2024年01月29日 13:30 〜 14:30 オンライン開催
「<政治とカネ>を問う」(1) 上脇博之・神戸学院大学教授

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会見リポート

「裏金」は主権者への背信

坂井 広志 (産経新聞社論説副委員長)

 ある学者の告発が自民党を揺るがした。その学者とは神戸学院大の上脇博之教授。「政治とカネ」問題を追及する市民団体のネットワーク「政治資金オンブズマン」を立ち上げたことでも知られる。オンラインの記者会見で上脇氏は、自民派閥のパーティー収入不記載事件を受け、どのような改革が必要かを語った。

 「裏金が作られたというのは、主権者国民に対する背信的な行為だ」

 上脇氏は同事件について、こう批判した。では「裏金」をなくすにはどのような対策が求められるのか。

 政治資金パーティーの禁止にとどまらず、例えば、政治資金パーティーの2万円のパーティー券を購入してもらうのと同じくらい高い収益率のオンライン講演会などといった、政治資金パーティーに類する催しも禁止にすべきだと訴えた。

 企業団体献金についても「株主に対して背任行為的な要素がある」として禁止を求めた。

 国会議員に月額100万円が支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途報告の制度化も求め、「領収書も付ける必要がある」と語った。内閣官房報償費(機密費)は、将来は公表する必要があるというのが持論だ。

 上脇氏はこれらの対策を「裏金をなくす改革」と位置付けており、「政党の自浄能力を回復させる改革」として「選挙制度改革がどうしても必要」とも語った。衆院も参院も、無所属の立候補を保障した形の「完全比例代表制」にするのが望ましいという。責任をより党に負わせる狙いがあるようだ。

 数々の対策を提示した上脇氏。自民政治刷新本部による中間とりまとめをどう見たのか。

 「全く評価できない。0点だ。刷新本部のメンバーを見てマイナス100点。刷新されないといけない人がいるわけですから」

 問答無用に切り捨てた。


ゲスト / Guest

  • 上脇博之 / Hiroshi KAMIWAKI

    日本 / Japan

    神戸学院大学教授 / professor, Kobe Gakuin University

研究テーマ:<政治とカネ>を問う

研究会回数:1

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