2013年03月25日 14:00 〜 15:00 10階ホール
佐々木則夫 サッカー日本女子代表監督 記者会見

会見メモ

佐々木則夫・サッカー女子日本代表監督が、3月にポルトガルで行われたアルガルベ杯の結果を総括し、2015年のワールドカップ連覇へ向けた今後のチーム作りについて話した後、記者の質問に答えた。

2013年の前半はいろんな選手に国際試合を経験させる育成強化にあて、後半にかけては経験のある選手も登用し、ワールドカップで優勝できる選手を選考したいと語った。

世界の女子サッカーが、「蹴って走って当たって」のサッカーから、自分たちのようにボールを動かすモダンな組織的サッカーに変わってきた。そうした日本の戦略も研究され、身体能力の高いチームも組織的になってきているので、パス・アンド・コントロールなど基本技術の質を向上させないと厳しい戦いになるとの見通しを示した。

司会 日本記者クラブ企画委員 別府育郎(産経新聞)

日本サッカー協会・なでしこジャパン公式サイト

http://nadeshikojapan.jp/

日本記者クラブホームページ

http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2013/03/r00025564/


会見リポート

再びの世界一を

財徳 健治 (東京新聞編集委員)

「着々とイメージ通りのチームになってきた」と自信の言葉から始まった。2006年にU─17(17歳以下)日本女子代表の監督に就任し、U─20代表監督を経て、08年からフル代表の指揮を執る。

手にしたタイトルは東アジアカップ、アジア大会、そして、世界をあっと言わせたワールドカップでの優勝。ロンドン五輪では銀メダルを手にした。これでイメージ通りでないと言えば贅沢すぎる。

ひたむきで、明るくて、芯が強くて、礼儀正しい。「なでしこジャパン」は、そうした日本女性の特性をピッチ上で表現してみせる。精緻な技術を追求し、労を惜しまず、あきらめないサッカーの方向性が間違っていないと確信したのは北京五輪。

連覇を達成した米国のピア・スンダーゲ監督の「これからの世界の女子サッカーは日本のようなスタイルに変化しないと進化しない」という言葉に接したときだった。ベスト4止まりのなでしこには、メダルに匹敵する輝きを持つ言葉だった。

以降、世界の強豪たちは「蹴って、走って、当たって」のパワー一辺倒から明らかに変化している。日本選手よりレベルの高い選手も出てきている。「フランスでは若手で体格もよく、スピードもあり技も利く選手がいる。戦術的にも参考になる」と話した。

勇退説もあった中での留任は、なでしこジャパンをさらに進化させるのが自らの役目だと胸に刻んだからだろう。3月、ポルトガルで行われたアルガルベカップには澤穂希や宮間あや、大野忍たち従来の主軸を外し、若手を多用した。「トップクラスの若い選手に国際舞台を経験させて伸ばしていきたい」狙いだった。

スムーズな世代交代には幾つかの問題はありそうだが、再びの世界一へ、さらに一人一人の質を高め、2015年ワールドカップに挑む。


ゲスト / Guest

  • 佐々木則夫 / Norio Sasaki

    日本 / Japan

    サッカー日本女子代表監督 / Head Coach of the Japan Women's National Football Team

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