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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■音楽の見える瞬間 ホワイトハンドコーラス NIPPONのきせき
鈴木 款(フジテレビジョン解説委員)
▼いくつもの壁を乗りこえて
歌声だけでなく、手話をもとにした「手歌」をもちいて歌う合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」は、さまざまな〝違い〟をもつ子どもたちが創造性を思い切り発揮し、力を合わせて音楽に取り組むインクルーシブな合唱団です。この本は、南米ベネズエラで生まれた「ホワイトハンドコーラス」が日本で花開き、個性ゆたかな子どもたちがいくつもの〝壁〟を乗りこえて、ついに音楽の都ウィーンでのベートーべン「第九」の公演を成功させるまでを追ったノンフィクションです。
アルテスパブリッシング / 2200円 / ISBN 4865593292
■データでみるスポーツとジェンダー2026
稲澤 裕子(読売新聞社出身)
日本スポーツとジェンダー学会編
▼スポーツ報道もジェンダー視点を
スポーツを「する」「みる」「ささえる」「知る・学ぶ」の観点から、日本スポーツとジェンダー学会員が分担してジェンダー視点でデータを収集した。筆者は第3章「ささえる」のスポーツ団体役員を担当。女性理事比率は高まったが、トップ層は男性中心の現状が明らかになった。
第2章「みる」では、メディアがテーマの一つになっている。女性アスリートは男性と比べて「美しさ」「感情・表情」で描かれる比率が高く、女性スポーツ中継の少ないことなどが一目瞭然だ。スポーツ記者の女性比率は2005年9%という状況しか把握できなかった。この場をお借りしてデータ整備をお願いしたい。
八千代出版 / 3850円 / ISBN 4-8429-1906-X
■軋むアジア――揺れる米中関係と見えない新秩序
藤井 彰夫(日本経済新聞社論説主幹)
國分良成元防衛大学校長、伊集院敦日本
経済研究センター首席研究員との共編著
▼アジア各国の戦略変化を分析
2020年代は冷戦後の国際秩序が転換点を迎えた時代と位置付けられるでしょう。その中核にある米中対立とアジア各国の戦略変化を、國分良成氏を中心とした第一線の研究者とともに分析した一冊です。私は第1章で、米国の対中関与政策の変遷、トランプ政権が国際秩序に与える衝撃と今後の米中関係を論じました。他の章では韓国、ASEAN、インド、台湾、ベトナムなど各国の対応を通じて、激動するインド太平洋地域の新秩序と日本の課題を読み解いています。
日経BP 日本経済新聞出版 / 3520円 / ISBN 4296127039
■へそ曲がりの戯言 激動の世相を斜めから読む
山田 伸二(NHK出身)
▼激動の時代記した時評集
この本は、2020年から山形県の地方紙「荘内日報」に書きつづったコラムをまとめたものです。私の経済に対する持論は「デフレの亡霊に怯えて」で書き下ろしました。この間、コロナ、東京五輪、安倍~高市政権までの政変と、激動の時代でした。通説を排して私はこう考えますという姿勢で、NHKの解説委員の時代より自由に楽しく書かせていただきました。北海道拓殖銀行の格闘、東大寺のお水取りに参籠したルポなど、興味深い話も盛り込みました。
晶文社 / 2860円 / ISBN 4794980566
■ジョークで読み解く「ロシア近現代史」
名越 健郎(時事通信社出身)
▼時代を象徴する傑作を選出
ロシア革命からウクライナ戦争まで百余年の通史を、スラブ文化の至宝であるアネクドート(小話)でたどってみた。内閣府の調査では、日本人の93%が侵略戦争を行うロシアを嫌いと答えたが、現実を諦観して皮肉るジョークの才能は大したもので、その時代を象徴する傑作を選んだ。画家レーピンの「ボルガの舟曳き」を模したカバーの絵は中国人イラストレーターの作品。「人民日報」にも掲載され、中国人のセンスにも感服した。
PHP研究所 / 1320円 / ISBN 456986130X
■広島を伝える――メディア人として思うこと
飯田 政之(読売新聞社出身、広島テレビ会長)
▼よそ者の視点で読む被爆地
元新聞記者が地方テレビの経営者に転じて広島をどう見たか――鹿児島市出身。読売新聞東京本社で政治・文化を担当した経験を背景に、「よそ者の視点」から広島を論じる。被爆地のメディアの責任を起点に、音楽ホール問題やカープ、武家茶道、熊野筆、地酒などの題材を通して都市の魅力を描き、SNS時代の地方テレビの使命にも言及した。巻末にネット視聴可能な番組一覧を収録。読むことと視聴を往還しながら広島の今に迫る。
南々社 / 1650円 / ISBN 4864891915
■巨大地震の真実 地震研究の現在地から言えること
倉澤 治雄(科学ジャーナリスト、日本テレビ放送網出身)
笠原順三 東京大学名誉教授との共著
▼巨大地震に立ち向かう
東日本大震災から15年、巨大地震に対する備えが緩んできた気がします。本書は海洋地震の世界的権威である笠原順三東京大学名誉教授から地震研究の最新情報を引き出す形で書きました。
南海トラフだけではありません。千島海溝、日本海溝、それに都市直下地震も懸念されます。日本列島は4つのプレートが重なる地球上の特異点です。「地震予知は不可能」とあきらめるのではなく、日本の科学技術力を結集して巨大地震に立ち向かうことこそが次世代、次次世代への義務だと思います。
花伝社 / 1980円 / ISBN 4763422332
■国家消滅の52日 サイゴン陥落 アメリカに依存した国の悲惨!
古森 義久(産経新聞社ワシントン駐在客員特派員)
▼現代日本にも類似する教訓
ベトナム戦争の最終段階、南ベトナムという国家が北ベトナムの軍事大攻勢でわずか52日間でいかに消滅したかを現地で目撃した記者が報告する。アメリカ軍撤退後の2年間に南北の両国家が衝突し、北が中国やソ連の豊富な軍事支援を得たのに南はアメリカに見放され滅びていった経過を個々の人間にも光を当てて再現する。
南ベトナムは自国の安全保障をアメリカにゆだねてきた点で現代の日本にも類似する点からの警告や教訓も明示される。
ビジネス社 / 2200円 / ISBN 4828428402
■半導体 尖端覇権の興亡
大鹿 靖明(朝日新聞社出身)
▼著者30年余の取材を集大成
最近とみに軍事・安保の面で半導体を語ることが流行しているが、30年余、業界を見てきた自分からすると違和感がある。日本は圧倒的に民生品の製造業によって大国にのし上がってきた国であり、半導体を含む尖端デバイス産業も民生品向けに開発されてきた歴史がある。その点にくぎを刺しつつ、「電子立国」と喧伝されてきた日本の凋落の理由を解き明かし、経産省主導で進む半導体再興の危うさを解剖したのが本書である。
講談社 / 2750円 / ISBN 4065437172
■長期政権の条件
老川 祥一(読売新聞社主筆)
▼運と選挙と自制心のドラマから
半年ももつまいといわれた政権が長期安定を誇るかと思えば、長期政権間違いなしと目されながらあっという間に崩壊したりもする。どれも偶然の出来事なのですが、一定の時間をへて通観してみると、多彩な政治ドラマの中に、共通点や法則に似たパターンが見えてきます。
長い歳月にわたって政治の世界を身近に観察する幸運に恵まれた者として、気づいたことや学んだことを記録し、伝えることで、多くの人に政治への関心を深めてほしいと願っています。
新潮社 / 1034円 / ISBN 4106111241
