘継 (共同通信編集委員)
近代性と格闘した11人に焦点 現場ジャーナリストが思想を語るとこうなる。そんな本です。学者が書く概論とは違います。思想が生まれる裏の思想家や家族たちのつぶやきにも触れながら、近代国家アメリカの中でその「近代性」と格闘してきた11人に焦点を当てました。 多くは日本では知られなかったが、重要な意味を持つ思想家たちです。エピローグは自信作。漱石の『こころ』の翻訳が生まれた背景にあったアメリカ思想史のドラマ。F・A・ハイエクはなぜ『こころ』に魂を揺さぶられたのか。ぜひ、ご一読を。
新潮選書 / 1、155円

■西太后とフランス帰りの通訳

渡辺みどり(日本テレビ放送網出身)
西太后の素顔を浮き彫りに 西太后が逝って100年になる。20世紀初頭、外交官令嬢として西欧で近代的な教育を受けた帰国子女、裕徳齢は英・仏、堪能な語学力を駆使、通訳兼女官長として西太后に仕え寵愛される。日清戦争、義和団事件に相次いで敗れ、滅亡寸前の清朝宮廷にあって若い徳齢が体験した祖国での異文化ショックの数々。その中から知られざる西太后の素顔を浮き彫りにする。徳齢はアメリカ外交官と結婚。1944年カナダで交通事故で逝った。
朝日文庫 / 693円

■新 現場からみた新聞学

天野勝文・橋場義之編著    橋場義之(毎日新聞出身)
新聞の課題を4つの側面から  『現場からみたマスコミ学』シリーズのひとつで、6年ぶり3回目の全面改稿版。15人の筆者は、新聞記者出身の研究者や大学で教鞭をとっている現役の新聞記者が中心。現場での新聞ジャーナリズムの実践経験を踏まえた論考が特徴だ。今回は21世紀に入ってインターネットや携帯電話が急ピッチで進化する中、「取材と報道」「言論の役割」「新聞産業の変容」「読者の目」の4つの側面から現代日本の新聞が抱えているさまざまな課題を多角的に取り上げ、
<新聞>の役割を改めて捉え直している。
学文社 / 2730円

■シンプル英語で話す 映画に学ぶ上品な88フレーズ 

原島 一男(NHK出身)
シンプルな88の日常表現を紹介 これから英会話を学ぼうとする人たち、あるいは自らの英語を見直そうとする人たちに向けて、日常の表現をシンプルにした88のフレーズを紹介します。
  「よろしくお願いします」(Nice to meet you.)、「念のために」(just in case…)、「そんな余裕はありません」(I can’t afford it.)、など。どれも、これも、どこに出しても通用する上品な表現です。そうした表現が“言葉の宝庫”といわれる新旧の映画の中で、どのように使われているか、も実例として示してあります。映画にでてくるフレーズは,監督やシナリオライターが効果的なシーンを作るために選び抜いた表現です。きっと、お役に立つと思います。
荒地出版社 / 1、470円

■地球をかけめぐる 

堀越 作治(朝日新聞出身)
とびきり珍しい旅の記録 未知のものに対する好奇心が人一倍強く、地球儀とにらめっこしつつ世界をかけまわっているうちに、いつの間にか未踏の地域が少なくなってきた。もちろん、広い地球を隅なく踏破することなど夢物語だが、これまでまわった旅の記録だけでも優に数巻の大冊になる。そのうち、とびきり珍しい体験だけを選んだのが、本書である。 女人禁制の島、古寺巡礼、名城めぐり、今様「出世払い」の珍談。はてはアジアから北欧、西欧、東欧とソ連、中東、南北アメリカ大陸とアフリカの雄大な自然、人情の機微等。写真つきで楽しみながら、裏側の貧困、飢餓、温暖化にも光を当て
る。
東京図書出版会 / 1、365円

■炎の森へ 

砂原 和雄(産経新聞出身)
陶芸家目指した元銀行マンの物語 「小説の使命は、『人間の證巻』と『文明批評』とにある」(佐藤春夫)といいます。この小説は、10年前、まさかの自行の破綻を機に、「充実した人生を─」と、陶芸家を目指し、夢を実現した中年夫婦の物語で、充実した人生を目指す人への応援歌です。街の書店で、初めて読んだ小説雑誌を手に、作者に会ってみたいと、やみくもに佐藤春夫の門を叩いて50年。今、「書くことが自分の楽しみであり生活である」(同)の毎日です。願わくば、本書をお買い上げのうえ、次の作品にご期待あれ。
日本経済新聞出版社 / 1、890円

■4Bと自転車とお寺   

宇咲 冬男(ウェーブ産経幹事)
冬霧や離りて住めば深む愛 10月に船で地球一周のエッセイ『地球の風』が出たばかり。続けてのエッセイ。私の更新前のホームページに春・夏・秋・冬の四季に分け『宇咲冬男の歳時記』を5年間連載。前著の編集者が、その文章に目を留めて出版を促された。目的は若い人に季語の素晴らしさを教えるためだった。次第につまらなくなり、記者時代などのエピソードを季語に絡ませたらアクセスが急増した。本名・小久保誠
文芸社 / 1、260円

■闘う社説 朝日新聞論説委員室 2000日の記録

若宮 啓文(朝日新聞コラムニスト・  前論説主幹)
言論戦インサイド・ストーリー 「イラク戦争、靖国参拝、小泉郵政解散、安倍氏との大バトル、対『読売』『産経』社説ウォーズ、憲法改正議論…。ニッポンを動かした言論戦のインサイド・ストーリー!」。これが出版社の宣伝文句です。バトルはともかくウォーズとはオーバーな…とも思いますが、私の狙いがイラク戦争や靖国問題をめぐる言論戦の紹介にあったのは事実。そして、憲法などをめぐる社内論議の披露。ここまで書いていいのかと、自分でもまだ自問しています。
講談社 / 1、575円

■派閥の終焉と日本の針路 小泉政治の遺産

本澤二郎
小泉政治を徹底総括 「小泉チルドレン」が出版社の依頼でしたが、ついでに小泉政治を徹底して総括することにしました。郵政民営化の隠された背景やらワシントンが操作した市場原理主義、ブッシュ戦争への加担などなど。完璧なマスコミ対策も。80余人のチルドレンの当落が国民の小泉採点になります。また本来、中曽根バブル経済の崩壊で沈没したはずの自民党も、公明党を抱き込むという延命装置でここまできましたが、それも時間の問題でしかないでしょう。
長崎出版 / 1、890円

