2015年05月25日 15:00 〜 16:30 10階ホール
「ドイツの戦後和解」⑤フォン・ヴェアテルン駐日ドイツ大使

会見メモ

フォン・ヴェアテルン大使が、戦後のドイツの取り組みについて話し、記者の質問に答えた。
司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)
通訳 ベアーテ・フォン・デア・オステン(ドイツ大使館)


会見リポート

「戦争中何をしたのか。父の真実を知る必要があった」

二村 伸 (NHK解説委員)

「1960年~70年代、ドイツの若者たちは父親や祖父が戦争中に何をしたか問い詰めた。どんな罪を犯し、どれだけの責任を負っているか、事実を知る必要があった」。大使自身も7、8歳の頃、父親に人を殺したか問うと答えは「ヤー」、ショックだったという。二度と過ちを繰り返さないためには過去を知ることが重要で、前に進むには痛みも伴う。5回にわたったドイツの戦後和解に関する研究会の最後を締めくくる重い言葉だ。

 

会見のテーマは、ドイツとイスラエルの和解。ユダヤ人絶滅を図った「悪の象徴」ドイツとイスラエルの和解は、ナチスの不法の責任を認め補償を始めたアデナウアーに依るところが大きいが、世代が変わってもぶれることはない。メルケル首相は「イスラエルの安全保障はドイツの国是だ」と演説、ドイツはイスラエルの生存権を守る覚悟があるのだという。世論の反発の中、政治主導の和解の取り組みは「唯一無二の関係」に発展した。

 

「口で言うより行動だ」。ワルシャワのユダヤ人ゲットーでひざまずいたブラント元首相、戦没者の墓地で手を取り合ったミッテラン・コール仏独首脳。指導者の行動が世界に発信され信頼獲得につながったという。アジアでも不可能ではないというが。


ゲスト / Guest

  • ハンス・カール・フォン・ヴェアテルン / Hans Carl von Werthern

    ドイツ / Germany

    駐日大使 / Ambassador to Japan

研究テーマ:ドイツの戦後和解

研究会回数:5

ページのTOPへ