2012年05月29日 16:45 〜 17:45 宴会場(9階)
デービス 南アフリカ貿易産業相記者会見

会見メモ

Rob Davies, Minister of Trade and Industry , South Africa


日本との貿易や、南アフリカを含む15カ国が加盟する南部アフリカ開発共同体(SADC)への投資などについて話し、記者の質問に答えた。


司会 山岡邦彦 日本記者クラブ企画委員(読売新聞)

通訳 池田薫 サイマル・インターナショナル


南アフリカ大使館のホームページ

http://www.wfp.or.jp/index.php


日本記者クラブのページ

http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/05/r00024353/


会見リポート

工業化へ力強い意志

田中 寛 (共同通信外信部)

「われわれは日本が戦後歩んだ道を歩まなければならない」。貧困や紛争にあえぎ「暗黒大陸」とさえ呼ばれたアフリカを、廃墟から世界屈指の経済大国に立ち上がった日本になぞらえ、急速に工業化を進める意志を力強く宣言した。「歴史上、付加価値のある商品を生み出さずに豊かになった国はない」とも。石油やダイヤモンドなど資源に関心が集まりがちなアフリカだが、富裕国に資源を売るばかりでは発展できないとの危機感の表れだろう。


年5%以上の成長を遂げるアフリカはここ数年、アジアに次ぐ「成長の源泉」として世界の耳目を集めている。かつて大陸各地で吹き荒れていた地域紛争が減少し、投資環境が改善傾向にあることが背景にある。依然として資源主導の成長とはいえ、中産階級が厚みを増したことで携帯電話やコンピューターなどモノの消費が伸び、サービス産業も広がりを見せている。


中でも南アフリカは工業化が最も進んだ「アフリカの雄」だ。昨年には主要新興5カ国(BRICS)に参加表明し、名実共に新興国の代表格となった。「この数年間、世界経済は劇的な変化を遂げている。新たなパワーが出現し、かつての強いパワーが弱まりつつある」。みなぎる自信がのぞいた。


今後のさらなる工業化に向け、力を注いでいるのが太陽光や風力など再生可能エネルギーの分野だ。南アは「全エネルギーの25%を再生可能エネルギーで賄う」との2030年目標を掲げており、今回の日本訪問で「再生可能エネルギーの関連機材を南アで製造するよう(日本の)企業に促したい」と期待を示した。


中国のみならず欧米や韓国の企業も急速に進出するアフリカ。既に出遅れの感が否めない日本企業にとっても今が最後のチャンスかもしれない。機は完全に熟している。



ゲスト / Guest

  • ロブ・デービス / Rob Davies

    南アフリカ / South Africa

    貿易産業相 / Minister of Trade and Industry

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