■社長の仕事作法 伸びる社員をつくる経営者の発想

長谷川洋三(日本経済新聞出身)  
大不況時代に健闘する社長たち 「成功するには、地道な努力とコツコツと積み上げていく忍耐力が必要です」─。「福島一のラーメン店を目指す」という目標を「東北一」「全国一」へと進化させてきた幸楽苑の社長の言葉だ。日本企業は多かれ少なかれこの「積み上げ」の原点を持っている。サブプライムローン問題の本質はある意味で、「地道な努力」を怠ったツケでもある。大不況時代でも健闘している社長たちにインタビュー。共通する仕事作法は「人を大事にする経営」と「粘り強い経営」だった。おもしろく読めるビジネス書であり、産業史の証言でもある。
講談社+α文庫 / 720円

■威風堂々の指導者たち 昭和人物史に学ぶ

芳賀 綏
戦後史キーマンの全人物像 素顔の吉田茂はシャイな人、豪放な石橋湛山は池田勇人の「酒豪」を買って蔵相にした、芦田修正の法学博士芦田均は浪曲に感泣する純な人、西尾末廣はダンスと洋画批評、河上丈太郎は野球解説…。意外史もからませて戦後史のキーマンの全人像を描き直し、日本国の課題の再検討も試みた。
 「骨太の政治家の骨太評伝」「本物を考えさせる知的刺激の書」と一識者の評を得た小著が、求心力不在の漂流日本に目からウロコのヒントになれば…とも念願。巻中23人を描いた拙筆の似顔絵はお笑い草に。
清流出版 / 1、890円

■ゾルゲ事件の謎を解く 国際諜報団の内幕

白井久也(朝日新聞出身)
ゾルゲ事件研究の入門書 日本の特高警察が戦前、摘発したゾルゲ事件は、翻訳物も含めると、200冊前後出版されている。だが、ゾルゲ事件について総合的に捉えた本が見当たらない。ならば、ゾルゲ事件とは何なのか?私見によれば、過ぎ去った20世紀の象徴である「世界戦争」と「革命」と「植民地解放」のすべてに、深い関わりを持った国際スパイ事件であった。ゾルゲ事件研究の過去と現在を集大成した本書は、我々が今生きている21世紀の現在と将来を考えるうえで、色々な示唆を与えてくれるに違いない。15年前に出した『未完のゾルゲ事件』(恒文社)の改訂増補版。
社会評論社 / 3、885円

■日本の国家戦略 アメリカの21世紀国家戦略をめぐって

高畑昭男 (産経新聞編集委員兼論説委員)
日本戦略構築のあり方を探求 90年代末に書かれた超党派の国家戦略報告。それが同時テロを「予期」していたと知ってビックリしたのが勉強を始めたきっかけです。同盟のほころび、有志連合、国際テロ等々、ブッシュ外交の裏シナリオ?とも見える未来想定。それでも世界秩序構築をめざす強烈な国家意志。国益の階層化。そんな「帝国の深謀」を日本も少しは見習えたらと思いながら書きました。直接引用ばかりで気がひけますが、ささやかな資料にでもなればと思っております。
駿河台出版社 / 2、310円

■いまだに続く「敗戦国外交」─「衆愚」の時代の新外政論

鈴木美勝(時事通信解説委員) 
日本外交2012年が分岐点 国際政治のパラダイムが転換した中で日本外交には2つの難問がある。ひとつは、運命的に付きまとう米中「暗黙の同盟」への対応。直近の事例として、05年、日本が敗北を喫した安保理常任理事国入り問題を取り上げ、徹底取材を基に検証する。第2は、自立し得ない国家の根っ子にある「米中コンプレックス」。親米派・金丸信、親中派・伊東正義が抱いていた対米・対中心理を描出し、国民の多くが同様に引きずってきた対外心理を考える。この視点を踏まえ、ネットや画像を軸にグローバル規模に形成された「衆愚」の時代の外政論を展開。日本が「流浪の国」に堕するか否かの分岐点は2012年にあると説く。
草思社 / 1、995円

■新聞・TVが消える日

猪熊建夫(毎日新聞出身)
メディアを浸食するネット テレビ、新聞、出版、音楽、ゲーム……などのコンテンツ産業は、ネットの攻勢に大きく揺さぶられている。音楽、ゲームはネットと親和性があるが、新聞、出版の紙メディアとTVは、ネットによってその存在がおびやかされる状況になってきた。
  折しも、世界的な大不況で広告収入が激変し、新聞・TV業界は赤字に転落しつつある。既存メディアは新たなビジネスモデルを構築できるのか。ジャーナリズムの将来はどうなるのか。こうした動きを俯瞰した概説書である。
集英社新書 / 735円

■国際ブランドに押し上げる広告戦略

八巻俊雄(日本経済新聞出身)
広告の表現・媒体・効果測定 1987年から2000年まで、世界9カ国の「広告とマーケティング学会」で発表した15の論文をまとめた。発表はアメリカとカナダが7回、ヨーロッパが3回、アジアが5回である。研究に取り上げた資料は50カ国余り。広告戦略の内容としては消費者問題、広告表現、広告媒体、広告の効果測定を中心としているが、1回だけ広告の歴史を取り上げた。2004年には中国で2回研究発表を行ったが、これは前著「コーポレート・コミュニケーション国際シンポジウム」(プラトー出版)で取り上げた。
戎光祥出版 / 2、500円

■「津和野」を生きる─四〇〇年の歴史と人びと─

羽原清雅(朝日新聞出身)
小藩から離れがたい人々の近現代  政治取材から解放され、先祖の墓を頼りに津和野藩の周辺にデータを求め、あちこちに寄り道をしつつ、10年かかりました。 ひそかに郷里に戻っていた?鴎外。創藩時のお家騒動。殿様を相手に横領容疑で告訴した旧藩士たち。大判小判を庭に隠して財力をつけ、左翼闘士を生んだ旧藩主家。伊能忠敬に先立ち北海道航路を探索した堀田仁助。仲間の才人を暗殺後出世した維新期の藩士たち。そんな話を掘り起こし、小藩のあがきと、中級士族の系譜を350ページにまとめました。埋もれた歴史を大いに楽しみました。
文藝春秋社・自費出版 / 2、500円

■雑誌よ、甦れ──「情報津波」時代のジャーナリズム

高橋文夫(日経BP社参与)
雑誌編集者や読者へのエール 雑誌がいま、危うい。『読売ウイークリー(旧週刊読売)』『論座』(朝日新聞社)『月刊現代』(講談社)─かつての花形誌・人気誌が相次いで休廃刊、雑誌全体の売り上げも、急坂を転げ落ちるように減る一方だ。雑誌がダメになれば、本もおかしくなる。活字文化そのものが形無しになってしまう。雑誌を甦らせるすべはないのか。編集者や読者など、雑誌にかかわる人すべてに捧げる「エール」として、ウェブ時代の雑誌のあり方について書き下ろし。
晶文社 / 1、680円

■不都合な生命 地球二億二千五百万年銀河の旅

チャールズ・S・コケル著   大藏雄之助・訳(東京放送出身)
定説で説明できぬ生命の不思議 地球が太陽の回りを公転していることはどなたもご存じですが、太陽系自体が銀河を周回しているということは私は知りませんでした。そういう点では翻訳は勉強になります。 われわれが意識しないこの惑星の動きは地球の生物の生活環境に大きな影響があります。その中で微生物は20億年前に「発生」して以来ほとんど「進化」もせず、あるいは高圧に耐え、あるいは高熱を愛し、氷結すれば何万年でも冬眠状態で生き延びてきました。太陽はあと50億年で膨張爆発して死滅しますが、その際には微生物は他の銀河系に移住するらしいのです。その謎が今明らかに。
麗澤大学出版会 / 2、310円

■これでいいのか、21世紀!

