2011年12月06日 15:00 〜 16:00 宴会場(9階)
アリ・ババジャン トルコ副首相 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 脇祐三(日本経済新聞)

通訳 池田 薫(サイマルインターナショナル)


トルコ大使館のページ

http://tokyo.be.mfa.gov.tr/default.aspx


日本記者クラブのページ

http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023562/


会見リポート

世界トップ10へ 新興国の自信

宇田川 謙 (共同通信外信部)

欧州とアジアにまたがるトルコは、今や20カ国・地域(G20)に数えられる新興国。欧州債務危機への懸念が深まる中でも、今年の経済成長率は7~8%に達する見通しだ。「2023年までに世界トップ10の経済大国の仲間入りを果たしたい」。記者会見での発言は、国際社会で重みを増しつつあるトルコの姿を如実に表した。


経済担当の副首相だが、過去には欧州連合(EU)加盟の交渉責任者や外相を歴任、国際情勢を熟知する。チュニジアやエジプト、リビアの長期独裁体制を崩壊させた中東の民主化運動「アラブの春」が地域に広がる中、反体制派への武力弾圧を続けるシリアのアサド政権を激しく批判。若者らがフェイスブックなどで国境を越えて自由に言葉を交わす今、「地域の変化は避けられず、後戻りは不可能」と繰り返した。


こうした「変化」は中東地域だけの傾向ではないようだ。トルコが加盟を目指すEUは現在、債務危機拡大で単一通貨ユーロの存在さえ脅かされている。「経済面でEUはもはやトルコの模範例ではない」と言い切る。


米国も雇用回復が進まず、世界経済での新興国の役割は増すばかりだ。そんな中、「トルコは中東・北アフリカ地域で(現在のEU加盟)27カ国を集めたよりも強い影響力を持っている」とEU加盟の意義を訴えるとともに国際政治の舞台での自信も見せ、世界の変化を印象づけた。


日本に対しては良好な政治関係を強調し、貿易や投資の拡大を要望。シノップ原発建設計画で日本との交渉再開を求めたほか、経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉を進める意向を表明した。日本企業のトルコ進出や第三国での共同事業の展開にも期待を示した。


ゲスト / Guest

  • アリ・ババジャン / Ali BABACAN

    トルコ / Turkey

    副首相 / Vice Prime Minister

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