伊波新之助(朝日新聞出身)
混迷の現代を解明し対策を提起 21世紀を迎えて「これからは」と期待していたのに戦争は無くならず政治も経済も混迷を極めている姿に素朴な正義感で立ち向かった1冊。 日本記者クラブでの記者会見の内容も各所にちりばめられており、新聞社や放送局が舞台になったインサイダー取引。一流企業の社長の「みんなで謝ればこわくない」現象。追いつめられた子のリストカットや引きこもり。秋葉原事件の真相。金融危機や石油も。何でもかみ砕く記者精神横溢、警世の発信。
TKC出版 / 1、680円

■響き合うコラム 

髙村 壽一(日本経済新聞出身)
記事にならなかった知名人・先輩の素顔 忘れかねるエピソードを収録した。仏像の衣紋からオートバイの流麗なデザインを発想した本田宗一郎さん。女房役の藤澤武夫さんは浄瑠璃常磐津に打ち込み、浅草公会堂で仮名手本忠臣蔵大序を熱演。「骨まで抜かれた。行革末だし」と慶大で講演中に倒れた鈴木永二さん。「タダ酒は飲むな」─父(大工棟梁)の言葉を守り通した佐々木久子さん。「定職はなかった。おかげさんで」と放浪歌人山崎方代さん。狼犬とともに北上した先輩布施道夫さん等々。
草場書房 / 2、100円

■新聞人福澤諭吉に学ぶ 現代に生きる『時事新報』 

鈴木 隆敏(産経新聞出身)
現代の新聞ジャーナリズムのさきがけ 半世紀も前に姿を消した『時事新報』が、実は現代も生きている。題号は昭和33年(1958)に消えてしまったが、時事新報株式会社は休眠状態のまま産経新聞社がお預かりして今日も存続している。時事新報は慶應義塾、交詢社と並んで福澤諭吉の3大事業といわれる。独立自尊の慶應義塾が昨年創立150年を迎えたのを機に、「独立不羈」をうたった“日本一の時事新報”の歩みを振り返ると、新聞各社の共通理念である「不偏不党」をはじめ、現代のメディアとジャーナリズムが学ぶべき事柄が数多く示唆されている。
産経新聞出版 / 1、500円

■夏の岬

植村 鞆音(テレビ東京出身)
初めての小説に挑戦 5年まえ、サラリーマンを退職して著述業を目指した。幼いころからの憧れだった。66歳になっていた。処女作が伯父の評伝『直木三十五伝』(文藝春秋)、第2作が父の伝記『歴史の教師 植村清二』(中央公論新社)。3作目は初の小説に挑戦した。老人と若い娘の恋を描いた『夏の岬』である。生きるということは表現することだと思う。書くことは楽しい。出版後反省することが多いが、性懲りもなく、これからも老人の恋を書き続けたいと思っている。
文藝春秋 / 1、800円

■恵里子へ 結納式の10日後、ボリビアで爆死した最愛の娘への鎮魂歌

鹿嶋 敬(日本経済新聞出身)
結婚控えた女性を襲った想像を絶する悲劇 最愛の娘、恵里子は昨年3月、海外駐在を終えて帰国し、結納式を行った。その10日後、独身最後の旅に出たボリビア・ウユニ塩湖で屋根にガソリンを載せて走る車同士の衝突で爆死した。なぜ悲劇は起きたのか。原因を探ると、世界的な観光地で無謀な運転を黙認してきたボリビア政府の無責任さがほの見える。さらに娘の結婚に至る愛、キャリア形成、婚約者や家族の苦しみなども慟哭を抑え、書きすすめる。最愛の娘への鎮魂の書であると同時に、事故後に家族が直面する絆崩壊の危機にも触れた再生の書でもある。
日本経済新聞出版社 / 1、680円

■こちら石巻 さかな記者奮闘記

高成田 享(朝日新聞石巻支局長)
魚を見れば世界が見える! 定年を機に三陸の港町に駐在する「さかな記者」となり、漁船に乗ったり、地場の魚を食べたりしながら、漁業の資源問題から食文化まで取材する日々の奮闘ぶりをまとめた。そのなかで、豊かな海の恵を国民に与えてきた日本の漁業が、環境の悪化や乱獲で危機に直面しているのにどうしたらよいのか、漁業だけでなく地域問題にも焦点を当て、知恵をひねった。魚を通じての日本論にもなっていると自負する。
時事通信社 / 1、680円

■首相の蹉跌 ポスト小泉 権力の黄昏

清水 真人(日本経済新聞編集委員)
なぜ自滅を繰り返すのか 安倍晋三、福田康夫と二代の首相はなぜたった1年で続けて最高権力の座を投げ出さざるを得なかったのか。麻生太郎首相も在任1年に遠く及ばないうちに3人目になりかねない土俵際まで追い込まれた。宰相たちの失敗の本質はどこにあるのだろうか。3氏に先立ち、5年5カ月も「強い首相」を演じて見せた小泉純一郎氏の権力操縦と対比しながら、首相という最高権力のマネジメントの検証を試みる。それを通して日本の政党政治のシステムとゲームのルールを読み解き、「なぜ」「どこ」の答えを探すのが本書の狙いである。
日本経済新聞出版社 / 1、995円

■木版画 万葉秀歌

宇治 敏彦 (中日新聞社相談役・論説担当)
趣味が高じて本に 「これは宇治ワールドだね」と友がいった。国文学者の中西進氏は「影を刻むことで形を描く。それが宇治さんの生き方でもある」と序文に書いてくださった。万葉集の一首一首をイメージしながら歌の文句とともに版画に仕上げる趣味が小著になった。作者としては望外の幸せだが、大伴家持の編纂から1250年の今年、言霊を信じた先人たちの思いを現代人の心にもっと響かせたいとの願いもある。恋に焦がれ片思いに耐え、歌に救いを求めた万葉人の姿をどこまで表現できたかは読者の判断に待ちたい。
蒼天社出版 / 1、890円

■新訂 新聞学

桂 敬一 (日本新聞協会出身)
新聞を新しい立ち位置へ 今は亡き稲葉三千男・新井直之両先輩とともに旧版『新聞学 第3版』(1995年)を編んだ私としては、この伝統の書を、東大新聞研・教授時代の同僚・浜田純一さん(東大総長)と畏友・田島泰彦さん(上智大教授)と一緒に編纂、新しい装いで再生できたことは、この上ない喜びだ。ネット時代、危機に臨む新聞の問題を考えるすべてがここにある。新しいジャーナリズムの基盤を構築し、中核となるべき新聞のあり方に関心を抱く若いジャーナリスト・研究者に、ぜひ読んでいただきたい。
日本評論社 / 3、150円

■プーチンと柔道の心

小林 和男 (NHK出身)
柔道を通して見た人物像 プーチン首相が訪日したが、記者クラブ幹部の皆さんが礼を尽くしたにもかかわらず会見にはやってこなかった。過密な日程を理由にしたらしい。そもそも彼は記者会見が嫌いではない。3時間もやることもある。行動に分からないところが多い。そんな人物を柔道を通して見ようというのが本書の狙いだ。プーチン首相と仲間が書いた柔道書に山下泰裕さんと私が解説などを加えた。不可解な人物が少し見えてくるかもしれない。
朝日新聞出版 / 1、680円

■だらぼち記者奮闘記─昭和~平成自分史

畠中 茂男 (毎日新聞出身)
新聞記者の抱腹絶倒自分史 だらぼちとはヤンチャな子どもに対する愛情表現の能登弁だ。波瀾万丈、ジグザグの私の軌跡を書いた。新聞記者とは“特種記者”だけではない。事業や催しで本社に貢献する“イベント記者”もいる。これをやりとげた先輩に学ぶこと多し。
  社の経営不振を立て直すために政治部から小さな支局長へ飛び出す。「いまやらねばいつできる、わしがやらねばだれがやる」の“平櫛語録”のとおりに大阪毎日ホール再建、毎日情報サービスセンター創設、アジア調査会再建に挑戦する。愛社精神を貫くことが大切だと悟る。現在の世界同時不況時代には愛社精神のあふれた記者を多く持つ社のみが生き延びるだろう。
自費出版

■グリーン・リカバリー 日本再生の新シナリオ

三橋 規宏 (日本経済新聞出身)
最速出版の記念の書です 「変化恐怖症─ニッポン」というタイトルの本の執筆を9割近く書き上げた時、リーマン・ショックが起こった。100年に一度の世界同時不況が日本にも押し寄せ、日本も生き残りのために思い切った変化を迫られた。執筆中の本は一日で陳腐化し、幻の本になってしまった。
  日本が大変身しない限り、今度の不況から脱出することはできない。そのための処方箋を書こう。気持ちを切り換え、一気に書き上げたのが本書である。5月初めに出版社に原稿を持ち込み、同月20日過ぎに書店に並んだ。私の最速出版の記念の書でもある。
日本経済新聞出版 / 1、680円

■オバマのアメリカはどこへ行く

蓮見 博昭 (時事通信出身)
宗教関係に力点置く アメリカの主な分野の近況とそれについてのオバマ新大統領ないし同政権の考え方・施策を簡潔・平易に紹介・解説し、近未来の展望を試みた。   日本でもオバマ本はすでに数多く出版されているが、その中で本書に特色があるとすれば、宗教(キリスト教)関係に力点を置いたことだろう。講演の記録や雑誌論文を集め、大幅に加筆修正して単行本化した。アメリカは今後も「相対的衰退」を続けていくものと予測、オバマの改革や危機対策が失敗すれば、本格的衰退も不可避なのではないか、と警告している。
梨の木舎 / 1、890円

■日本の基本問題を考えてみよう

中馬 清福 (信濃毎日新聞主筆)
若者たちに期待して 信濃毎日新聞に連載中の大型コラム「考」を読んだ編集者に、こんな調子で書いてみたら、と勧められてこの本はできました。自分のこれまでをさらけ出した、全文これ若者へのメッセージですから、現役やOBの記者のみなさまに読んでいただくのは恐れ多いことです。立ち読みされて、じゃあ、子か孫に買ってやるか、と思っていただければ幸いです。なお、「考」をまとめた本も2冊目が同じ新聞社から出版されました。
岩波ジュニア新書 / 819円

■ベトナム戦場再訪

北畠 霞 共著 (毎日新聞出身)
ゲリラ兵士との再会 ベトナム戦争を追いかけていた特派員時代、サイゴンのすぐ西方のところで、解放戦線のゲリラ兵士に一時身柄を拘束されたことがあった。身なりから彼らは地元の村の兵士と判断し、戦争が終わり、時間ができたら捜すことを長らく温めていた。 リタイアしてから、2年前にその一人を探し出し、当時のことを思い出しあうことができた。この話を基に、ゲリラの戦いぶり、ベトナム戦争の芽、米国敗退の背景をまとめたのがこの本である。共著者はカメラマンで多数の写真を収めている。
連合出版 / 2、310円

■記者風伝

河谷 史夫 (朝日新聞記者)
新聞の申し子たち 新聞が輝き、新聞記者たちが生き生きとしていた時代があった。見ると、新聞記者は血まみれだ。 抜いた抜かれたの現場で切った張ったの記者は、返り血も浴びて全身赤く染まり、コラムの現場に立つ記 者は文章に秘術を尽くして人知れず血の汗を流している。 「新聞の申し子」というべき記者たちである。そのうちの24人の略伝を書き、列伝では司馬遷に悪いから「風伝」とした。むろん、身の程をわきまえぬことである。
朝日新聞出版 / 1、890円

■米原万里を語る

金平 茂紀 共著 (TBSテレビアメリカ総局長)
さわやかな毒舌とユーモア 米原万里さんがこの世を旅立たれたのは、2006年5月。まだ56歳だった。 実妹の井上ユリさんと義弟の井上ひさしさんに加え、万里さんと「義兄弟」の盃を交わした吉岡忍さん、小森陽一さんのお二人、そして義弟というよりは「贋弟・偽弟・愚弟」であった小生の計5人が、万里さんを自分流に偲んだら、こんな本になった。さわやかな毒舌と研ぎ澄まされたユーモアが今という息苦しい時代にこそどんなに必要であることか。乞ご一読。
かもがわ出版 / 1、575円

■新版 マス・コミュニケーション概論

山田 健太 共著 (日本新聞協会出身)
デジタル・ネットワーク時代に対応 初版が1974年、3分の1世紀にわたって版を重ねてきた「マスメディア」の概説書である。その内容は、コミュニケーション理論から始まり、ジャーナリズム、世論、宣伝、広告・PR等の体系的解説、さらには表現の自由とメディア倫理の基本を万遍なく抑えてい
る。 こうした理論編とともに、新聞、放送ほか主要メディアの産業別構造と事業を、誕生から最新事情までカバーし、同時に欧米・アジアの国別マスメディア事情がコンパクトにまとまっている。今回はデジタル・ネットワーク時代に対応するために、大幅に改訂を施した。
学陽書房 / 2、730円

■日本長寿の記録

内田 啓明 (共同通信出身)
米寿記念に長寿本 7月14日に米寿を迎えた記念に出版した。20年ぐらい前に日本は世界一の長寿国になった。数字と歴史が好きなので長寿の歴史、原因、経過の研究に取り組み地方紙に3年間連載した。 医療の発展、食生活改善の効果が大きい。最大の死病、結核はほぼ消滅、脳卒中も減塩効果で激変した。 それでも、都道府県間には長寿順位の変動が大きい。背景に県民性と食生活改善度の大きな相違がうかがわれる。その究明に長い年数がかかったが、ようやく自分なりの答えがまとまった。まだ疑問が多いが、時間がないので米寿を機にまとめた次第である。
善本社 / 3、800円

■金正日の後継者

重村 智計 (毎日新聞出身)
ガセネタと真実を見分ける 30年を超える取材経験では、北朝鮮情報の90%は、ガセネタだ。情報提供者の背後に、記者を利用する「悪意」が、常に隠れている。ガセネタと真実を見分けるのが、記者の能力だ。 北朝鮮の後継者は、三男の金正雲氏だと全マスコミが報じたが、中国外務次官の否定発言で下火になった。誰かが、意図的に書かせたのだ。日米韓三国を揺さぶろうとしたのか。 この本は、金正日の後継者は、金正雲氏ではない可能性を示すとともに、「ステレオタイプな報道」を乗り越えるのが、ジャーナリズムだと説く。
KKベストセラーズ / 720円

■新版 検証・免田事件

高峰 武 (熊本日日新聞社論説委員長)
足利事件を生んだ構造の原点 免田栄さん(83)が、わが国初の死刑囚から再審無罪となったのは1983(昭和58)年のことだ。本書の中心部分は、判決直後から事件の地元紙・熊本日日新聞が半年以上にわたって連載したもの。連載は2度出版されたが、絶版となったため、再審無罪判決を言い渡した裁判長への初めてのインタビューや、マス倫懇全国大会での免田さんの対談などを新たに加え出版した。   再審開始が決まった足利事件を生んだ構造の原点がここにある。
現代人文社 / 2、100円

■サイゴンの火焔樹 もうひとつのベトナム戦争

牧 久 (日本経済新聞出身)
サイゴン革命の記録 面映いので、最近、楽天の商品ブログにのった一読者の声を紹介する。「元ベトナム特派員のサイゴン陥落後、数カ月の記録である。北ベトナムの占領下、情報鎖国の中にあって、非常手段で日本に送信した記事を挿入している。ベトナムの実態を描いた本は多いが、国外強制退去の最後まで残った日本人記者の記録は貴重である。(中略)また、当時のベトナムの宣伝にのせられず、それを掲載した日経新聞にも骨があった」。陥落後、閉ざされた国で何が起きたか。それを記録に残したかった。
ウェッジ社 / 2、520円

■民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?

神保 哲生 (ビデオニュース・ドットコム)
民主党の政策の全体像と理念を徹底分析 マニフェストは選挙用の広報資料であり、そこからは民主党の政策の本質は見えてこない。本著は過去に民主党が提出してきた法案や政策提言をもとに99の主要政策を徹底検証した上で、その底流にある理念を浮き彫りにすることを試みている。その民主党が政権の座についた今、これまで提案してきた政策を実行に移すことを監視する意味でも、ぜひ多くの人に活用してほしい。
ダイヤモンド社 / 1、500円

■血の政治 青嵐会という物語

河内 孝 (毎日新聞出身)
青嵐会の軌跡 血判で契りを交わし、武道館で決起集会を行い、全国紙に意見広告を出した。いつでも口角泡を飛ばし、胸ぐらをつかみ合い、灰皿や瓶を投げつけ、野蛮な極右とメディアに酷評され
た。1970年代半ば、戦後政治史上未曽有の熱さと厚かましさで一躍脚光を浴びた政治集団「青嵐会」。今、政治に求められている“何か”が彼らにはあった。太く、短く、謎多きその軌跡をあらためて現在に問う異色ノンフィクション。(本書カバーのことばから)
新潮新書 / 735円

■保守の劣化はなぜ起きたのか

花岡 信昭(産経新聞出身)
政権交代への軌跡は浮かんだか 2年間、古巣の産経新聞で「政論探究」という本音ベースの政治コラムを毎週書いてきた。新聞はナマモノだから、すでに賞味期限切れと思っていたが、この一大政変で「自民惨敗に至る予兆が浮かぶのでは」と勧めてくれる人がいて、1章だけ書き下ろしを加え、ばたばたと出版した。タイトルは仰々しいが、そういう事情だからあまり威張れない。編集側は1回分を見開きとし、読みやすいスタイルにつくってくれた。
産経新聞出版 / 1、500円

■松本清張 時代の闇を見つめた作家 

権田 萬治(日本新聞協会出身・ミステリー文学資料館館長)
清張の多彩な業績に光を当てる 『点と線』、『砂の器』、『ゼロの焦点』など松本清張が優れた社会派推理小説の書き手であることはよく知られている。しかし、氏の業績は、歴史小説から現代小説、『昭和史発掘』や米軍占領下の日本の裏面史の『日本の黒い霧』、さらには、『清張通史』に結晶する古代史研究などその守備範囲はきわめて広範囲に及ぶ。このため、これらすべてについて論究した評論はほとんど皆無だった。本書はその空白を埋めようとする試みである。清張ファンの方には是非ご一読いただきたい。
文藝春秋 / 1、600円

■消費税をどうするか─再分配と負担の視点から

小此木潔 朝日新聞論説副主幹
危機を超える改革へ 消費税問題には、連立方程式を解くような複雑さがある。「財政赤字が大きいから、増税は不可避だ」という論理だけでは解決しない。 「折り重なる危機をいかに克服するか」を考えると、所得再分配の必要性や「逆進性を消す集め方と配り方」が課題になる。さらに「景気を失速させない方法」はどうあるべきか、というふうに方程式を立てて解いてみると…。その作業に挑んだのが本書である。
岩波新書 / 735円

■国境なき大陸 南極─きみに伝えたい地球を救うヒント

柴田鉄治(朝日新聞出身)
南極の語り部に 私が初めて書いた子ども向けの本です。3年前、40年ぶりに南極を訪れ、国境も軍事基地もない姿にあらためて感動し、残りの人生を「南極の語り部」になろうと決心しました。そして「世界中を南極にしよう!」「愛国心でなく愛地球心を」「教育に南極を」と各地で講演していたら、たまたまその話を聴いていた人のすすめで生まれたのがこの本なのです。あちこちのページに出てくるペンギンの漫画の可愛いことといったら…。贈り物に最適ですよ。
冨山房インターナショナル / 1、470円

■人づくりと江戸しぐさ─おもしろ義塾

桐山勝(日経出身、NPO法人江戸しぐさ副理事長)
江戸しぐさで日本人論 「謙譲だが卑屈ではない」。明治22年、日本を訪れた英詩人、エドウィン・アーノルドがこう評している。豪商たちが生み、庶民にまで普及していた「江戸しぐさ」を指してのことだ。明治維新で江戸の良さはすっかり否定されてしまったが、最近の見直し機運は心強い。「傘かしげ」に代表される思いやりやお互いさまといった基本から「痩せ我慢」のリーダーの心得まで、川柳や落語、豪商の家訓などを引用、時代背景に立ち入って、わかりやすくまとめた。ささやかな日本人論でもある。越川禮子理事長との共著。
MOKU出版 / 1、575円

■日米開戦をスクープした男 実録・海軍報道戦記

後藤基治著 
前坂俊之編集 (毎日新聞出身)
戦時報道に命をかけた記者群像 昭和16年12月8日、「毎日新聞」は 〈国家最高機密の「開戦Ⅹデー」〉真珠湾攻撃をスクープした。この新聞史上に輝くスクープをはなったのが後藤基治記者。本書は後藤の戦時報道回想録「海軍報道戦記」の復刻版である。海軍記者クラブ「黒潮会」の担当として、東条内閣成立をスクープするなど数々の秘話と、海軍最大のスキャンダル「海軍乙事件」の謎にもせまっており、きびしい検閲と報道規制の中で、戦時報道に命をかけた記者群像を描く感動のドキュメンタリーである。
新人物文庫 / 700円

■現在窮乏、将来有望 評伝 全日空を創った男 美土路昌一

早房 長治(朝日新聞出身)
ANA創業者の物語 日本航空が破綻し、政府の全面支援による再建が成功するかどうかが、業界を超えた問題になっている。親方日の丸会社と対照的な存在が純民間の全日空。その創業者が戦前・戦中、朝日新聞幹部だった美土路昌一である。 旧民間航空関係者の救済団体が日本ヘリコプター輸送、全日空へと発展するのだが、発展の源は翼を奪われた飛行機野郎を大空に返してやろうという愛情と、絶対に政府に頼らず社会に貢献するという志であった。
プレジデント社 / 1、680円

■痛快無比!ニッポン超人図鑑

前坂 俊之(毎日新聞出身)
超人たちのケタはずれ人生 「日本人の知の限界値、ノーベル賞を超えた天才脳」といわれた南方熊楠を筆頭に明治・大正・昭和の歴史の中で、時代を大きくチェンジした超人、天才、奇人80人をピックアップし、そのケタはずれの人生を、思わず吹き出す抱腹絶倒のエピソードを交えながら紹介した本。この80人はある面では日本人の独創性、可能性の極限値を表わした人物ですが、近年このような破天荒な人物が少なくなっていることが日本人の創造性の衰弱ではないかと気になる。
新人物文庫 / 700円

■勉學の務め擲ちて 山高生の戦争体験

森脇 逸男(読売新聞出身)
旧制山口高校戦争体験の記録 戦争の時代の体験を次の世代に残すことは、今最も大切なことの一つだ。母校、旧制山口高校が昨年、創立90周年を迎えたのを機に、同窓生に戦争体験の寄稿を呼びかけ、物故者の文章も集めて、計81人の同窓生の文章83編と戦死者名簿、学徒動員記録などを収録し、424ページの記念文集を作った。
  初年兵時代の苛酷な訓練やしごき、紙一重の差で生死が分かれる前線の非情、何千キロにも及ぶ逃避行、木の根やカタツムリまで食べた飢餓、戦後の捕虜収容所での数々の屈辱など、壮絶な体験の数々は、まさしく本人でなければ語れないものだった。
東京鴻南会 / 非売品

■日本力

エバレット・ブラウン (epa通信社日本支局長)
JAPANSを語りつくす 日本は、ただ一つの日本ではない。かつて日本文学研究者のドナルド・キーンやジョン・ダワーが指摘したように、日本はもともと単数の「JAPAN」というよりも、実は複数形の「JAPANS」なのである。「JAPANS」は、今どういう形で現れているのか。また、「日本力」はどこに潜んでいるのか。日本文化研究者の松岡正剛と語りつくした対談本。いまを生きる「日本人」に勇気を与える一冊である。構成は、対談+引用+写真。松岡正剛氏との共著。
PARCO出版 / 1、680円

■核なき世界へ

岩垂 弘 (朝日新聞出身)
核兵器を廃絶するにはどうしたらいいか 09年4月にプラハで行われたオバマ米大統領の演説を機に、世界は「核兵器のない世界」に向けて動き出した。こうしたまたとない好機に、日本の市民は何をなすべきか。こうした視点から、これまでの日本の反核運動の変遷や現状を紹介しながら、運動の方向と課題を提案したのが本書である。運動団体や自治体は本年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議に向け核兵器廃絶署名に取り組んでいるが、運動やメディアの関係者にはぜひご一読いただきたい。
同時代社 / 1、995円

■東北ビジネス最前線

伊藤 裕造 (東日本放送社長 朝日新聞出身)
東北の強靱さと先進的取り組み 地方軽視の経済政策で、低迷を強いられてきた東北の新たな可能性を探る経済番組「東北ビジネス最前線」(月1回放送)を本にまとめました。トヨタグループの東北への本格的進出をきっかけに、弊社には経済記者がいなかったこともあり私自身も出演する形で始めたのですが、地球環境問題と戦後最悪の経済危機が重なり、東北には逆に大きな有用性とビジネスチャンスが生まれています。各分野のリーダーのインタビューをまとめたDVD付きです。東北の強靭さと先進的な取り組みは、今後の日本経済の進むべき方向のヒントになると思います。
東日本放送 / 2、625円

■ウィーン─多民族文化のフーガ

加藤 雅彦(共著) (NHK出身)
多様な視点からみた旧帝都 欧州統合の父クーデンホーフ=カレルギー伯。彼の思想の原点は、多民族文化の都ウィーンにあったのではないか。そんな問題意識も念頭におきながら、政治、音楽、建築、文学、思想、都市、市民生活など、多様な視点から旧帝都にスポットをあてた本です。中欧に関心のある方はもちろん、旅行への知的ガイドとしても役立てばと願っています。
大修館書店 / 2、520円

■検証 シベリア抑留 

白井 久也 (朝日新聞出身)
抑留問題の核心に迫る 戦後、大きな政治・社会問題となった関東軍将兵約64万人のシベリア抑留とは、日本人にとって一体、何だったのか?モスクワのロシア国立軍事公文書館で、約70万人分の名簿が新たに発見されて、にわかにホットな問題になった。 日ソ中立条約を一方的に破棄して、日本人捕虜に強制労働を科したソ連に最大の「非」があることは言うまでもない。では、日本は「無罪放免」か。そうではあるまい。明治以来の大陸侵略政策の破産が、結果的にシベリア抑留につながっていった歴史的事実を、見逃すわけにはいかない。 様々な文献や証言を駆使して、長年、棚ざらしになってきたシベリア抑留問題の核心に迫った本である。
平凡社新書 / 840円

■軍談 秋山真之の日露戦争回顧録 

前坂 俊之(編解題) (毎日新聞出身)
参謀・将校の貴重な証言を収録 NHK大型歴史ドラマ『坂の上の雲』の放送などで日露戦争への関心が高まっていますが、今の若い世代の理解を深めるために連合艦隊名参謀・秋山真之の幻の名著「軍談」とともに日露戦争30周年を記念した1935(昭和10)年に毎日新聞が行なった陸海軍の参戦将星、提督の大座談会を再編集して1冊にまとめて、詳細な解説をほどこしました。 奇跡的な大勝利となった日本海海戦を秋山が回想し当時の参謀・将校の貴重な証言を満載しています。
新人物文庫 / 700円

■現代ロシアの深層─揺れ動く政治・経済・外交

小田 健(日本経済新聞編集委員)
隣の大国を包括的に解説 エリツィン以降の現代ロシアを分野別に論じた書は多いが、政治、経済、社会、軍事、外交と総合的にかつ深掘りして取りあげた。このため600ページ近い厚い本になった。
  ロシアはソ連崩壊後、紆余曲折を経て西側諸国とは一線を画す独自の道を模索する国として台頭してきた。しかし、日本におけるロシアへの関心は低く、時にゆがみもあるとの問題意識もあった。エピソードを交え冷静にロシアの実像を描く試みに挑戦した。
日本経済新聞出版社 / 6300円

■ここに記者あり! 村岡博人の戦後取材史

片山 正彦 (共同通信出身)
不屈の生涯一記者 サッカー日本代表のゴールキーパーから記者になった村岡博人は、共同通信の社会部で私の先輩だった。村岡は定年まで、いや定年後も最前線の現場で記者活
動を続けた。文字通りの生涯一記者・村岡は、戦後史の様々な取材現場で権力とぶつかった。どんな誹謗・中傷にも屈せず、鋭い質問を権力に浴びせ続けた村岡。その足跡を伝えることで、記者の仕事とは何かを読者に、とりわけ後輩記者たちに考えてもらいたいという思いで本書を書いた。
岩波書店 / 1995円

■どうする情報源─報道改革の分水嶺

藤田 博司 共同通信出身)
情報源の扱いを見直す 「小沢・検察報道」に絡んで、「関係者によると」という情報の伝え方が政治問題にまでなりました。それに便乗したわけではありませんが、ニュース報道における「情報源」の扱いを見直しては、という問題提起をしてみました。とかく瑣末なことと考えられがちですが、ジャーナリストの意識に関わる問題と考えています。日本のジャーナリズムの改革に向けた議論を起こすきっかけになれば、と秘かに「大望」を抱いています。
リベルタ出版 / 1995円

■アメリカ大統領が死んだ日 一九四五年春、ローズベルト

仲 晃 共同通信出身)
カリスマ大統領急死の衝撃を追う 日本の終戦については、山のように本が出ているが、相手側のアメリカの終戦事情は今なお霧の中である。本書は、当時米国を指導したカリスマ的大統領が、余命1年の深刻な病状だったのをひた隠しにして立候補、当選(4選)し、わずか82日後の終戦4カ月前に急死した時の政治的、社会的衝撃をつぶさに追跡した。この時点から“戦後”がスタートしたとして、歴史観の転換を図る。長年の秘められた恋の軌跡も、本書で初めて明らかにされている。
岩波現代文庫 / 1365円

■明治三十七年のインテリジェンス外交─戦争をいかに終わらせるか

前坂 俊之(毎日新聞出身)
サムライ外交の知恵 日露戦争勃発。米国を味方につけるために、伊藤博文の密命を帯び金子堅太郎が米国に派遣された。ハーバード大でルーズベルト大統領と同窓生だった金子はその卓越した英語スピーチ、ディベート能力で獅子奮迅の活躍ぶりで、米世論を味方につけ講和斡旋にこぎつけた。新渡戸稲造以上のサムライ外交の勝利といえる。本書は日露戦争外交秘録「金子工作」の全容を明らかに、迷走する現在の日本外交に貴重な指針を与えるものと思います。
祥伝社新書 / 861円

■海外広告事情

八巻 俊雄(日本経済新聞出身)
38カ国の広告事情 広告の仕事を始めて、55年、この間、海外60カ国を回る機会があった。広告事情の視察、会議の出席、学会での発表などである。このうち38カ国の広告事情を、日本産業広告協会発行の「産業広告」に連載してきた。資料は国立国会図書館のほか電通のADMT(アド・ミュージアム・トーキョー)の吉野由麗さんの協力を得た。 回った国を世界地図で色付けをして表紙裏に付録とした。広告のサンプルはカンヌ国際映画祭の入賞作品、新聞、雑誌は国会図書館、不足分は駐日大使館を訪問して使用させていただいた。
高井戸文庫 / 非売品

■開戦前夜の「グッバイ・ジャパン」─あなたはスパイだったのですか?

伊藤 三郎(朝日新聞出身)
米記者の数奇な軌跡 日米開戦前夜、スパイ・ゾルゲからの情報で「ヒトラー、ソ連侵攻」などの歴史的スクープを連発した米紙東京特派員ニューマン。彼と偶然出会った著者は、日本の軍国主義を糾弾した彼の著作の日本語復刻版『グッバイ・ジャパン』を刊行(1993年)、ニューマンを幸運な無垢の記者として賞賛した。だが彼の死後「もしやスパイだったのでは」との疑念に苛まれる。そんな著者を「手直し」の執筆に踏み切らせたのは、ある歴史学者のひと言─歴史を追究するものは、死者に鞭打つことをためらうなかれ。第二次世界大戦の深い謎に迫る、スケールの大きいノンフィクションである。
現代企画室 / 2、310円

■レバノン杉物語―「ギルガメシュ叙事詩」から地球温暖化まで

伊藤 章治(東京新聞出身)
森と人間の共存を考える 10数年前、都内で開かれたレバノン杉保存の集まりで数葉の写真に接し、「貴婦人がスカートを広げたような」美しさに魅了された。同時に、人類最古の叙事詩「ギルガメシュ叙事詩」に登場するこの銘木が、乱伐で絶滅の危機にあることも知らされた。 カメラマン氏(鍔山英次会員)とともに現地レバノンに何度か通って危機の実相を追い、併せて同じ運命をたどっている秋田杉や屋久杉も訪ねて、「森と人間の共存」について考えた。 なお本書は、このほど創刊の「桜美林ブックス」の第一号である。
桜美林ブックス、発売元・はる書房 / 1、000円

■豪商と江戸しぐさ 成功するリーダー列伝 おもしろ義塾2

桐山 勝(日本経済新聞出身)
豪商にみるリーダーの心得 日本人の劣化が進んでいる─そんな危機感から昨年末、『人づくりと江戸しぐさ』を上梓した。「思いやり」や「お互いさま」の大切さを訴えた。年齢に関係なく、人間として身につけておきたい心得だ。 今回は豪商にみるリーダーの心得。15のケースを取り上げた。「信望と人望」「戦略と戦術」「優しさと勁さ」など、それぞれの違いがわかり、実践してこそリーダーといえまいか。 商人からみた「江戸の経済社会史」としても読んでいただける。
MOKU出版 / 2、100円

■石油国家ロシア─知られざる資源強国の歴史と今後

鈴木 博信訳(NHK出身)
核より物言うエネルギー兵器!  帝政ロシア時代、米露2国だけで世界の石油産出高の97%を占め、米国をしのいで世界一の産油国になったこともあるロシアが、石油大国として復活した。しかも今回は天然ガスという「新しい政治的武器」をあわせもつガス大国でもある。冷戦期も今も核兵器は「相互確証破壊」つまり使えば共倒れになる「使えない」手札であるが、ガスパイプラインはその気になれば「使える」手段である。 西側わけてもガス供給をロシアに大きく依存するEU諸国は「相互確証抑制」つまり相手を有効に抑止する手を欠いており、ロシアは潜在的にはソ連を上回る影響力を秘めた大国だ─と著者は主張する。
日本経済新聞出版社 / 2、310円

■放送法を読みとく

山田 健太ほか編(日本新聞協会出身)
“いま”の放送法の理解のために 先般の国会で廃案になった法案の一つに「放送法」がある。大臣自らが50年ぶりの大改正と呼んでいた、「放送と通信の融合」状況に対応するための法制度の整備である。 いったい放送がどう変わるのかを知るためには、「いま」の放送制度をきちんと理解することが必要だ。日本の放送の歴史と現行制度の仕組み、さらに後半では放送法の逐条解説を収録した本書は、そのための一冊としての役割を果たすことができるはずだ。未来の「放送」を語るために、ぜひ手にとっていただければと思う。
商事法務 / 3、465円

■命なりけり 特攻四たび生還の記 

堀越 作治 (朝日新聞出身)
生還特攻隊員二人の苦悩を追う 「死への片道切符」といわれた「特攻隊」で、いかに多くの若者が命を落としたことか。第二次大戦末期のあの悲劇には、まだ語り尽くされぬことが多々あるが、ここに取り上げたのは、特攻機のエンジン故障で4回も戻った元隊員の記録である。
  仲間が皆敵艦に突っ込んだのに、ただ一機基地に帰る時の苦悩。それが二度、三度、四度。そして軍の出撃記録にも載せられず「なかった」ことにされた二人の隊員の後を追う。
東京図書出版会 / 1、260円

■永田町の愛すべき悪党たち

髙橋 利行 (読売新聞出身)
取材者の生の感情を表に 政治の動きが世に出るのは、新聞でも、テレビでも、政治記者、放送記者という第三者が介在していることが多い。普段は見えない、その影や生の感情という「プロセス」を表に出してみたらどういうことになるのか。
  鼻持ちならない自慢話に陥りかねないし、関わらなかった動きは伝えられない。その試みを可能にしたのは、長年、政治を牛耳ってきた田中派という存在であり、著者が敢行した読みどころであるらしい。
PHP研究所 / 1、995円

■亡国のインテリジェンス ─「武器なき戦争」と日本の未来

仮野 忠男 (毎日新聞出身)
日本のインテリジェンス体制を検証 外務省上海領事館の館員自殺事件、海上自衛隊イージス艦の情報漏洩事件……。相次ぐインテリジェンスにかかわる不祥事の数々。
  「日本のインテリジェンス体制は一体、どうなっているのか」という疑問を出発点に、その欠陥や是正策について、中西輝政京都大学教授、大森義夫元内閣情報調査室長、岡崎久彦元外務省情報調査局長らインテリジェンス専門家19人と語り合った。問題提起型の画期的な対話集になったと自負している。
日本文芸社 / 1、680円

■日本まちづくり事典

井上 繁 (日本経済新聞出身)
低炭素社会から大根まで まちづくりは、生活の舞台である地域を元気にする活動である。都市再生や交通だけでなく、環境、景観、文化・芸術、産業・経済、コミュニティ、NPO、観光など多彩なテーマをそ上に乗せた。巻末に、全国のすべての市区町村のまちづくりの特徴をキーワードで示している。651ページの本書の3分の1はキーワードと索引である。3年前に上梓した『世界まちづくり事典』とともに、クラブの本棚に置かせていただいている。要覧とはひと味違った地域の姿を調べる際に、ご活用ください。
丸善 / 15、750円

■「沖縄と日米安保」~問題の核心点は何か

池田 龍夫・共著 (毎日新聞出身)
日米関係再構築を 「60年安保改定」50年を機に、記者クラブ同人の柴田鉄治、鈴木顕介、池田龍夫が分担執筆し、社会評論社からブックレットを緊急出版しました。柴田は「日本のメディアの驚くべき『変質』」を論じ、鈴木が「アメリカの世界戦略と日本」を分析、池田は「『日米密約』の背景」にメスを入れています。普天間問題の紛糾が続いている今、日米関係再構築を訴える私たちの願いを読み取っていただければ幸いです。
社会評論社/ちきゅう座ブックレット / 1、260円
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  • 白川方明  日本銀行総裁

    白川方明  日本銀行総裁2012/02/17

  • 池内恵 東京大学先端科学技術センター准教授

    池内恵 東京大学先端科学技術センター准教授2012/02/16

  • ピエール・クレヘンビュール 事業局長

    ピエール・クレヘンビュール 事業局長2012/02/15

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